第12話:ルイトモ
★前回のあらすじ
無事合流。
人とは数多の要素を継ぎ合わせた集合体だ。
年齢や関係、性別、立場…様々な要因によって人はカタチを変え、時にはひょんなことで、築き上げたモノを簡単に瓦解させる。
絶対なんてものはこの世に存在しない。
どれほど努力を重ねようと、いくら関係を積み上げようと、それはいつか崩れ去り、人を谷底へと突き落とす。
そして、それが高ければ高いほど、人は再起する力を失うのだ。
だから人は諦める。別の道を探し出す。
ただ往々にして、人は縋ってしまうのだ。
自身がいた頂に。理想に。過去に。
それはきっと…
「…お久しぶりですね。」
「紫鶴。」
僕も
「うん。久しぶり。」
「琴葉。」
彼女も、例外なく。
「あはは、ごめんね学校帰りなのに呼び出したりして。思ったよりも荷物が多くなっちゃってさ。」
「悪いと思うなら呼び出さないで欲しかったですけどね。」
「え?本気で僕が悪いと思ってるって思ってる?だとしたら心配するよ。学習能力なさに。」
「ゴミ捨て場は確かこっちでしたね。」
「ちょっとちょっと。それは流石に洒落になんないよ。」
「ええ、洒落てるつもりはないですからね。」
「え、そんな格好しておいて洒落てるつもりないの?それはそれでちょっとなぁ…。」
「…あぁ、もうっ!本当変わりませんよね、あなた。」
「ありがとう。」
「褒めてません。」
「えぇ〜。…あ、そう言えばさ、この前京都で会ったよ。」
「誰に?」
「海晴さん。」
「っ!」
「そう怖い顔しないでよ。ただちょっと見かけただけ。話してもないよ。」
「……。」
「心配性だな。というかまだあの子と友達やってたの?やめればいいのに。」
「…紫鶴には関係ありません。」
「あれ?除け者扱い?酷いな〜。まぁ、安心してよ。僕はあの子に積極的に関わるつもりないし。」
「嫌いなんだよね、彼女。」
「大して話したこともないくせに。」
「あれ?話していいの?」
「ダメに決まってるじゃないですか。」
「相変わらずだね、君も。」
琴葉って頭はいいくせに、馬鹿だよね。
だから僕の嘘を容易く信じる。
だから今も彼女の友達なんてやってる。
「あんな思いしてまで一緒にいたいなんて、相当な物好きだよね、琴葉も。」
「…優衣ちは。」
「優衣ちは、悪くありません。」
「私が、あの時…。」
「あはは、まぁご自由にどうぞ?僕には関係ないからさ。」
…本当に馬鹿だな、琴葉は。
いや、この場合二人ともか。
『…はぁ、はぁ…よか、った…いた…。』
『わ、わるい。人混みに流されちゃってつい…。』
『もう!心配したんだからね!』
『本当ごめん!もうしないから!』
「…お揃いなんて、相当仲が良いよね。」
「なんですか?急に。」
「あはは、なんだと思う?」
「知りませんし、知りたくありません。あなたの考えてることなんて。」
「もう、いつにもまして不機嫌だな。」
「嫌なことがあったものですから。」
「悩み事?相談乗ろうか?」
「結構です。」
ごめんね、琴葉。悪いとは大して思ってないけど、一応謝っておくよ。
「…楽しみがたくさんあるって良いことだよね。」
「はいはい、そうですね。」
さて、どこから着手しようかな。




