17 レッド、レアドロを狙う➁
現在のメンバーは……。
パーティーメンバー:ステラ レッド ブルー ピンク
控え:グリーン ブラック
「はあああっ! 炎月斬り!」
レッドの炎を纏った剣が、ロックデーモンを捉えた。
「カーッ!」
「よし。倒したぜ」
ガクッと、その場に倒れるロックデーモン。
徐々に姿が消えて行き、アイテムだけが残る。
「ようし! 来い来いっ! 来い来いっ!」
来なかった。
ドロップアイテムはクズ石。
レッドの横に山のように積まれてるクズアイテムである。
「……またクズ石。また、クズ……」
レッドは泣きそうである。そんなに辛いか。
「なあ、あたし、何匹倒した? これで、あいつ倒したの何匹目だよ?」
「そういうこと考えちゃダメ。とにかく、たくさん倒したの。数を数えたところで、むなしくなるだけだから」
レッドは満身創痍だ。
やはり当たりが出ないと、疲れが溜まる一方だな。
「ピンク。やってあげて」
「うん。わかった」
ピンクは手をかざして、呪文を唱えた。
「ラックアップ!」
レッドの体が光り輝いた。
さらに、もう一回。
「ラックアップ!」
体を覆う光が、桃色を帯びた。
踊り子の十八番。能力アップの二回掛けである。
「これで幸運が100%アップ。ドロップ率も100%に」
「さっき、それやっても出なかった!」
「あれー。おかしいなー」
そりゃあ、そうだ。
上がるのは、モンスターを倒したときにアイテムが落ちる確率。
サタン鉱石の『5%』という確率は、変化しない。
「ピンク。疲れも取ってあげて」
「スタミナアップ! スタミナアップ!」
「よかったね。これで、もっと戦えるよ」
「悪魔め!」
「剣が欲しいんでしょ? もっと頑張らないと」
それから、さらにモンスターを倒すこと一時間。
「……も、もう無理。きつい」
レッドが、へばってしまったようだ。
疲れ果てて、立ち上がることもできない様子。
ロックデーモンは、それなりに強いからな。
ずっと戦い続ければ、疲労するのも無理はない。
「仕方ありませんね。奥の手を使いましょう」
「ブルー。何か手があるの?」
「はい。≪ブライト≫の役目を私と代わってもらえますか?」
私とバトンタッチして、ブルーが前に出てきた。
地面に手を置き、呪文を唱える。
「≪シーキャノン!≫」
地面がせりあがって、砲台が現れた。
たしか、試しの塔で使っていた魔法だ。
近くにいる敵を自動で攻撃してくれる。
「カーッ! カカーッ!」
ロックデーモンが現れた。
チロチロと舌を出しながら、天井に張り付いている。
「カーッ!」
砲台の存在に気付いたようだ。おそるおそる近くに寄ってくる。
すると、ガシュッ! ロックデーモンの足に命中した。さらに、ガシュッ! 頭に命中した。
「カッ?」
悪魔は首をかしげている。
「ふむ。やはり、効いてませんね。ピンクさん。お願いできますか?」
「うん。マジックアップ! マジックアップ!」
彼女が砲台にバフを二回かけたことで、≪シーキャノン≫の魔法威力が強化された。
ふたたび、砲台が動き出した。
ガシュッ! 足を吹き飛ばした。さらに、ガシュッ! 頭を吹き飛ばした。
「……カー……カカー」
ロックデーモンは地面に落ちて、そのまま動かなくなった。
まさに砲台が勝手にやってくれた感じだ。
ブルーは息一つ乱していない。
「終わりました」
「うおおいっ! そんな簡単にできるなら、最初からおまえがやれよ」
「魔法を使っても疲れますから、無限にできるわけではありません。ですが、こちらの方が効率は良いと思います」
これは便利だ。
しばらくは、砲台に任せておくことにしよう。
「じゃあ、レッドは休んでて。元気になったら、再開ね」
「あたし、まだやるのか……」
☆
ついに! ついに、サタン鉱石を三十個集めることができた。
目標達成だ。
「さあ、武器屋と防具屋に渡してこないとね。これで新装備を作ってもらえるよ」
「みんな大変! レッドちゃんが悪魔に……」
見ると、レッドが糸の切れた人形のようになっていた。
「カーッ! カカ―ッ!」
「ちょっと、しっかりして。あなたは人よ! 人間なのよ!」
「カーッ! カカーッ!」
「悪魔になっちゃダメ―ッ!」
「もういいので、少し休ませてあげませんか」
うーん。無理させすぎたか。
サタン鉱石を渡しても装備を作ってもらうのには、数週間ほどかかってしまう。
それまでは他のダンジョンに行ったり、クエストを受けたり。
そして、あっという間に、数週間が経過した。
「すみません。装備を受け取りにきました」
「おお。あんたか。ちょうどできてるぜ」
武器屋の店主が、剣を持ってきた。
「ほら。レッド。あなたの武器だよ」
「カーッ! カカーッ!」
「って、まだその状態なの!?」
「……はっ」
我に返ったレッドは、剣を手に取った。
「おおっ、これは……」
レッドの目が輝いている。
武器屋に併設された試し切りエリアで、素振りをしてみる。
――ヒュッ! ヒュッ!
「いい! 手にしっくりくる!」
さらに、分厚い板も切ってもらう。
――スッパン!
「……切れ味もいい。最高だ。これなら、あたし、どんな敵にも負けない気がするよ」
それはよかった。
装備も強化できたし、これからはもっと難しいクエストを受けていかないとな。




