魔じゃ香を求めて
連合暦20年6月19日、
一同がレミューズ達に注目する。
レミューズ:「ゼロスが憑依を行うには、何らかの条件が
必要なのだろう。
そして、その雑談の中に契約などの内容が
巧妙に仕込まれていると考えるのが妥当だろうな。」
カイン王:「おぉ、レミューズではないか。
ところで、例の件は進んでいるのか?」
レミューズ:「はい、ついに入手に成功しました。
効果も予想以上の結果を出しております。
しかし、どのような方法を使ったのか
分からない以上、必ず成功するという保証は
出来かねます。」
カイン王:「そうか、後は天に任せるしかないということか。
それで、すぐにでも出発できるのか?」
レミューズ:「いえ、それにはアリスとパインが不可欠です。」
カイン王:「なるほど、それならば2人が戻るのを
待つしかないという事か。」
レミューズ:「はい、今はいずれ戦う事になるゼロスと
ジェイルの件が優先かと考えます。」
カイン王:「わかった。
今は目先の問題を解決しろという事だな。」
レミューズ:「はい。」
カイン王:「ところで、2人は何故来られたのかな?」
エッグ王子:「はい、魔じゃ香の所在の情報を入手しました。」
そして、ザイヤークの話を簡潔に説明した。
カイン王:「なるほど、マスタードレアル、そしてレミューズ、
魔じゃ香の件は、そち達に任せる。
こちらは、ゼロスの情報収集を優先的に
行う事とする。
それでよいかな?」
ドレアル:「そうですな、こちらに異存はありません。」
カイン王:「ならば、バーバラを連れて行ってくれ。
なにかと役に立つだろう。」
ドレアル:「それは願ってもない事です。」
こうして、ドレアル、レミューズ、エッグ王子、バーバラ、
サール、シェリルの6人は、魔じゃ香が落ちたと思われる亀裂の
目星をつけた上で、古代遺跡の入口へと向かった。
昨日、エッグ王子が行った許可申請は受理されていたが、
鍵を受け取りに行った時には許可が下りていなかった。
係員の話では、初めて調査団が入った際に多数の死者や
行方不明者がでており、危険と判断した王宮が遺跡の
侵入禁止処置をとっていた。
しかし、バーバラが傭兵協会の権限を最大限に利用し、
ごり押しで許可させることに成功したのだった。
古代遺跡は、ルシード国から北東に少し離れた位置にあり、
ドレアル一行が入り口に到着したのは、午後の事であった。
洞窟の入口のような場所に鉄格子がはめられ、その真ん中に
鉄でできた鍵付きの扉が付いていた。
エッグ王子:「どうやら、ここが入り口のようです。」
そして、入手した鍵を使って扉を開け、持ち物に魔法の灯りを
点けると中へと入っていった。
そこは肌寒くジメジメとしていた。
サール:「思ったより涼しいですね。」
ドレアル:「そうじゃの。
これ以上寒ければ魔法でなんとかするが、
今はまだ不要じゃな?」
エッグ王子:「そうですね。
動いていれば問題ないでしょう。」
そんな話をしながら、うねうねと曲がりくねった通路を
レミューズを先頭にして進んでゆく。
そして、目の前に広い空間が現れた時、レミューズが
突然、皆の歩みを止めた。
振り向いたレミューズの瞳は、赤く染まっていた。
レミューズ:「危険がないか確認してくる。
皆はここで待っていてくれ。」
そう言い残すと、一人で広い空間へと入っていった。
ずっと黙っていたシェリルが言った。
シェリル:「レミューズさんって、すごいですね。
私も見習わないと。」
バーバラ:「そうだな。
レミューズが大胆な行動に出ることができるのも
『真実の目』を持っているからでもある。」
サール:「『真実の目』?
あの、赤い瞳の事でしょうか?」
バーバラ:「そうだ、レミューズはそう呼んでいた。
その目で見ると、その人や物の真実が見える。
右目は、その人物の魔力量、力量、器の大きさが、
左目は、魔法や罠、隠し扉等の所在が分かる。
元々は、力量を図る目的で模索していたようだが、
大河の水差の探索で、多くの古代遺跡を
巡っているうちに、
『真実の目』にたどり着いたようだ。」
サール:「すごいですね。」
この時サールは、
どのように見えるのかが気になって仕方がなかった。
後にサールは、『真実の目』についてレミューズに尋ねている。
その時、レミューズは
「魔力や力量、物の動き、音などが、色や形等で見える。
それは見た者しか分からないだろう。」
と答えたと言う。
しばらくして、レミューズが戻ってきた。
レミューズ:「どうやら、安全なようだ。
先に進もう。」
レミューズは、中の物には触れるなと付け加えたあと、
先行して入っていった。
他の者もそのあとに続く。
そこは小さな家が1軒入るぐらいの空間だった。
奥には、4つの人物を模った石像があり、
それぞれの石像の前には、石台があった。
石台の上には、棒、杯、硬貨、剣の模様が描かれた
石板が置かれていた。
さらに石像の奥には、先へ進むための、通路がぽっかりと
口をあけていた。
ドレアル:「どうやら、仕掛けは解除されているようじゃの。」
バーバラ:「そのようですね。
この石板の模様は、占いにつかうカードの4種類の
スート、いわゆるマークだな。
石像の前の石台に置かれた石板を並べ替える仕掛け
だったのだろう。」
ドレアル:「うむ、それが正解じゃろうな。
しかし、もし解除されていなければ、
情報のない我々には解除できなかったかもしれんの。」
サール:「うーん、色々な組み合わせを試せば、
いずれ解決するのではないでしょうか?」
エッグ王子:「いや、それは無理だろう。
あれを見ろ。」
そう言って、石像の真上の天井を指さす。
そこには、複数の穴が開いていおり、その穴の周りは、
変色して黒ずんでいた。
エッグ王子:「たぶん、組み合わせを間違うと、
毒霧のようなものが吹き出るのだろう。」
サール:「うぁ、そこまでして守らなければならない物が、
ここにあるってことですよね?」
ドレアル:「そうじゃの、何が守られてるのか気になる
ところじゃな。」
その時、石像の奥からレミューズの声が聞こえた。
レミューズ:「先に進む、早く来てくれ!!。」
そして、石像の間を後にし、奥へと進んでいった。
奥へ続く通路は、先ほどの通路と同じように、
うねうねと曲がりくねっており、しばらく進むと
道が2つに分岐していた。
レミューズ:「さて、どちらに進むべきかだな。
バーバラ、現在位置を確認してもらえるか?」
バーバラ:「わかった。」
バーバラは、左手の小指に付けた指輪をさすりながら
呪文を唱えた。
バーバラが唱えたのは、現在位置を知る呪文だった。
カイン王の成し遂げた業績の一つに地図の作成がある。
それを成し遂げる為に、カイン王は魔法柱と呼ばれる小さな柱を
碁盤の目のように各地に設置していった。
四隅に設置された柱の内側を1つの区画として分けることにより
管理を容易にしたのだ。
さらに、指輪の宝石と魔法柱に埋め込まれた宝石が呪文により
反応し合い、四隅の魔法柱からの距離を知ることができた。
これは、パーティー時に仲間の気配を感じる効果の応用だった。
バーバラ:「わかったぞ。おおよそこの辺りだな。」
バーバラは、地図を広げ現在位置を示した。
レミューズ:「なるほど、亀裂があるのがこの辺りだとすると、
右側に進むのが妥当だろうな。
よし、右側に進もう。」
一行は、右側の通路を進んでいくと、また広い空間と思われる
場所にたどり着いた。
レミューズ:「まて!!」
ドレアル:「一体どうしたというのじゃ?」
そう言いながら、奥を覗き込む。
その広場の奥には、2本の柱があり、その間に扉らしきものが
見える。
床には、四角い石が碁盤の目の様に敷き詰められており、
よく見ると、こちら側の通路にも2本の柱らしき物が見えた。
レミューズ:「どうやら、罠のようだ。
今見える床石の大半に罠が仕掛けられている。」
サールが床石を覗き込んだ。
サール:「んーっ、どう見てもただの床に見えるんですが。」
ドレアル:「わしにも普通にみえるの。」
レミューズは、何も言わず近くに転がっていた赤子の頭ほどの
石を取ると、おもむろにその床に向かって放り投げた。
石が床に落ちた瞬間、忽然と石が消えた。
サール:「えっ、石が消えましたよ。」
バーバラ:「転移の魔法陣でも仕込まれているのか?」
しばらく罠を見ていたレミューズが言った。
レミューズ:「転移の魔法陣とは少し違うようだな。
しかし、その類のものだろう。」
そして、一呼吸おいて話始めた。
レミューズ:「エッグ王子。
準備した道具の中に目印になる物はありませんか?」
エッグ王子:「確か筆とインク瓶があったはずです。」
エッグ王子は、様々な道具を準備しており、
その荷物を背負い袋に詰め、サールと共に背負っていた。
エッグ王子は荷物を探り、筆とインク瓶を取り出した。
エッグ王子:「これで、よろしいですか?」
レミューズは、それらを受け取ると、1人で中へと入っていった。
残された者達は、罠について話始めた。
エッグ王子:「しかし、転移先は想像したくないな。」
サール:「そうですね、さっきの仕掛を考えると、
明らかに危険な場所に飛ばされそうですね。」
ドレアル:「これだけの仕掛けをしてまで守る必要がある物とは
一体何なのじゃろうか?」
バーバラ:「確かに、ただの古代遺跡とは思えません。
ここには何か重大な秘密があるかもしれない。」
ドレアル:「お主もそう思うか。わしも同じじゃよ。」
この様な話が続けられ、しばらくしてレミューズが戻ってきた。
レミューズ:「床石に印はつけた。
目印はこれだ。」
一同がそれを見ると、その異様な印が何の模様かが気になった。
サール:(ん?これは、サル?)
シェリル:(犬の絵かしら?)
エッグ王子:(四つん這いの人?)
ドレアル:(レミューズの絵は何時見てもよくわからんの。)
バーバラ:(相変わらずな絵だな。)
その絵が何なのかを聞く者は、誰もいなかった。
レミューズ:「それでは、行くとしよう。
目印以外の床石に乗るな。」
そして目印の床石の上を通り、反対側の通路へとたどり着いた。
通路は、さらに奥へと続いていた。
そして、通路の終着点と思える場所にたどり着いた。
目の前に見えた光景にレミューズ以外の者は絶句した。
そこから見えたのは、巨大な地下渓谷だった。
A:この古代遺跡って、一体何があるんでしょうね。
C:そうですね。
一般的な古代遺跡は、特に危険は無いみたいですが、
何かを守る必要がある場合は危険な罠が多いみたいです。
つまり、何かを守っていることは確実だと思いますね。
A:うーん。気になって寝れなくなっちゃう、、、。




