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今日から俺は君のカノジョ  作者: もち大福


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33/35

第33話:リョコウ

★前回のあらすじ

いざ旅行へ。

12月31日。某県某市にて。


「っ着いたー!」


「おぉー!なあなあ!あれめちゃくちゃ美味そうじゃね?買ってこうぜ!」


「先にチェックインを済ませてからだ。」


「えぇーいいじゃねぇかちょっとくらい。」


「ダメだ。」


「ちぇ。」


「ふふ。でもかさばっちゃうし、私も先に旅館に荷物置きにいきたいかな。」


「よし、燐。早く旅館まで案内してくれ。」


「この諸星君の切り替えの早さよ。」


「わかりやすいですよねぇ〜。」


…大晦日。一年の最後の日であるこの日、俺たちは燐の爺さんの厚意によって、秘湯があると有名な温泉宿へと訪れていた。


秘湯と聞いていたからどんな辺境地にあるのかと身構えていたのだが、思ったよりも周囲に建物はあるし利便性も悪くはない。


近くにコンビニがないのが難点だが、まぁ別段困ることでもないだろう。


……そう困ることでもない。


「………。」


「………。」


海晴と雲山…この二人の間に流れる気まずさに比べれば。


旅行前、海晴に対して旅行の件を告げた時、雲山も一緒だと告げたあの時、海晴の様子は明らかにおかしかった。


いやまぁ空木も来るって言ったとき嫌そうな顔はしてたけどそう言うんじゃなくて…。


…なんていうかこう…辛そうな顔っつーか…。


本人は最終的には行きたいとは答えてたから、どうしても顔を合わせたくないとか、一緒にいたくないってわけじゃないとは思うんだが…。


「………。」


「………。」


……本当にどうしたものか。


この気まずさの原因は十中八九、クリスマスイブの日…雲山が海晴と俺を合わせたことにあるんだろうけど…。


俺が二人の仲を取り持つ?いやそもそも喧嘩したわけじゃないんだからそれも違うよな。


多分もっと根本的な……。


「気になる?二人のこと。」


「っうわ!?…なんだ空木かよ…びびるから急に話しかけてくんなよ。」


「あははごめんね。何だか神妙な顔して考え込んでるから気になっちゃって。」


「ったく。…まぁあの二人があんな感じなのは俺にも原因があるし…せっかくの旅行なんだからみんなで楽しみてーじゃん?」


「だからどうにかできねーかなーって…。」


「ふーん。」


「うーん…どうしたもんかなぁ…。」


「どうしたも何も、そのまま言っちゃえば?それ。」


「はぁ!」


「だって諸星君って二人の感情の機敏を察して上手い具合に誘導して…とか出来なさそうだし。」


「それは…そうだけどさ。」


「なら悩んだって仕方ないでしょ?それに悩みに思考を持ってかれちゃったら、それこそせっかくの旅行が台無しだよ。」


「……。」


「諸星君が気にしちゃうのもわかるけどさ。」


「二人のことは、二人に解決させときなって。」


「…そういうもん?」


「そういうもん。それにね、女の争いには口を突っ込まないのが吉だよ。」


「なんか説得力があるな。経験談か?」


「さぁ、どうだろうね?」


「……まぁ、お前の言うことも最もだわな。サンキュー。」


「礼を言われるようなことはしてないよ。」


「俺がそう感じたからいいんだよ。」


「そう。」












「…全く手がかかるよねー本当に。」


「せっかくの旅行だもん。時間は有意義に過ごさなきゃね。」


「ねぇ?琴葉。」










温泉宿、客室にて。


「……。」


「……。」


どうしましょう。


あの時紫鶴にあれこれ言われて意気込んだのはいいものの…。


「……。」


いざ対面すると何も……言葉が出てこない。


「…あ、あの…。」


「ごめん私のど渇いちゃったから、ちょっと自販機で買ってくるね。」


「え…は、はい…。」


"ガチャッ"


「……。」


「……何…してるんでしょうね…私。」


散々諸星さんに発破をかけておいて、肝心の私はこのざまですか。


「笑っちゃいますね。」


"プルルルルル、プルルルルル"


「………。」


"ピッ"


「……はい、もしもし。」


「もしもし。雲山、すまない。オレたちの部屋の設備に不備があったようでな。オレはスタッフの方と少し話してから向かうことになった。」


「オレは後から合流するゆえ、先に四人で……。」


「……暁月さん。」


「………私…ダメなんです。」


「………。」


「…わから、ないんです。優衣ちに…あの子に何て言えばいいのか…。」


「……いえ……正確には違いますね。」


「言葉はあるんです。ずっとずっと言いたかった言葉が。」


「…でも…どうしてでしょうね。」


「…声に…出ないのです。」


「伝えたいことがあるのに…伝えなきゃいけないのに。」


「……もし伝わらなかったら?またあの子を傷つけてしまったら?」


「…あの子に…嫌われてしまったら?」


「……そうしたらもう…。」


『私はずっと優衣ちの味方で、優衣ちの一番の友達です。』


『っうん!…約束、だよ?』


『はい、約束です。』


「……私たちは…友達ではいられなくなってしまう。」


★更新が遅れた件について

前回第32話投稿時、次回更新を10月23日と指定していたのに関わらず、更新が遅れてしまった件についてお詫び申し上げます。

Xで話題に上がっている通り、当方もログインに際しら認証コードが期限内に送信されないという事態が起こり、ログインができない状況にありました。

したがってログイン時間をずらし、結果として更新日時を遅らせてしまうという事態が生じてしまいました。

今後はこのようなことがないよう努めてまいります。


★次回更新について

『今日から俺は君のカノジョ』の次回更新は10月30日(金)となります。

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