秘密の部屋5
連合暦20年7月14日、夕
キャスバル王子、アルテイシア王女、ドレアル、レミューズ、
バーバラの5人は、ドールハウスを眺めていた。
ドレアル:「しかし、全くわからんのー。」
レミューズ:「まだ、何かが足りないのかもしれません。」
ドレアル:「確かに、その可能性は大きいの。
先ほど、お主とバーバラが試した、絵画と鏡を向かい
合わせるというのが正解かと思ったのじゃが、
何も起きんかったしのう。
もう、お手上げじゃよ。」
その発言にキャスバル王子が疑問を投げかけた。
キャスバル王子:「これは、偽物という可能性は無いのか?」
レミューズが即座に反応した。
レミューズ:「それは、少し考え難いですね。」
キャスバル王子は、レミューズをちょっと睨むと、少し甲高い
声で言い返した。
キャスバル王子:「どうしてだ?」
レミューズ:「まず、この品がローズが作った複製であること。
ローズは、誰かから本物を隠そうとしていた。
誰かとは、れいの本を設置した者達の事。
どういう経緯かは不明ですが、
ローズはそれを知り、複製を作った。
もし、誰にも発見されたくないのであれば、
海の底に沈めてしまうなり、火口に投げ入れるなり
別の方法を模索することになるでしょう。
複製を作ったという事は、発見されることを
前提にしていたことでしょう。
そう考えた場合、この複製品は本物の在処を
示す物である可能性が高いわけです。」
キャスバル王子は、レミューズの言葉をさえぎって質問した。
キャスバル王子:「言いたい事は分かる。
しかし、他にも存在するという事はないのか?」
レミューズは、キャスバル王子の発言にあえて答えずに
話をづづけた。
レミューズ:「理由は、まだあります。
この品が王女様に受け継がれているという事です。
キャスバル王子、この国で一番安全な場所は
何処です?」
キャスバル王子は、突然の質問に少し戸惑いながら答えた。
キャスバル王子:「それは、当然、王宮だろう。
常に巡回しているし、結界もある。」
レミューズ:「そうです。
王宮、それも王族の部屋が一番安全なのです。
そしてドールハウスがあっても不自然で無い場所、
つまり、王女の部屋なのです。」
キャスバル王子は、返す言葉がなかった。
その時、バーバラがはっとした顔をして、レミューズを見た。
バーバラの視線に気が付いたレミューズは、笑顔で答えた。
バーバラ:「そうか。足りない物がわかった。」
レミューズ:「わかったか。なら、あとは任せた。」
そう言って、バーバラに後の説明を譲る。
バーバラは、横で話を聞いていたアルテイシア王女の方を向いて
言った。
バーバラ:「王女様。この品を受け継いだ時に、
何か言われませんでしたか?
例えば、決して行ってはいけない事や、
決して話してはいけない事。
そして、この品を引き継ぐときに必ず話さなければ
ならない事です。」
アルテイシア王女は、驚きを隠せなった。
レミューズは、その表情の変化を見逃してはいなかった。
アルテイシア王女は、考えていた。
いままで、何故思い出せなかったのだろう。
このドールハウスを受け継いだ時に同時に受け継いだ言葉。
その全てを思い出したとき、話してはならないという気持ちが
芽生えた。
アルテイシア王女は、言葉を選ぶようにゆっくりと言った。
アルテイシア王女:「何故それを?」
レミューズがぼそりとつぶやいた。
レミューズ:「やはりそうか。」
バーバラ:「いえ、知っていた訳ではありません。
これを発見してほしいのは、王族であって、
他の者ではないのです。
わたしならば、そのヒントは、王族に残します。」
アルテイシアは、困惑していた。
キャスバル王子:「アルテイシア、何か聞いているのか?
もし、聞いているなら、話してくれ。」
アルテイシア王女:「お兄様、、、。」
アルテイシア王女は、戸惑っていた。
アルテイシア王女:「しかし、、、」
レミューズは、アルテイシア王女の戸惑いを理解すると、
「なるほど。」
といってから、アルテイシア王女に近づき、耳打ちした。
しばらくして、アルテイシア王女は、その言葉に納得したのか、
アルテイシア王女:「わかりました。
申し訳ありませんが。
全員、この部屋から退出ください。」
と言った。
そして4人は、部屋の外で待たされることとなった。
部屋の外で、キャスバル王子が疑問を口にした。
キャスバル王子:「レミューズ、一体何を耳打ちしたんだ?」
レミューズ:「簡単なことですよ。
話す事をためらう障害を取り除いただけです。」
ドレアル:「一体何を言ったんじゃ?」
レミューズは、少し間をおいて言った。
レミューズ:「今がその時なのです。
もし、王女様が今思い出したのであるならば、
その時であることは間違いないでしょう。
必要があるならば、我々は部屋の外で
待ちましょうと。」
キャスバル王子:「何故それが、障害を取り除く事になるのだ?」
レミューズ:「先ほどからお話しているように、
来るべき日に王族に発見してほしいのです。
それ以外の日には、発見してほしくないのです。
私ならば、
『来るべき日以外で口外した場合、
災いが降りかかる』
とでも言っているでしょう。」
キャスバル王子:「なるほど。
来るべき日が今であることを納得させる事か。
勉強になった。」
そう言って、キャスバル王子は、レミューズ達に一礼をした。
しばらくすると、アルテイシア王女が部屋の扉を開け、
終わったことを告げた。
4人が中へ入り、ドールハウスを見ると、後ろ側の壁が
無くなっていた。
バーバラ:「壁を外したのか?」
バーバラが小声でつぶやく。
アルテイシア王女には、それが聞こえたのか、
アルテイシア王女:「ある事をすると壁が後ろに倒れるのです。」
と言った。
ドレアルが倒れた壁を見つめる。
そして、倒れた壁の丁度中央に切り込みのような筋を見つけた。
ドレアル:「この倒れた壁は、左右に開くのではないか?」
そう言って、倒れた壁に触れる。
それは、観音開きの扉の様に左右に開くようになっていた。
ドレアルは、注意深く開いていった。
全て開き終わると、その内側には、様々な大きさの抽象的な
模様が描かれていた。
レミューズ、バーバラ、ドレアル、アルテイシア王女は、
その模様の意味が全くわからなかった。
しかし、キャスバル王子だけは、違った反応を示した。
キャスバル王子:「この模様は!!」
レミューズ:「王子、なにかご存知なのですか?」
キャスバル王子:「あぁ、知っている。
ルシードで伝令などに使う地図記号だ。」
ドレアル:「というとは、これは地図ということですかな?」
キャスバル王子:「そう、地図だ。」
そして、黙ってしまった。
4人は、キャスバル王子次の発言を黙って待った。
しばらくすると、突然大声をあげた。
キャスバル王子:「なるほど、判ったぞ。
これは、王国の裏側にある森の地図だな。
そして、星の記号が目的の位置を示している。」
ドレアル:「星は、複数あるようじゃが?」
キャスバル王子は、熱く語った。
キャスバル王子:「そう、これは、他の者に見られた場合でも
その位置を特定させない仕掛けだ。
いくつもある解き方の1つだが、
よく見ると星の形が微妙に違う。
この場合、同じ形が2つづつあるのだが、
それを線で繋ぐと、1点だけ線が交差する
ところがある。
そこが、目的の場所というわけだ。」
ドレアル:「だとすると、この辺りじゃな。」
そう言って指さす。
アルテイシア王女:「えっ、そこは、、、。」
レミューズもバーバラもそこが何処か判らないようだった。
ドレアルだけは、知っているようだった。
キャスバル王子:「アルテイシア、そこがどこか、
分かったようだな。」
アルテイシア王女は、黙って頷いた。
バーバラは、素直に疑問を語った。
バーバラ:「一体そこには、何があるのですか?」
キャスバル王子:「地図が示していた場所は、ルシード王国では
聖域と呼ばれる場所であり、
祭事の際に使われる場所だ。」
バーバラ:「王家の墓所なのですか?」
キャスバル王子:「いや、墓所は他の場所にあるのだが、
この場所は特別なのだ。」
バーバラ:「特別?」
キャスバル王子:「王族のみに語り継がれているのだが、
『魔物の王蘇りしとき、巫女蘇り、
王を闇に返すだろう』
という予言があるのだ。
その巫女現れる所が、その場所だ。」
レミューズ:「なるほど、それで特別ということですか。
ところで、どんな場所なのですか?」
キャスバル王子:「古い神殿があるのだが、
どのような云われがあるのかは
聞かされていないのだ。
神殿の中には、幻獣や精霊などの像が多く
飾られていた。
私は、それらに関係する何かを
祭っていた場所と考えている。
名を受け継いだ直後に、2人とも行ったのだが、
非常に興味深い場所だったよ。」
アルテイシア王女も頷いている。
ドレアルとバーバラは、黙って興味深く聞いていた。
レミューズ:「祭事のみということは、入れないのですか?」
キャスバル王子:「過去には、祭事以外での出入りが
禁止されていたこともあったが、
今は許可があれば、入ることはできる。
まあ、結界があるので、入れない場所も
多数存在しているのだが、、、。」
レミューズ:「結界?、それは元からあったものなのですか?」
キャスバル王子:「何故それを、、、。
まあ良い。
私の知る限りでは、元からあったものらしい。
今までに何度も解除を試みたが、解くことは
できなかったということだ。」
ドレアル:「まあ、何はともあれ、行ってみんことにはな。」
キャスバル王子は非常にうれしそうだった。
キャスバル王子:「そうですね。
早速、今から国王様に許可を頂いてきます。
早ければ、明朝には許可が下りるはずです。
皆さんは、部屋で待機していてください。
アルテイシア、後を頼む。」
そう言うと、小走りに部屋を後にした。
C,A:「お久しぶりです。」
作:「リアルが忙しく、更新ペースが長くなって、
申し訳ありません。」
A:「本当に遅すぎですよ。
読んでいただいている人も忘れちゃいますよ。」
C:「いやー、そうだと思いますよ。
作者も忘れてるって、、、。」
作:「・・・」
A:「なんとかならないんですか?」
C:「なんとか、時間を作るといっていますが、
どうなることやら、、、。」
A:「不眠不休で頑張ってもらいましょう。」
作:「・・・」




