第三話「殉死」
第三話「殉死」
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私は仕事が一段落着いた事を確認してから下界への接続を日課にしていた。
翌日。
私はからくり箱の前に座った。
昨日の続きを開いた。
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44 名無しさん
>43 うーんたしかに
45 名無しさん
>43 でも実質的な主導権は忠清にあったんちゃうの
46 名無しさん
このスレ思ったより面白いやん
47 名無しさん
>46 同意
続きが気になってきた
48 名無しさん
てかYOMI2020さんまだおるん?
49 名無しさん
>48 毎日来てるやん
暇なん?
50 名無しさん
>49 歴史オタクってそういうもんやろ
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私は画面を眺めた。
「暇なん?」
「……暇ではない。」
気が付けば田中殿が後ろに立っていた。
「一日一時間しかないのに、
毎日来ているのは確かに暇に見えるかもしれません。」
「一時間では足りぬ。」
「そうですね。」
「言いたいことが、まだたくさんある。」
私は文字を打った。
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51 名無しさん◆YOMI2020
引き続きよろしくお願いします
今日は別の話を投げかけてもいいですか
酒井忠清の時代に出された
殉死禁止令
についてです
皆さんはこれをどう思いますか
52 名無しさん
殉死禁止令?
なにそれ
53 名無しさん
>52 主君が死んだ時に家臣が後追い自害するやつを禁止した法令やで
54 名無しさん
あー武士の美学的なやつ禁止したってこと?
55 名無しさん
>54 それな
なんか武士っぽくなくない?
56 名無しさん
忠清また出てくるんかい
関わりすぎやろこいつ
57 名無しさん
今北産業
58 名無しさん
>57
・忠清が殉死禁止した
・武士の美学否定?
・忠清またかよ
59 名無しさん
>58 乙
60 名無しさん
でも主君死んだら後追い自害って
普通に考えておかしくない?
現代感覚やと完全にアウトやん
61 名無しさん
>60 江戸時代の価値観で考えろや
62 名無しさん
>61 いや現代人が江戸時代の話するんやから現代感覚でええやろ
63 名無しさん
>62 それもそうか
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私はしばらく画面を眺めた。
「武士の美学を否定した、か。」
田中殿が言った。
「忠清さま。どう思いますか。」
「死ぬことが忠義ではない。
生きて次の主君を支えることが忠義だ。
そう考えていた。」
「でも武士にとっては、殉死は名誉だったんじゃないですか。」
「名誉だとは思う。
だが、名誉のために死なれては、困る。
有能な者が死ねば、誰が政を支えるのだ。」
「……なるほど。」
「生きていてくれた方が、役に立つ。」
田中殿は少し笑った。
「忠清さまらしい考え方ですね。」
私は文字を打った。
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64 名無しさん◆YOMI2020
少し補足させてください
殉死禁止令は
武士の美学を否定した
というより、
生きて次の主君を支えることが真の忠義である
という
考え方の転換を示したものだと思います
主君のために死ぬことより
主君の遺志を継いで生き続けることの方が
政を支える上では重要でした
これは忠清単独の発案ではなく、
保科正之が主導し
一六五一年に口頭で伝えられていたものを
一六六三年に正式な法令として整備したものです
65 名無しさん
>64 また長文きた笑
66 名無しさん
>64 まあ言いたいことはわかる
でも武士の魂的なものを法律で禁止するって
なんか味気なくない?
67 名無しさん
>66 それな
法律で縛るもんちゃうやろって思う
68 名無しさん
>64 保科正之が主導って書いてあるやん
じゃあ忠清関係なくない?
69 名無しさん
>68 正式な法令にしたのは忠清時代やから関係あるやろ
70 名無しさん
>69 それ屁理屈やん
71 名無しさん
>70 屁理屈でもないやろ
法律として残したのは大事やん
72 名無しさん
>71 それはそうかも
73 名無しさん
でもさ、殉死禁止したってことは
武士がバタバタ死なんでよくなったってこと?
それは普通によくない?
74 名無しさん
>73 たしかに
現代感覚やと人が死なんのが一番やし
75 名無しさん
>73 そういう見方もあるか
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私は少し安堵した。
「少し伝わってきたかもしれない。」
田中殿が言った。
「はい。73番の方、いい視点ですね。」
「そうだな。
死なずに済むのは、良いことだ。
当たり前のことだが、それを言葉にする者が少ない。」
私は文字を打った。
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76 名無しさん◆YOMI2020
>73
おっしゃる通りだと思います
有能な家臣が主君の死に際して命を絶つ
それが繰り返されれば
政を支える人材がどんどん失われていく
殉死禁止は
人が死なんでよくなった
という視点で見ると
非常に合理的な政策です
武士の美学より
政の継続性を優先した
それが文治政治への転換だったと思います
77 名無しさん
>76 文治政治って何
78 名無しさん
>77 ググれ
79 名無しさん
>77
武力より学問や法律で治める政治のことやで
80 名無しさん
>79 ありがとう
81 名無しさん
>76 なんかこの人説明うまいな
82 名無しさん
>81 歴史の先生かな
83 名無しさん
>82 にしては文体が硬いんよな
なんか古風な感じがする
84 名無しさん
>83 それな
「おっしゃる通り」とか「〜でございます」みたいな書き方するし
漢数字やし
85 名無しさん
>84 江戸時代の人間やったりして笑
86 名無しさん
>85 草
それはないやろと思いつつ
かもな
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私は画面を見た。
「江戸時代の人間やったりして。」
田中殿が後ろで笑いを堪えていた。
「文体、気をつけた方がいいですよ。」
「……そうだな。」
「もう少し現代風に書いた方がいいかもしれません。」
「どう書けばよいのだ。」
「「おっしゃる通り」じゃなくて「たしかに」とか。」
「……たしかに。」
「そうです。そんな感じで。」
「漢数字を算用数字にするのは、骨が折れるな。
田中殿、田中殿、私の申す内容を打ち込んでくれぬか。」
「そうですね、忠清さまがおっしゃった内容を
私が書きましょう。
その方が、ばれにくい気がします。」
田中殿と席を変わり、
私はしばらく考えてから、
伝いことを田中殿に打ってもらった。
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87 名無しさん◆YOMI2020
>85
江戸時代の人間ではないですが
少し文体が古いと言われることがあります笑
話を戻すと
殉死禁止令は
死ぬことより生きることを選べ
を伝えたかったのだと思います
それが武士の美学を否定したかどうかは
見る人によって違うかもしれませんが
88 名無しさん
>87 笑ってるやん
意外と人間味あるな
89 名無しさん
>87 「生きることを選べ」か
なんかちょっとええこと言ってるな
90 名無しさん
>89 それな
急にいい話になってきた
91 名無しさん
このスレなんか好きになってきた
92 名無しさん
>91 同意
YOMI2020目当てで見てるわもう
93 名無しさん
>92 わかる
次何投げかけてくるか気になる
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時間が来た。
「また、明日か。」
私は静かに言った。
田中殿が言った。
「少し楽しそうですね。」
私は何も言わなかった。
だが、口元が少し緩んでいたかもしれない。
一時間ずつ、届けていく。
それだけだ。




