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90 老騎士と安酒(その15)
<ルルルルル~>
少女が奏でる手もちの小さなハープの短調の音が酒場に響き渡る
むかしむかしのものがたり
悪しきものにあやつられる王あり
たたかいが世の中でまきおこり
嘆きが世の中を埋め尽くす
少女の歌声が店内に響きわたる
皆は酒を飲みながら静かに聞く
地球の現代だけだよ、お手軽に音楽を楽しめるのは?
<ジャンジャン!>
そこで天からの御使いあり
その手には天より与えられた聖なる剣あり
その身には天より与えられた聖なる鎧あり
地からは御使いに導かれた勇者あり
一は槍を、一は鉾を、一は鎌を、一は杖をもつものなり
御使い達のはたらきにで悪しきものどもは逃げにけり
すべてを終えた御使いは光とともに天にかれれり
大地には御使いの剣がささりけり
<ポロロンポロン>
オレ(酒場の店主)は思った
この歌は先の戦いのことだよな
そんでもっての御使いって剣士の事だよな?
事実とは全然ちがうじゃないか!、と言いたい
酒場の他の客も同じ意見らしい
微妙な顔をして剣士を見いてる
かなり時間がたつとあんな酷い闘いも美化されてここまでなるのか!と驚いた
『物語りのようにウソをつく』という言葉もあるしな




