116 勇者様とハンバーガー(その26)
「ほほうっ、これが転移の剣か」
勇者は手にとってマジマジと見る
見た目からして凶悪だ
なんといっても屠った魔族の力を吸って、異世界に転移しようとする剣だ
すでに効果を検証しているため使用済み
もう一度言おう、使用済みだ
血は拭いても完全に拭い切れないんだよ
どこぞの包帯おじさんの妖刀のようにいろんなものがこびり付いている
こんなに汚れていて切れるのかよ?って思ったね
でも切れ味と特殊効果は関係ないらしい
どこぞの骸骨のようにフレーバーテキストに好き勝手書いている気がするな
まあ、こんな危ないものが作られるようになったのもすべてオレのせい
「オレ(勇者)達が命がけで魔族と戦うじゃん?
でも他の人って街で普通に生活していたりするんだよ
でもそれってどうって思っちゃう訳よ」
ちょっと前に愚痴ってみた
強制的に召喚した上に、都合のよいことだけを聞かせて他人を命がけで戦わされる
そのくせ、命じた者は命の心配もなく暖かい部屋でヌクヌクしている
それが少年兵
どこかの『オレがガンダムだ』とかほざいているアニメならネタで済んでいた
でも実際にやるのでは大違いだ
でもオレ以外のやつらは全員、目を逸らしていた
オレが気がつかないことをいいことにすべてを押し付ける気マンマン
自分に火の子が降りかからないように逃げるのはどこでも同じだな
案外、どこでも同じなんだよな
オレはしみじみ思ったね
地球でも口の回るヤツが出世して、地道に仕事をしているやつは評価されないってTVで言っていた
そんでもって丸めこまれて雑用を押し付けられる
まあオレは師匠(異世界店主)のおかげで気が付いたんだけどな
だから言ってみた
「イイ人キャンペーンは終わりだ(意訳)」
早い話が、オレを地球に帰らせろ!
直接間接問わず貢献した貴族の所でだけ闘おう
と言う訳だ
そうしたら出てくる出てくる宝の山
移動する魔法
どこか別の世界で作られたとしか思えないOパーツ
古い魔法の本
・・・あまりにも数が多いので思わず抹殺しようと思ったな
そんなわけでお宝と交換で闘うことにしたわけだ
そうしたら作っちゃってきたよ転移の魔剣
デモンストレーションしたものをみたんだけれど、どこか別の世界につながっていた
・・・あきらかに人でも魔族でもない物がいた
あわててつながりを解消したのはテンプレのお約束
いや、マジで焦ったわ
あんなの相手する位なら魔族や魔物の方が何倍もマシだってばよ!
試作品なので地球に帰れるのかどうかの検証ができていない
そこは勇者まかせらしい
そりゃそうだ
魔物や魔族なんてその辺にゴロゴロしていないからな
実験するだけで一苦労だろう
でもこれで一歩どころか数歩進んだな
師匠には感謝しないとな
あ、次に出会えた時のために金貨でも用意しておく?
貴族達から巻き上げればいいんだしな!
なんかオラワクワクしてきたぞ
と師匠が言えと言ったが元ネタがわからんぞ?
はやく地球に帰ってググりたいな




