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魔獣の壺 - 本編 -  作者: 夢之中
ベンヌの住まう山
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秘密の部屋8

連合暦20年7月15日、午後


レミューズが『魔法のわっか』について説明していた。


レミューズ:「青と緑の道標ですが、

      鏡の魔法陣が緑に光った所をみると、

      絵画が青、鏡が緑になると思います。

      つまり、絵画と鏡が道標ということです。

      青と緑と表と表が対になっていると考えると

      青の表、緑の表の順に重ねて、

      魔法のわっかの中心に置けばなにかおきるのでは

      ないかと考えます。」

ドレアル:「なるほど、お主等やってくれ。」


レミューズとバーバラは、鏡と絵画を重ね合わせるようにし、

魔法のわっかの真ん中に置こうとしていた。


---

この時、キャスバル王子は、焦りを感じていた。

ここに入ってから、何の役にも立っていないと考えたのだ。

アルテイシアに関しては、様々な事を受け継いでいる。

ドレアルは、まとめ役として役に立っている。

レミューズとバーバラはその推理力で貢献している。

カミユ司祭も、魔法のわっかに貢献した。

果たして私は何の役に立っているのだろう。

ドールハウスの運搬など、私である必要もない。

果たして、自分にしかできない事は無いのだろうか?

---


2人が、それを置き、しばらくすると、わっかの中に魔法陣が

浮かび上がり、白く光りだした。

すると、絵画に白い線が浮かびあがってきた。

その図柄は、長方形の中に二列の丸が等間隔に並んでいる

ものだった。

それは、部屋と柱を示しているように思え、

誰もが、直観的にこの聖堂をイメージした。


キャスバル王子:「これは、この聖堂の見取り図なのか?

        しかし、こんなところに柱はないな。」

そう言って、一点を指さす。


丸の数を数えていたカミユ司祭が言った。

カミユ司祭:「確かに、その一か所以外は、柱の数は

      一致しています。」


バーバラ:「まさにそれが、見えないわっかなのでは?」

レミューズ:「私もそう思う。」

バーバラの発言に皆が納得した。


---

ここまでの事については、後日談が存在している。

バーバラは、悔しがった。

あの魔法のわっかの事である。

魔法のわっかの存在した位置だが、2本目の柱の近くだった。

この2という数字だが、後で分かったことだが、鏡の枠にも

絵画にもヒントが隠されていたのだった。

鏡の枠には、数字の2と鏡に映った数字の2が合わさった模様が

数多く描かれていた。

絵画に至っては、大きな2の文字が巧妙に隠されていたのだ。

レミューズは、芸術には無頓着である。

服装や目印の件でもわかる事だろう。

しかし、バーバラは、人並みには感心があった。

にも関わらず、発見できなかったことを悔しがった。

---


丸の位置を確認すると、その位置に行き、床を丁寧に調べた。

そこには、良く調べなければわからないような小さな目印が

存在していた。

さっそく、絵画の裏、鏡の裏の順番に重ね合わせ、その位置に

立ててみた。

しかし、しばらく置いても何も変化はなかった。


バーバラ:「何も起こらないか。

     何かが、足りないのかもしれない。」

そう言って、辺りを見渡す。

目の前には、閉じた扉があった。


バーバラは、考えていた。

何かヒントになるものはないのか、そして、再度頭の中で

例の詩について再考してみた。

その時、ある事に気が付いた。


バーバラ:「道標!!」

レミューズ:「道標か!!」

2人は、同時に叫んだ。

レミューズとバーバラは何かに気が付いた。


レミューズ:「バーバラ」

バーバラ:「分かっている。」

バーバラは、絵画と鏡を回転し始めた。

鏡の表面と扉が向かい合うようにしたのだ。

すると、何もなかった床に魔法陣が浮かび上がり、白く光った。

そして、目の前の扉が音もなく扉が開いた。


キャスバル王子:「おぉ!」


バーバラ:「絵画と鏡は道標なのです。

     絵画が見取り図、ということは鏡は扉を示している

     のではないかと考えたのです。

     そして、鏡の機能、つまりそれを映す事。」

アルテイシア王女:「すごい!」


そして、一行は、開け放たれた扉へと入った。

そこは、普通の部屋だった。

他の何も無い部屋と違い装飾品が所々に置かれ、部屋の中心に

古いドールハウスが置かれていた。

全員がドールハウスの周りに集まる。

キャスバル王子が、古いドールハウスに触れようとしたが、

見えない何かに阻まれ触れることができなかった。


キャスバル王子:「何かがある。

        どうやら、3つ目の詩の謎を解かないと

        ならないようだ。

        たしか、

        『私の話を聞きたき者は、

         人のわっかの真ん中で、

         同じ景色の道標』

        だったな。」

そして、全員が辺りを見渡す。


アルテイシア王女が何気なくつぶやいた。

アルテイシア王女:「この部屋、ドールハウスみたい。」


その何気ない一言にキャスバル王子が驚いた。

背中に背負ったドールハウスを床に降ろすと中を見た。

そして、外と見比べた。

装飾品の位置は異なっていたが、種類は同じだった。


キャスバル王子:「なるほど、3つ目の謎は、このドールハウスの

        配置と同じにすることではないのか?」

その様子を見ていたレミューズが頷いた。

レミューズ:「その通りです。」

キャスバル王子:「よし、手分けして配置するのだ。」

キャスバル王子は、生き生きとしていた。

ドールハウスを見ながら、装飾品を並べ替えを指示してゆく。

そして、最後に、絵画と鏡を設置した。

しかし、特に何かが起こったという気配はなかった。


キャスバル王子:「よし、輪になるのだ。」


古いドールハウスの周りに輪になるように並んだ。

しばらく待ってみたが、何も起こらない。


キャスバル王子:「むう、間違っていたということか?」

レミューズ:「いえ、たぶん文字通りわっかにしないと

      いけないのでしょう。

      皆さん、手を繋いでわっかを作りましょう。」


人のわっかが完成した。


その時、声が聞こえた。


???:(よくぞ参られた。

    ドールハウスには血の魔法が施されている。

    封印を解くには、唱える必要がある。

    王家の血族以外の者が唱えれば、

    死の洗礼を受けるであろう。

    心して唱えるがよい。

    その呪文は、「クキシッナ、ハッノウオ」)


その声は、同じことを延々と繰り返していた。


全員:「!!!」


この時、キャスバル王子の顔が青ざめていた。

キャスバル王子は、戸惑いながら、人のわっかをやめ、

そして相談した。

キャスバル王子:「私が王子であることは間違い無い。

        しかし、問題がある。

        実は43代前までの家系図しか

        残っていないのだ。」

ドレアル:「どういうことじゃな?」

キャスバル王子:「家系図には、焼失したと書かれていた。

        疑っているわけでは無いのだが、

        本当に初代ルシード王の血筋であるか

        疑問が残る。」

カミユ司祭:「まさか。

      そのようなことがあるはずはありません。」

そう言った後、全員が沈黙してしまった。


沈黙を破ったのは、レミューズだった。


レミューズ:「キャスバル王子様。

      私の意見を述べさせていただきます。」

キャスバル王子:「あぁ、頼む。」


レミューズ:「まず、今までに判明していることは、

      ドールハウスを何者かから隠したこと。

      最も安全と思われる神殿を選んだこと。

      道標の情報を残すことにより、

      王族にのみ発見できる方法を残したこと。

      これらの事からドールハウスをここに隠したのは

      ローズで間違いないでしょう。」

キャスバル王子:「異論はない。」

レミューズ:「

      ローズが残したと思われる、

      道標の詩を思い出してください。

       『私の話を聞きたき者』

      この詩と話の内容から、

      ドールハウスの血の封印は、

      ローズが行ったものと考えられます。」

キャスバル王子:「確かに。」

レミューズ:「血の封印を行うには、血あるいは体の一部が

      必要なのです。」

キャスバル王子:「?!」

レミューズ:「お分かりになりましたか?」

キャスバル王子:「封印には、ローズが封印を行った時の

        王族の血が使われているということか?」

レミューズ:「その通りです。」


キャスバル王子の顔色がみるみると戻ってゆく。


キャスバル王子:「なるほど、先々代の国王様の血族か。

        それならば、問題ない。」


キャスバル王子は、人のわっかを作らせると、

大きな声で、呪文を唱えた。


キャスバル王子:「クキシッナ、ハッノウオ」


呪文を唱えた途端、ドールハウスの周りに白い霧のようなものが

現れ、それが、キャスバル王子にまとわりついた。

しばらくして、それは消え去った。


キャスバル王子は、白い霧に包まれていた時、

声を聞いたと語ったが、その内容については語らなかった。

そして、ドールハウスの中にある四角い何かに指を添え、

目をつむり、祈るような仕草を見せた。


次の瞬間、周囲の物が真夏の陽炎の様に揺らめきだした。

そして、目の前が突然真っ暗になった。


目の前が見えるようになると、そこは、四角い部屋の中だった。

扉は無く、四方の壁にはルシードの紋章が描かれていた。


その時、突然、声が聞こえた。


???:「我が子孫達よ、よくぞ参られた。」


C:「お待たせしました。

  ついに秘密の部屋を発見することができました。

  次回からは、初代ルシード王の話となります。」

A:「ちょっと投稿が遅すぎです。」

C:「作者曰く、この先のネタに苦しんでいるらしいです。」

A:「えっ、どういう意味ですか?

  パイン達の冒険に何かあったのですか?」

C:「いや、この先の分岐がね、、、。

  だそうです。」

A:「?」

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