136 おぼっちゃまと蜂蜜酒(その15)
7大氏族のうち3つの氏族が完全に滅亡したのは魔導炉暴走から約100年後のことだった
親子何代にも渡る復讐劇
異世界酒場の客はその内容にドン引きだった
まあ当然といえば当然だ
ごり押しで魔導炉が自分の街につくられた
それが爆発した結果汚染されて住めなくなった
これで怒らなければ人間ではない
え?
だったら何か?
たぶん羊じゃね?
場所や時代によって言い方は違うけど中身は同じだよね
いや最初は歓迎していたらしい
執事が言っていた
まあ当然だ
良い所しか聞いていなかったから
・・・自分の都合の悪いことを最初っから言う人はいないってのが判らないとかツッコミたいぜ!
なんでも魔導炉を作るってことで街全体が好景気になったんだとか
ガッポガッポと金が懐に入る
そりゃ文句はでんわな
ところが上手い話には裏がある
安全対策してます、なんて嘘っぱちだったわけだ
いや対策はあったが誰も使えなかったというのが真相らしい
・・・異世界にもお役所仕事ってあったのが笑ったね、いや嗤った、だな
挙句の果てに爆発だ
おまけに予想外だから責任はないとか言い出す始末
・・・どこの世界の権力者も同じだな
大半の人間は有害な魔素に侵された土地から逃げ出した
・・・逃げないのは棺桶に片足つっこんだ老人だけらしい
まあ汚染により死ぬのが早いか、寿命で亡くなるのが早いかだと生まれ故郷を捨てるなんてことはしないわな
ところが、避難した人達はろくな土地を貰えなかったそうだ
土地が余っていないとか、調整がつかないとかで農業もできない余った土地へ追いやられたそうだ
・・・権力者なんてそんなもの、自分の得にならないことは絶対しないしな
避難民達は廃材を使って家を作ったそうだ
当然のことながら生活の手段、つまり仕事はない
そうするとどうなるか
犯罪の巣窟だ
早い話スラムの誕生というわけだ
食べる物もなく住むところもない
当然怨みは七大氏族に向かった
最後にはテロに走っていた
これが第一世代目の話
スラムとはかっぱらい、殺人なんでもありの無法地帯だ
はっきり言って最底辺
一度落ちたら二度と上がれない
二代目は産まれたときからそんな最低辺にいるんだ
当然僻んで絶望して親からの洗脳でテロリストを継承した
これが第二世代
以下同文で第三世代が生まれた
と執事が言っていた
・・・一度道を踏み外したらまともな道に戻れないのは何処の世界も同じだな
ここまで話した所で執事が貴族弟に向かって言った
「ぼっちゃん、どう思います?」




