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115 勇者様とハンバーガー(その25)

後日譚です


勇者様、サイコー(笑)


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<異世界酒場から帰ってきて1カ月後>



「ウソをつくな!ウソをっ!」


とある御貴族様が怒鳴っていた




人(オレ)をうそつき呼ばわりするとは失礼な


オレほど世のために頑張っている人はいないというのに





だから師匠に教えられた通りに言ってやった


「元気がいいね、何かいいことあったのか?」




御貴族様とそのとりまきが絶句していた




さすが師匠(異世界酒場店主)


教えた通りに言ったら完勝だった








話を少し戻そうか




とある貴族の領地が魔物に襲われそうになったと思ってくれ


当然、勇者様、つまりオレが呼ばれるわけである


っていうか国王命令で派遣された




以前は人の言うとおりホイホイ聞いて回ってた


でも今では疑問ありまくりだ


なんで別の世界から無理矢理拉致されたオレが命がけで戦わなければならないんだ、と




どこかの一般人を拉致する国かよ!、って思ったね


ちなみに人を平気で拉致することが行われている国は一杯あるそうだ


報道されていないから世の中的には知られていないだけらしい





こほん、話を元に戻そうか





最近になってとある事情で真実に目覚めたオレ


当然拒否だ、拒否





でも悲しいかな、これ戦争なのよ・・・ではなくって、御貴族様は聞きやしない


あの人達は自分の聞きたい言葉しか聞かないんだよ




それが判らずに以前、何回か拒絶してしまった


結果はどこかの金髪の人が「ぶざまね」と言うくらい酷かったわ


余りにも身勝手すぎるので憎しみで人が殺せたら!、って思ったよ




最後にはマンガのように頭から蒸気がでるんじゃないかと思ったな


人間、怒りすぎるとマンガのようになることが判った


マンガって正しかったんだな





もっとも、今となっては黒歴史だ


認めたくないものだな、若さゆえの過ちと言うのは


・・・ちなみにこのフレーズは師匠の受け売りだが、人間の心理を突いた台詞だと感心している





そんなおバカだったオレが成長できたのは全部師匠のおかげだ


師匠はありとあらゆる状況の対処法を教えてくれていた


まあ、オレが師匠の店に言った時に延々と喋り続けていただけんだがな


・・・ノリノリで喋っていたんだが何故なんだろうな?、師匠は笑っているだけで教えてくれなかった





でも師匠の教え方が良かったのか、喋り方が良かったのか知らないが


言っていることの99.89%くらいは頭に残っているんだよ


あ、99.89%も師匠の受け売りだ


100%でないってところがミソらしい




最初は覚えていらられるか!、って思ったね


何時間も延々と聞いたことを覚えるなんてのは現代人はやらない


それに、実際では、すぐに思い出せなかったしな




でも夜に宿で寝ていたり、昼間延々と街やら魔物が発生した場所まで歩いてい時とかにふと思い出すんだよ


そして「ああ、そういうことか!」って納得する


んでもって、以前のオレがいかにおバカだったのかを実感する



バカでアホで間抜けなオレを見捨てないでくれてありがとう、だね





もっとも師匠はノリノリで『世の中のありとあらゆることを膨大な判例をもって教え込んでやる』と言っていた


どうやらWin-Winの関係らしい


だから感謝するだけで良いんだよね?


・・・でも師匠、元ネタを教えておいてもらわないと不肖の弟子では意味が判らないぞ?





まあ、今では元ネタはともかく、教えてくれた意味が良く判る


オレがおバカすぎるので、故事をもって教えてくれたんだな


ついでにこの元ネタだけは教えて貰っている


三国志の軍師様なんだと




・・・サービスが良いのか悪いのか良く判らないな




まあ、そんなわけで師匠のおかげでちょっとはお利口になったオレ


だから思いっきり倍返ししてみた




大体が街を救っても「勇者様、感謝する」って言葉だけってどうなんだよ!、と言いたい


元の世界に戻す努力をしてくれるって言っていたはずなのに進捗が全然わからん


っていうか、努力をしていなさそうな感じがヒシヒシとする


と言う訳で思いっきり手を抜いてみた


自分が生き残る『自分ファースト』だ




以前は死ぬ気で闘っていた


街を守るために一匹も街の方には行かせないぞ!、と




でも今は生き残ることが最優先


だってだれもオレのことを考えてくれないんだもの


自分で身の安全を確保しないとね




ところがオレを抜いて街に押し掛けた魔物の直撃を受けて騎士団が壊滅した


一緒に戦うと言いながら、勇者(オレ)に丸投げで遠くから眺めるだけの予定だったんだから壊滅するのも当然だ


心構えができていない上に、機先を制されたのだ


そりゃ負けるだろ、っていうか勝つ方がおかしい




おまけに騎士団がヤラレた後、街に魔物が入って暴れたこともあり領地はボロボロ


当然貴族様は大激怒


それが冒頭だ




本当に失礼なヤツだ


精いっぱい全力で生き残りつつ、魔物と戦っているぞ?


以前は魔物への注力が100%だった


でも今は自分の身を守るのが99.89%、ではなく2/3くらいで、残りが魔物討伐だ


JAROに訴えられてもウソはついてないから大丈夫だ




御貴族様は勇者様をこき使って何一つ失うことなく困難を乗り切ろうと思っていたのだから当然怒る


そして冒頭のように勇者(オレ)を責め始めた




御貴族様の意見


「以前の逆恨みで手を抜いただろうっ!」




勇者様の返事


「オレは全力で頑張っている(意訳)」




以下、上記の言い合いがエンドレスで続く(ので割愛)







激高している御貴族様を見ていると、なんか楽しくなってきた


魔物を討伐して街を守るよりも、である


・・・ところで御貴族様の言葉から、オレに恨まれているというか、無茶ブリをしている自覚があるのがわかったんだが、いいのかね?オレに丸投げしようとしているのが丸わかりなんだけれど?




ああ、師匠はこうなることを見越してオレを鍛えてくれたんだな


そう思った


だってオレに教えている時、たまにだけれどニヤニヤしていたからな


あれは絶対にオレが後で気が付いて感謝するとともに、おのれ(オレ)の未熟さに悶えるのを想像していたに違いない


だって自分で『性格がイイ』っていうくらいの捻じれっぷりだもん






これは弟子として師匠の期待にこたえる場面かね


いつかまた師匠に出会えた時に胸をはって報告できるように頑張ってみよう


まあ、新しく手に入れたおもちゃ(御貴族様)で遊ぶ、ってのが99.89%なんだけれどな

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