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今日から俺は君のカノジョ  作者: もち大福


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第9話:イイワケ

★前回のあらすじ

わくわく勉強会…の筈が。

…まずい。


何がって?気だよ気。


「えっと…。」


「……。」


海晴は先程からやけに目を泳がせて、こちらを見ようとしない。


雲山に至っては俯いたまま、一言も発しようとしない。


なんだ…?一体なんなんだ…?


「あの、さ。言いたくなかったら無理に…」


「蒼也。」


「…燐?」


燐は黙って首を横に振る。


なんで…。明らかに、「そのことについては話したくありません。」の空気だろ。


燐だってそれぐらい気づいている筈なのに…。


そもそも、お前の方が真っ先に言いそうじゃないか。


「無理に話そうとしなくていい。」なんて。


「…その…。」


「実は、ね。」










「中学3年生の時に、お母さんと喧嘩したの。」










「…え?喧嘩?」


「……。」


「うん。私ね、将来は服飾系の道に進んで、ゆくゆくは自分のお店をもちたいと思ってるの。」


「え!?すっげーじゃん!起業するってことだろ?なんかカッコいいな!」


「あ、ありがとう。まぁ、まだあくまで夢の段階だけど…。」


「いやいや、夢のために頑張れるってだけでも十分すげーよ。」


「…でも、それがなんで海晴の母さんとの喧嘩に繋がるんだ?」


「お母さんはね、結構安定志向の人なの。」


「ちゃんと勉強して、いい大学に入って、安定した会社に就職しなさいって。」


「…最もだとは思う。お母さんも、きっと私のためを思って言ってくれてんだとは思う。」


「…でも、私どうしても納得できなくて。それで親の言うことなんか聞いてやるか!…ってお母さんに黙って、先生に外部受験しますって言っちゃったの。」


「当然、先生からお母さんに連絡がいってすぐばれちゃったけどね。」


「そこからはもうあれしろ、しないの大喧嘩。」


「…結局、最後はお母さんの方が折れて、晴れて扇ヶ丘学園に入学することになったの。」


「本当は服飾系の専門学校が良かったんだけど、県内にはなかったし、流石に家を出るのは許してくれなかったから。」


「扇ヶ丘なら、勉学以外の支援とか体制が充実してるって話だったから、もうそこしかないと思って。」


「なんつーか…以外だな。でもなんか納得。」


「学祭の時とかもそうだけどさ、海晴って結構やりたいことに貪欲っていうか、ここぞって時には人一倍押しが強いから。」


「そ、そう、かな…。」


「うん。そういうの、やっぱりすげーカッコいいなって思うよ。」


「…え?」


「いつだって自分のやりたいことに真摯に向き合って、一生懸命努力しててさ。」


「自分を貫き通すのってすっげー難しいことだけど、海晴はそれをずっとやってきたってことだろ?」


「めちゃくちゃ尊敬する。」


「あ、ありがとう…!」


「で、でも、その。…どっちかって言うと、カッコいいよりも、かわいいって言ってもらいたいかなぁ…なんて。」


「あぁ、海晴はいつでもかわいいよ。」


「う、うぇ!?あり、がとう…。」


「…あらあらぁ〜、なんだかいつの間に二人の世界ですねぇ〜。」


「そ、そんなことないよっ!?」


「ふふふ、暁月さん。お二人の邪魔をしちゃ悪いですしぃ〜、私たちはこの辺で退散しておきましょうかぁ〜。」


「…あぁ。」


「え?帰んの?」


「時間も時間だからな。それに、今日は祖母が不在故、オレが当番なんだ。」


「そっか、ちなみに何作んの?」


「麻婆豆腐。辛いものの気分らしい。」


「うわ、美味そう。いいなぁ俺も食いたい。」


「だったらぁ〜優衣ちに作ってもらうといいですよ?」


「わ、私!?」


「だって優衣ち、料理得意じゃないですかぁ〜。ごはんだって、いつも自分で作ってますしぃ〜。」


「そうだけど…。」


「諸星さんだってぇ〜、優衣ちの手料理食べたいですよねぇ〜?」


「食べたい。めちゃくちゃ食べたい。」


「ほらぁ〜、諸星さんもこう言ってますしぃ〜。」


「うぅ…その…諸星くん。」


「…今度お弁当作ってくるから…一緒に食べよ?」


「あぁ、勿論。あ、海晴甘いもの好きか?」


「うん、好きだよ。」


「ならお礼に俺からは、なんかいいスイーツ買ってくるな。」


「そんな気にしなくていいのに。でもありがとう!楽しみにししてるね。」


「俺も楽しみにしてる。」


「これは本格的に私たちおじゃま虫ですねぇ〜。」


「馬に蹴られる前にこの場を去るとしましょうかぁ〜。」


「あぁ。…蒼也、海晴、今日はありがとう。」


「こっちこそありがとな。」


「うん。色々教えてくれてありがとう。琴葉ちゃんも、またね。」


「ふふふ、ありがとうございましたぁ〜。それではまたぁ〜。」










「ふふ、本当に仲がいいですよねぇ〜あの二人。」


「あぁ。」


「初々しくてぇ〜、見てるこっちが焦れったい気分になっちゃいますよぉ〜。」


「そうだな。」


「あれぇ〜?なんだか以外ですねぇ〜。暁月さんもそういう風に思ったりするんですねぇ〜。」


「あぁ。」










「お前たち三人を見ているとな。」










「…もしかして、急に爆弾発言するタイプですぅ〜?」


「そのタイプかどうかはわからないが、思っていることは口に出す方だ。」


「なるほどぉ〜。納得しましたぁ〜。確かにそういうタイプっぽいですもんねぇ〜。」












「…どうしたらよかったんですかね。」


「…。」


「ずっと考えちゃうんです。」


「もしあの時こうしていたら、こうしなかったら。」


「…ちゃんと向き合えていれば、今みたいにはならなかったのかなって。」


「雲山は後悔しているのか?」


「後悔…後悔…ですか。」


「そうかもしれませんね。」


「そうか。」


「…え、それだけですか?」


「何がだ。」


「いや、もっとこう…なら今すぐぶつかってこいっ!とか、思うところがあるならはっきり言えっ!とか言われるのかと思ってましたぁ〜。」


「何故。」


「何故ってぇ〜…う〜ん…?」


「後悔していることと、それを払拭しようと現状を変えなければならないことはイコールではない。」


「テストで0点をとったことを後悔し、勉学に励み満点をとったところで、その後悔がなかったことになるわけではない。」


「必要なのは今自分がどうありたいかだ。」


「…それを言われると難しいですねぇ〜。」


「…だがもし、オレからの言葉や手が必要になったのなら言ってくれ。」


「力になろう。」


「…ふふふ、頼もしいですねぇ〜。」


「暁月さんの喝とかぁ〜、効き目バッチリそうですぅ〜。」


「保証はないがな。」


「えぇ〜、そこは保証してくださいよぉ〜、1年くらい。」


「オレの言葉は製品かなにかか?」










「それじゃあお前ら、テスト返すぞ。今回はそれなりに簡単だったにも関わらず、平均点がぐっと下がったな。」


「お前ら休み中もちゃんと勉強してたか?1年の最初のうちはいいが、今のうちに基礎を固めておかないと、後々大変なことになるからな。」










「…それで蒼也?これはどう説明するつもり?」


「か、母さん…それは、その…。そ、そう!テスト範囲を勘違いしててさ。」


「言い訳無用!しばらくはゲームや漫画は禁止だからね。お小遣いもなし!」


「そ、そんなぁぁ…。」

オマケ

★諸星蒼也

現代文・古典:78点 数学:28点 化学:31点

歴史:40点 英語:89点


★海晴優衣

現代文・古典:71点 数学:75点 化学:68点

歴史:80点 英語:54点


★暁月燐

現代文・古典:100点 数学:96点 化学:98点

歴史:97点 英語:92点


★雲山琴葉

現代文・古典:89点 数学:98点 化学:87点

歴史:90点 英語:95点

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