86 老騎士と安酒(その11)
「幾らなんでもやり過ぎじゃろう!」
老剣士が安酒を飲みながら愚痴っている
どうやら剣士が他にもフリーダム過ぎたらしい(笑)
<老剣士回想>
「おいまて!」
剣士に声をかける
「うい?」
フザケた返事が帰ってきた
・・・態度や言葉使いについては、もはやなにも言うまい(涙)
派手な鎧の後ろに荷物を持っている
この前も持っていた
そして何処かに行ってしばらく帰ってこなかった
怪しすぎる態度だ
おかげ?でイロイロな所から苦情が来た
敵に内通しているのではないのか?
横流しでもしているのではないか?
・・・なぜ、ワシのとこに来るんじゃ
そう文句を言いたい
なにせ現在、攻めてきている帝国の軍隊と戦闘が行われている状態
そんな時にたびたび、大きな荷物を持って何処かに行く人間がいれば目立つというもの
その中身は多分食べ物らしいところに非難轟々(汗)
只でさえ補給が遅れて食料が少なくなってきている昨今
数少ない食料を持ちだしているなんて疑惑は最悪のトラブルじゃ!
皆が腹を空かせているのにふざけているのか?
一人で食べているのか?
まさか女にでも貢いでいるのか?
どこかの国の革命前夜のごとき殺伐とした雰囲気になってきた
そんな訳でワシに御鉢が廻ってきたというわけじゃ(涙)
「帝国に囚われた友達への差し入れだけど?」
あっさり返事がきた
「ああそうk、え?」
突飛すぎて思わず普通の返事をしそうじゃわい!
敵である帝国軍とこちらの王国軍が戦っていれば当然、近隣の兵が集まってくる
そして人が多くなれば友達ができるというもの
・・・もっともイロイロな面でちょっとおかしな剣士に友達ができたというのが驚きじゃが(笑)
ところがその友達が先日の戦闘でケガをして敵軍に捕まったとか
帝国は捕まえた兵や農民を奴隷として働かせる
ケガしていない、あるいは歩ける程度のケガならば速攻で帝国に送られて奴隷ルート一直線
でも幸い?にも足にケガをして歩けないので近くの帝国が占領済みの町に囚われているんだとか
歩けるようになれば手引きをして脱走ができる
だから薬と食べ物を運んで傷と体力の回復をしているんだとか
フリーダムすぎるわい!(汗)
「大体ド派手な鎧を着たまま敵地に忍び込むなんて無謀すぎるわい!」 ←誰もそんな設定憶えてないって
そう老騎士が説教をしたら
「コレ以下の鎧を着るなんてオレの美意識が許さない!」
と剣士はキメ顔でそう言ったそうだ
・・・それを聞いたオレ(酒場店主)はどこの未来の凄腕探偵だよと心の中で突っ込んだ(笑)
戦闘で囚われたり、村や町を襲われて帝国に連れ去られた人々は多数いる
しかし皆は涙をのんで諦めた
しかし、差し入れをしている人間がいるとなると事態は変わる
囚われた人間の関係者は黙っていられないのが人情というものだ
当然のことながら「○○(←身内や恋人の名前)を助けてくれ!」と苦情が来る
窓口の所にある老剣士の所へ
<回想終わり>
「自由勝手すぎるじゃろうが!」
酒を飲みながら老剣士がグチを言う
「なんでも『やらなくて後悔するよりは、やって後悔した方がいい、責任なんてものは逃げれば他のだれかが代わりにとってくれる』と言われたそうだ」
そう言うと老剣士がオレの方を睨んできた
・・・心当たりがあるオレはそっと目を逸らした
いやね、それくらい図太くないと会社でやっていけないんだよ?
いやマジな話
でもね、一度、会社でやるだけやっておいて
「すみませんでした!」
って頭下げてみてください
上司が責任をとってくれたり、「よく言い聞かせますんで」ってナアナアで済んだりするんですわ
いやマジな話
これだから会社員って辞められません(笑)




