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85 老騎士と安酒(その10)

「なあ、やりすぎだと思わないか!?」


老剣士が安酒を飲みながらオレ(酒場店主)に愚痴ってくる


なんでも剣士は部隊の半分以上を見捨てたそうな




いやオレは剣士の親でも師匠でも保護者でもないんだが・・・


オレの困惑をよそにさらにグチが続いた




とりあえずスルーしておこう(笑)





秘密が女のアクセサリーなら


酒場のアクセサリーはグチと説教だしな(笑)









<老剣士回想>



とある戦場でのこと


さあ戦闘が始まる、って時になって剣士が戦うことを拒否してきた





「腹が空いて戦えない」


そんなフザケた理由でだ!





「いい加減にしろ!」


怒って叫んだら


「え?!」


って顔をされた





こいつ何バカなことを言っているんだ?


そんな態度だった





だから詳しく聞いてみた





なんでも朝食をとるために並んでいたそうだ


無事にスープの入った皿とパンを受け取った


そして開いている地面に座って食べようとした




その時


<ドン!>


人がぶつかってきた





手からこぼれおちるスープとパン


「あ~、ゴメンゴメン」


ぶつかってきたヤツがニヤニヤしながら謝ってきたそうだ




絶対ワザとだ


丸判りだったとか





仕方がないのでもう一度列にならんで朝食を受け取ろうとした





ところが


「おいおい、自分で落としておいて新しいのを貰うつもりかよ!」


ぶつかったヤツがイチャモンを付けてきた





剣士は顔を知らなかったがどうやら御貴族様のボンボンらしい


そこで料理係が忖度して新しい食事を渡さなかった、というわけだとか





食べ物を粗末にするは


嫌がらせをするは


こんな奴らのために戦いたくない


だから戦わない



剣士がキッパリ言ってきた





目眩がした


祖国を守る戦闘中にバカやる貴族に!





剣士は見た目というか言動がアレだけど戦闘の腕だけはピカ一


貴重な戦力、というか、剣士が戦うことを前提に軍が動いている




そんなところに嫌がらせをして足を引っ張ろうとするバカ貴族


どうせ自分よりも目立っているとか、戦果をあげているのが目ざわりだとかの下らない理由だろう





「後で謝らせるから、ここは堪えてくれ」


そう言って頭を下げた





しかし


「あ~、腹が減りすぎてお腹が痛くなってきたな~、あ~フラフラだ~」


下手な演技をしつつそうボヤキながら前線の反対側、つまり敵の居ない方に歩きだした





<回想終わり>




「それで部隊の大半は壊滅したんだ・・・」


「その後の戦闘にも『あ~なんか体調が悪い』とって参加しなかった」


「その後も説得しようとしたんだが、『やっぱり一食抜いたせいかな?なんか体調が悪くって戦えないわ~』とかいって戦おうとせなんだ・・・」


「その貴族のボンボンは生き残ったが、他の生き残りの兵が広めた」


「夫や息子、あるいは婚約者が死んだのがそんな下らない理由だといくら平民でもガマンができん」


「運の悪いことに有力貴族の息子が戦死した」


「その尻拭いにどれだけ苦労したか・・・」


老剣士のグチが続く続く(笑)






でもさ御貴族様は自業自得の見本だよね




こんな時、どんな顔をしたらいいかわからないわ


見捨てればいいと思うよ      ←ちょっと違うかも(笑)


だよね(笑)






「なんでも『上の者は責任をとるのが仕事だから下のものは勝手に振る舞ってイイんだ』とどこかの酒場の店主から教わったそうだ」


そう言って老剣士がオレ(酒場店主)の方を睨んできた






・・・ちょっと、いや大分、心当たりがあるな(汗)





こんなときどういう顔をすればよいのかわからないわ


目を逸らせばいいと思うよ(笑)

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