21 超越者と蘭蜜酒(その2)
「クレインドリ様、こちらをどうぞ」
酒場の外のテラスに座っている『人類を超えた者』の目の前にお酒を置きます
あっ、名前は他の人に聞こえないように言いましたよ?
「ありがとう」
そう言って、オレが出した酒をクレインドリ様が飲みました
「・・・あそこに行ってきたのですね」
飲んだ後、「ん?」と首を傾げ、しばらく考えた後にそう言いました
「大変でしたね」
やっぱり行ってましたか、あのトンデモ世界に!
お互いに苦労しますね
あ、でもクレインドリ様は自分で好きで旅行しているわけですから苦労とかちょっと違うかも?
この前、飛ばされた所は気温が60℃超えのトンデモないところでした
酒場から一歩出たら熱気が顔や身体に押し寄せて来ました
そんでもって身体中から汗が噴き出てきました
息するだけで肺が痛くなりました
サウナなんて目じゃないです
すかさず酒場に戻りたくなりました
ですが、何か金目のものをゲットしないと酒場を維持していけないのでガマンして進みました
とんだ罰ゲームです
結構歩いたところで巨大な塔があることに気がつきました
遠くからでも判るくらいの大きさで、白く輝いていました
目立ちまくりでした
なんだろうって思って近くに行くと巨大な植物でした
白いのは葉の色でした
葉が重なり合い、東京タワーくらい?の大きさになってました
いや東京タワーは言いすぎかも?
でもそれくらい高いと思って下さい
葉っぱの内側に入ると涼しくなってました
葉の白さが太陽光線をさえぎっているんみたいです
それと葉の重なりが断熱効果で熱をさえぎっている?
奥に進むと巨大な花がありました
ちょっとした昆虫気分が味わえるほどの大きさです
その花の中を覗き込むと花の蜜?がありました
舐めて見ると甘いお酒でした
こりゃいいもの見つけた!
そう思いましたね
これは金なる、と
守銭奴?
上等です
なんてったって借金王ですから(笑)
1日かけて蜜を集めまくりました
他の花にも行ってです
酒場との往復と、他の白い塔も捜したりとかで汗だくになりましたよ
いくらクレインドリ様でもコレは飲んだこと無いだろう?
いやあのクレインドリ様だよ、多分飲んだことあるんじゃね?
異なる考えが頭の中でグルグルしました
でもやっぱり飲んでましたか
さすが自称『永遠の旅人』です
そんなことを思っているとクレインドリ様がおもむろに宣言しました
「これは私とあなた以外に飲ませてはいけません」
ちょっとまってください!
売っちゃダメってことですかいっ?
おれの借金はどうなるんです?!




