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87 老騎士と安酒(その12)

「なんで貴族からの命令を断わるんじゃ~(涙)」


老剣士は涙目で愚痴りだした


・・・ひょっとして泣き上戸か?(笑)








<老剣士回想>



「だが断る!」


ケリー(剣士)は伯爵様からのお願いを断わった


その場にいた他の人間、つまりワシ(老騎士)、伯爵、男爵は固まったわい!





ワシは所詮騎士、つまりは騎士団の団員という肩書の平民じゃ


ということは、ワシの従者のケリーも平民の扱いじゃな?





それなのに御貴族様(伯爵)に向かって無礼をするとは!


死にたいのか?


・・・いやそんなことになったら死ぬのは御貴族様じゃな


盛大に返り討ちにあう光景が目に見えるようだ(苦笑)







ちょっとだけ話を戻すぞい



ある日突然、伯爵様が何やらケリーに相談があると尋ねてきたのじゃ


というのでワシが同席したのじゃ





その内容というのが


男爵様が謝っているから許してやってくれ


というものじゃった




なんでも以前、男爵様から


「帝国(敵)に捕まった男爵様の息子を助けて欲しい」


とお願いされたそうじゃ





でも「その態度が気にいらない」という理由で断ったそうじゃ


他にも「あ、オレ、この国の人間じゃないんで!」というのもあったとか





いくら謝罪しても許して貰えず、息子も助けられない


だから伯爵様に泣き付いたというわけじゃな





その返事が冒頭の台詞だわい


・・・驚きのあまり、心臓が止まるかとおもったぞいっ!(汗)






「とても謝っているとは見えないんですが・・・」


剣士ケリーが言うと


「「グッ」」


伯爵様と男爵様は言葉に詰まった





この国では貴族が平民にあやまるなんてことはないんじゃ


・・・ワシ(老剣士)、逃げだしてもよいかの?






「味方が囚われたのだから当然だろう」


伯爵様が自身満々で言うと


「あ~れ~っ?平民が多数囚われて奴隷として帝国に送られてますけど~」


堂々と言い返したのじゃ!





「グッ」


返答に詰まる伯爵様




「あ~れ~っ?平民なんてただの棄てゴマですか~?御貴族様だけが価値がある~?そう言う訳ですね?」


そんなことを言われたら伯爵様は答えられないわいっ!


Yesと言えば平民はソッポを向く


Noと言えば男爵の息子が見殺しになる


究極の選択じゃ!







「・・・」


伯爵様はしばらく無言じゃった









「・・・少々行き違いがあったようだ、お互いによく話し合うがよい」


そう言って伯爵様は立ちあがった





ようは逃げだしたのじゃ!




<回想終わり>





「あの後、どれだけワシが苦労したことか~(涙)」


その後も老剣士のグチは続くのであった(笑)

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