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今日から俺は君のカノジョ  作者: もち大福


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第21話:マツリ

★前回のあらすじ

そして今に至る。


ーー12月19日。秋も過ぎ、冬の寒さも厳しくなっていく今日この頃。


「…ねぇ、諸星くん!何から見よっか?」


俺、諸星蒼也と、彼女である海晴優衣は…


「お腹空いてるし、まずは何か食べたいよなー。」


「それじゃあ、あっち行ってみる?からあげ棒とか売ってたよ。」


「お、いいな!行こうぜ!」


「うん!」


地元で行われる星見祭りという祭りに来ていた。


世間的にはそれほど知名度は高くない祭りだが、地元民には結構人気の祭りだ。


「はい、からあげ棒一本ね。毎度。」


「ありがとございます!」


「わぁ!美味しそう。…やっぱり私も買えば良かったかな?」


「ん?良かったら食うか?」


「い、いいの?」


「おう!」


……ん?


「そ、それじゃあちょっとだけ…。」


ちょっと待って下さい海晴さん。これってまさか…


か、かかかかかか関節き、キスなのでは…!?


「うん!衣がサクッとしてて美味しいね!」


「しょ、しょうか。しょれにゃらりょかった…!」


「…諸星くん?大丈夫?顔、赤いよ?」


「だ、大丈夫大丈夫!ほら人が結構密集してるから、暑いなあーって。」


「そう?」


「そうそう!ほら、俺暑がりだから。」


「初めて聞いたけど…。」


「は、ははは。ほ、ほら!いいから次行こうぜ!海晴は何か気になるものとかないのかよ?」


「え?わ、私は…。」


"ワアアアアア!"


「な、何だ!?」


「あっちの方、なんだかすごく盛り上がってるみたいだね。」


「ね、行ってみようよ!」


「お、おう。」


一体何だって言うんだ…誰か路上パフォーマンスでもしてんのか?


若干の好奇心を抱え、俺たちは騒ぎの中心へと駆け寄る。


そこには…


"ポンッ"


"ガシャン"


「すげぇ!これで10個連続だ!」


「やべー!」


「はぁ…かっこいい…。」


たくさんのオーディエンスたち。そして…


「すごいな。また当たったぞ。」


「ま、これくらいはね。」


両手に山程の戦利品を抱えた燐と、得意げに射的用のコルク銃を構えている空木の姿があった。


「お前ら、一体何してんだ?」


「…あれ?諸星君に…海晴さん?二人も来てたんだ。」


「まぁな。…それよりもこの騒ぎは何だよ。」


「ん、まぁ大したことじゃないんだけどね。」


「すごいぞ空木は。一度も外さず景品を落とし続けている。今ので10個目だ。」


「じゅっ!?そ、それはすごいね…。」


「ああ。」


…心なしか、燐の目がすげぇキラキラしているように見える。


そういやこういうガンアクション系好きだったっけ…。


「それにしても10個って…そんなに欲しいもんあったのか?」


「いや、別にどれも欲しかったわけじゃないんだけどね…。」


そう言って空木はちらりと燐を見ると、俺にこっそりと耳打ちをする。


「…僕が当てるたびに、ああいう目を向けてくれるもんだからその…嬉しくて調子のっちゃって…。」


「…あぁ。なるほど。」


「でもまぁ、そろそろ終わりにしよっかな。店の人や他のお客さんにも悪いしね。」


「そっか。でもせっかくなら俺も撃ってるとこ見たかったな。」


「それはまたの機会にね。燐君、そろそろ…って何やってるの?」


「海晴が景品を見たいと言うので見せていた。」


「へぇ。…海晴さん、何か気になるのあった?」


「うぇ!?べ、別に…。」


「ふーん。ま、あったって言ってもあげないけどね。君には。」


「なっ!?空木くっ」


「あれ?いいの?諸星君の前だよ?」


「…っ!行こ!諸星くん!」


「え!お、おう。…じゃあな燐、空木!」


「あぁ。」


「じゃあね、二人とも。」











「なぁ、もしかして空木と仲悪いのか?」


「え!?ど、どうして?」


「なんか今もそうだけど、空木と話してる時とか後とか、どことなく虫の居所が悪そうにしてるから…。」


「え、えっと…、な、仲はその、普通?だよ。ただその空木くんってほら、からかい癖があるから…。」


「あー、確かに。アイツ結構そういうところあるからな。」


「雲山にもそうだったし。」


「え…琴葉ちゃん?」


「おう。あ、もしかして海晴は知らないのか。アイツら実は従姉弟なんだってよ。」


「…‥てる。」


「え?」


「…知ってるよ。二人が従姉弟なの。」


「…あー、そっか!まぁ、考えてみりゃあそうだよな。」


「海晴は雲山と中学からの仲なわけだし、話くらい聞いてるか。」


「…うん。」


……。


『ふふ。…私にはそういう子いないから。羨ましい。』


『琴葉ちゃん?…うん。琴葉ちゃんはとってもいい子だよ。』


『いつだって、私のこと心配して、気にかけてくれる優しい子。』


「…っなぁ、海晴。お前雲山と」


「あれ?もしかして海晴?」


「…え…。」


「やっぱり、海晴だよな?」


「……芝崎くん。」


…え?何この空気。というか誰だ?


見た目的に俺らと同い年くらい…みたいだけど…。


「あの、どちら様で?」


「ん、あぁ悪い。俺、芝崎裕大。こいつとは中学が一緒だったのと…」


「2年くらい付き合ってたんだ。まぁ、もう別れてるけどな。」


付き、合ってた…。


…ということは元カレ!?


いや海晴の場合元カノってことも…?


「……そ、そうなの。わぁ中学卒業してから会ってなかったからびっくりしちゃった。それじゃあ私たちこれから行くところあるから、じゃあね芝崎く」


「それにしても…もしかして君、海晴の彼氏?」


「お、おう。まぁそんなとこ。」


彼氏じゃなくてカノジョだけど…。


「ふーん。なら大変だろ?」


大変?女装がか?


「こいつめっちゃ束縛強いから。」


「……っ。」


「…そく、ばく?」


「いや、感じたことないけど。」


「え?マジ?んじゃあ、流石に懲りて反省したのかね。」


「……反省?」


「…あれ?もしかして海晴、彼氏さんに言ってねーの?」


「……。」


…海晴?


「うわ、マジか。あのなこいつさ中学の頃、俺とか仲良かった友達とかストーカーしてたんだよ。」


「すとー…かー…?」


「そうそう、特に雲山とか酷くてさ。アレは本当に最悪だと思ったね。」


「……な、なぁ海晴。こいつの言ってることって」


「……っ!」


"パシンッ"


「…ぇ?お、おいっ!海晴!待てって!」


「海晴!」


"ガシッ"


「……何だよ。離してくれ、俺は今すぐ海晴を追いかけなきゃ」


「あのさ、元カレ…というよりアイツのヤバさを間近で見てきた身から忠告させてもらうけどさ。」


「…別れた方がいいよ。」


「………。」


「離してくれ。」


「……忠告はしたからな。」


……海晴。


今の話は本当なのか?


なぁ海晴。


俺、聞きたいよ。


お前の口からちゃんと…っ!










……あれから祭り会場やその周辺を探し回ったが、海晴の姿はどこにもなかった。


連絡を入れても帰って来ず、家を訪ねても門前払い。


……そして。









週明け。海晴は。










学校にも来なくなった。


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