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88 老騎士と安酒(その13)
「大体、勝手にウチの家訓を作るってどうなんじゃよ・・・」
老剣士の酒を飲みながらの愚痴はまだまだ続いている(笑)
剣士のフリーダムは留まる所がなかったようである
<老剣士回想>
「グリーンウッドは友を絶対に見捨てない!」
敵軍から救出してきた友に肩を貸しながら剣士が声高々に宣言した
これが今回の騒動の始まりじゃ!
強大な敵国に攻められる日常
死と隣り合わせの現実
捕虜になっても奴隷になるという悲惨な未来が待っている
そして、勝てる見込みがないことも薄々判ってきている
そんな時に『敵に捕まった友を、自分の危険を顧みずに助けた』となれば英雄である
そしてぜひに友になりたいと願ってしまうのは人として当然のことである
・・・『もしもの時は助けてね』ってのが本音である
勝手にグリーンウッドの名を名乗る剣士が家訓を作った
でも断わる
だれも打算に満ちた友なんてものは欲しくない(苦笑)
そうすると当然のことながら、本家本元の老剣士にしわ寄せがくるわけである
ちょっただけの知り合い
同じ部隊にいるだけの人
昔ながらの顔見知り
はては御貴族様まで
・・・『お友達になりましょう』ブームは凄かったようである
<回想終了>
「剣を振りまわして戦っている方が楽だったわい!・・・」
老剣士のグチはまだまだ続きそうである(笑)




