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141 おぼっちゃまと蜂蜜酒(その20)~七大氏族滅亡阻止の裏側(その2)~

生まれ故郷を魔素に汚染されスラムに追いやられた人達の子孫(テロリスト)目線です


御貴族様は蜂蜜酒を飲んでいる貴族の七代前の御先祖様です


つまりは本編の200年ほど前だったりします


-----------------------------------------------------


「おんしらのやっていることは間違っているでござる」


見知らぬ貴族が訪ねてきて説教を始めた





「なにおっ!」


血の気の多い若い奴が怒り出した





当たり前だ


こっちは貧乏になりたくてなっているんじゃない


どうにもならないから貧乏になっているんだ










事の起こりは1万年と2000年前、ではなく約200年くらい前に魔導炉が爆発したことだった





そのおかげで先祖達は産まれ育った土地を追い出された


・・・いや残っていてもいいんだよ、死んじゃうけどさ






権力者は非情なもので、魔導炉を作る時は調子の良いことを言っていた(そうだ)


しかし爆発して土地が広範囲に汚染されると「想定外だから権力者(おれたち)は悪くない」と言いだした(そうだ)


そして「自分の努力が足りないくせに、なんでも責任を押し付けられても困る」とも言い出した(そうだ)


・・・権力者ってクズだよな






支援もなく


仕事もなく


指定された移住先は痩せた土地


一体どうしろというんだ


・・・どうにかできるっていうんならやってみせろと言いたい





生きていくだけで精いっぱい


だから男は犯罪に走り


女は売春に走る


・・・これでどうやってまっとうな生活に戻れるというのだ






権力者に何度訴えても「自己責任」というばかり


話し合いにもならないから仕方なく実力行使(テロ)をしているのだ





そんな中、ある日、スラムに貴族とその執事がたった二人で訪ねてきた


責任者に会いたい、と言って





だからといってスラムを仕切っているオレ達がホイホイ出ていった訳ではない


見ず知らずの奴に指図される謂れはない


それに小説でもあるまいし、そう簡単に物事が進むわけではない





当然拒否した


そうしたらひと騒ぎあった





まあ、それはさておくとして最後にはオレを含めたスラムの顔役が集まることになった


・・・スラムの人間の大半をたった一人でのした執事の方がおかしいんだよ!





そうしたら御貴族様はこちらの状況を知ってか知らずか、勝手なことを言いだした


あまりのことに若い奴が怒って掴みかかろうとした


それが冒頭の話






しかし若い奴は最後までできなかった


途中で止まった


執事が前に出て睨んできたからだ




・・・執事、殺気が凄すぎ


絶対に何人か殺しているよな





おかげでその場にいるオレ達も固まった






一方、貴族は平然としていた


・・・足を組んで、宙に浮いた方の足が貧乏ゆすりしていたから暇そう?






御貴族様の思い通りに進んでいることに苦々しく思いながらオレは言った


「・・・一体何が言いたいんだ」





こちとらスラムのまとめ役としてのプライドがある


舐められたままだと示しがつかないんだよ!


勇気をかき集めて絞るように声を出したオレを褒めてやりたいぜ







「ですから貴方がたのやり方は間違っていると言っているのでござるよ」


貴族が言った






貴方達は被害者でござる


それは何も恥じることはないのでござるよ




貴方達の御先祖様は権力者達に騙されたのでござる


騙されたことは罪ではないでござる


だました方が罪でござるよ





そしてそんな被害者である貴方達(おんしら)を見捨てる権力者の方が罪人でござる


貴方達の言葉を聞かない権力者が罪人でござる


貴方達の困窮に目を瞑り自分達良い生活をしている権力者達が罪人でござる





貴方達が実力行使(テロ)に走るのは罪ではないでござる


神は貴方達のすることを認めるでござるよ





そこまで聞いた所で目から汗が出てきていた


オレだけでなくその場にいたスラムのまとめ役達も、だ





だれも言ってくれなかった


判ってくれなかった


手を差し伸べてくれなかった


ただ判ってくれるだけでもいいからと思っていたが無駄だった





ところが判ってくれたどころか


「誰も助けないと言うのなら拙者が助けるでござるよ」


とまで言ってくれたのだ




避難民(おれら)の苦しみをわかってくれてうれしいでござるよ

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