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魔獣の壺 - 本編 -  作者: 夢之中
英雄の誓い
48/99

壊滅した町ザイム

パイン達一行がザイムの町へ近づくにしたがって、所々に

霜が降りたような場所が見られた。

パイン:((あれって、霜だよな?))

サール:((そうみたいですね。))

ジェイル:((しかし、だいぶ北に来てるけど、それほど

     寒いとは思えないけどな、、、。))

バーバラ:((まさかな、いや、ありえん、、、。))


ザイム城門が直前に見えた辺りで、バーバラが突然草むらに

近づき、辺りを調べ始めた。


パインとサールがバーバラの後に続いて草むらに分け入った。

パイン:((あれ?))

サール:((どうしました?))

パイン:((この辺りの草だけど、凍っている。))

サール:((確かに、凍ってますね。))


バーバラは、しばらくの間、草むらを調査すると、

無言のまま草むらから出て、一言だけつぶやいた。

バーバラ:((行くぞ。))

パイン達は、訳も分からず、それに従うしかなかった。


しばらくして、意を決してパインが質問をした。

パイン:((あれは、一体何なんですか?))

バーバラ:((ザイムに行けば、分かることだ。))

バーバラは、それだけ言うと、あとは何も語らなかった。


そしてついにパイン達一行は、ザイムの町の城門前に到着した。

パイン:((ここがザイムの跡地なのか、、、。))

無残に崩された城門、そして当然の事ながら

誰も手入れをしていない地面には雑草が生い茂っていた。


壊れた城門を抜け中に入ったとき、どこからとも無く

女性と思われる甲高い笑い声が聞こえてきた。


???:「おーーーっ、ほっほっほっほっ、ごほっ。」

全員があたりを見回す。

ジェイル:((なんだ?))

バーバラだけが、不愉快そうな表情をしていた。

???:「遅かったじゃないの、バーバラさん、ごほっ。」

バーバラ:「やはり、お前か。

     レミューズ、どこだ、出て来い!!」

???:「ごほっ、上よ、ごほっ、上、ごほっ、、、。」

全員が一斉に上を見上げた。


それは今にも崩れそうな大きな屋敷の屋根の上だった。

そこには、真っ黒な皮で出来たと思われる衣装を着た

1人の女性が立っており、

手には鞭と思われる武器を装備していた。


パイン:((一体何なんだ?))

ジェイル:((誰なんだ?))

サール:((どうやらバーバラさんの知り合いのようですね。))

アリス:((うぁ、何、あの服装、、、かわいくなーーい。))


バーバラ:「何故、貴様が、ここにいる?」

レミューズ:「ちょと待ちなさい。ごほっ。

      ここは埃っぽくて話が、ごほっ、

      できない、ごほっ。

      今降りるから、ごほっ、待ってなさい、ごほっ。」


バーバラにレミューズと呼ばれた人物は屋根の上で、

降りる場所を探しているようだった。


パイン:((それにしても、探さなければ降りれないって、

    どうやって登ったんだろうな、、、。))

バーバラ:((さあな、、、。))


 「バキバキッ、ズドーーーン」


突然、屋根が崩れ落ちた。


パイン:「うぁーーっ!!」

アリス:「キャーーッ!!」

ジェイル:「ぐぁーーっ!!」

サール:「ウッキーーッ!!」

ジェシカ:「!!」

バーバラ:「・・・。」


家の周りが埃と土煙で真っ白になった。


ジェシカ:「大変、すぐ助けないと、、、。」

バーバラ:「大丈夫だ、あの程度で死ぬようなやつではない。」


その時、煙の中から腰を曲げ、よろよろとレミューズが現れた。

腰を摩っているところを見るとどこかにぶつけたのだろうか?


レミューズ:「ごほっ、なんなのよ、、、ごほっ。」

ジェシカがレミューズに駆け寄る。

ジェシカ:「大丈夫ですか?」

レミューズ:「大丈夫よ。ごほっ、ありがとう、お嬢ちゃん。」

レミューズの右手が光輝いた。


パイン:((ん?右手が光ってるぞ、、、。))

ジェシカ:((あれは上級の癒しの祈りですね。

     神聖魔道士のようですね。))

バーバラ:((いや、レミューズは賢者だ。))

サール:((えぇーーーっ、賢者ですって、、、。))

パイン:((賢者ってなんだ?))

サール:((賢者というのは、精霊魔法と神聖魔法の両方を

    上級まで扱える人のことを言うんですよ。))

パイン:((そんなにすごい事なのか?))

サール:((えぇ、傭兵協会の記録では今までに賢者と

    認定された人は1人しかいません。))

パイン:((そこまですごいのか、、、。))

サール:((なりにくいこともあるのですが、それ以外にも

    多くの制約を受けるため、成ること自体を避ける人も

    いるんですよ。))

パイン:((制約?))

サール:((炎系の魔法を捨てないといけないんですよ。))

パイン:((魔法を捨てる?))

サール:((神聖魔法と炎系の精霊魔法は相性が悪いんです。

    炎系の魔法は、比較的覚えやすい上に、

    攻撃方法としては最強の部類に入るのでこれを捨てる

    というのは精霊魔道士としては、致命的なんですよ。))

パイン:((なるほど、ところで、バーバラさんとはどういう

    御関係なんですか?))

バーバラ:((レミューズとは、同じマスターの元にいた。))

サール:((ご学友ということですか、、、。))

バーバラ:((思い出したくもない過去だがな、、、。))


レミューズが癒しの祈りを発動させながら、言った。

レミューズ:「バーバラさん、旧友との久しぶりの再会

      というのに、何故ここにいるのかなんて、

      ずいぶんの物言いじゃないの?

      あなたたちの露払いをやってあげたんじゃないの。」

バーバラ:「いや、傭兵でもないお前が、何故、今回の任務に

     参加できたのか気になってな、、、。」

レミューズ:「あぁ、そのこと。簡単なことよ。

      私は、ザイムに用事があった。

      丁度、傭兵協会でザイムに向けての討伐隊の

      募集があった。

      それで、討伐隊の隊長が、昔の知り合いだった。

      それだけのことよ。」

バーバラ:「なるほど、あとで隊長と話をしないといけないな。」

レミューズ:「あぁ、たぶん、覚えてないと思う。」

バーバラ:「まさか、貴様、禁術を使ったのか?」

レミューズ:「さあ、どうかしらね?」


パイン:((サール、禁術ってなんだ?))

サール:((えーとですね。魔法の中でいくつかの魔法の使用が

    禁止されているものがあるんです。

    当然ですが、一般的には教えてもらえませんので、

    覚えるなら独学で覚えるしかないですが、、、。

    この会話で、バーバラさんが言っているのは、

    人を操る魔法ですね。))

パイン:((確かに人を操る魔法なんてあったら、

    なんでもできてしまうな、、、。))


レミューズ:「それにしても、その物言い、

      相変わらず劣等感まるだしなのね。」

レミューズは、光る手で腰をさすりながら、バーバラの反応を

待った。


サール:((バーバラさんに、劣等感丸出しって、、、。))

バーバラ:((事実だから反論できんな、、、。))

パイン:((えっ、レミューズさんって、

    そんなにすごい人なんですか?))

バーバラ:((あいつは、常に首席だった。私は次席だ。

     本当の意味であいつは天才だった。))

サール:((だったとは?))

バーバラ:((傭兵協会で使っている多くの魔法陣があるだろ。

     あの多くの魔法陣の基礎を作ったのが、あいつだ。))

サール:((えぇーーっ、初耳です。))

バーバラ:((そうだろうな、知っているのは、

     ごく少数の人間だけだ。

     私は、あいつの作った基礎技術を応用したにすぎない。

     それに、カイン王と行った討伐も、本当はやつが行く

     予定だったんだ。))

パイン:((えっ、なんで、行かなかったんですか?))

バーバラ:((討伐隊出発の前に、やつの母親が不治の病に

     かかってしまった。

     あいつは、討伐隊参加の名誉を蹴って母親の元に

     戻ったのだ。

     その上、病を治すために賢者になったんだ。

     そして、研究の末、4年前についに病気を治す

     方法を発見した。

     そして、3年前に傭兵協会へやってきた。))

サール:((ということは、傭兵なんですね?))

バーバラ:((いや、もう傭兵ではない。

     定期的に魔獣王討伐隊が派遣されているのは、

     知っているだろ。))

パイン:((はい。))

バーバラ:((3年前に魔獣王討伐隊が派遣された。

     やつは、その時の隊長であり、唯一の帰還者だ。))

ジェイル:((なんだって、3年前の討伐隊の帰還者だって。

     もっと詳しく教えてくれ。))


レミューズが無言のバーバラに痺れを切らしたように言った。

レミューズ:「ちょっと、何黙ってるのよ。

      のけ者にしないでよ。」

バーバラ:「あぁ、すまなかった。

     こいつらが、3年前の討伐の件を聞きたいそうだ。

     私も、おまえの進捗を聞きたいしな。

     すまないが、話してやってもらえないか?」

レミューズは、明らかに嫌そうな顔をしながら答えた。

レミューズ:「なんで、私がそこまでする必要があるのよ。」


ジェイルが突然、2人の会話に割って入った。

ジェイル:「ちょっとまってくれ、レミューズさん。」

レミューズ:「何かしら?」

ジェイル:「ベルノという名前に聞き覚えがないか?」

ベルノという名前にレミューズの顔色が変わった。

レミューズ:「もしかして、ベルノの知り合い?」

ジェイル:「あぁ、ベルノは、私の教育係でもあり、

     そして血の繋がりは無いが、兄でもあるんだ。」

レミューズ:「兄のような存在というわけね。」


レミューズは、少し考えると言った。

レミューズ:「なるほど、話さなければならないようね。」

そして、3年前の討伐隊について、語り始めた。


-----

3年前、レミューズを隊長として6人の討伐隊が結成された。

隊員の中には、ベルノという神聖魔導士がいた。


6人は、順調に魔獣王の城に向かって進んでいった。

途中、何回か魔獣との戦闘になったが、そのすべてを退け

そして、魔獣王の城へと到達した。

これは、カイン王率いる討伐隊以来のことであった。


レミューズ:「ついに、ここまで来たか。

      あとは魔獣王を討伐して終わりとしたいものね。」

ベルノ:「それにしても、静かすぎますね。

    まさか、罠という事も、、、。」

レミューズ:「確かに、静かすぎるわね。

      罠の可能性は、あると思うけど、ここまで来た以上

      先に進むしかないでしょうね。」

6人は、しばらくの間話し合いをすると、魔獣王の城に突入する

事を決めた。


そして、城の扉を少し開けると、戦士を先頭にして、

慎重に城内へと侵入していった。

最後尾は、隊長のレミューズだった。

レミューズの前には、ベルノがいた。


そして、レミューズが城内に入ろうとしたその時、

突然、中から絶叫が聞こえてきた。


???:「うぁーーーっ!!」


レミューズは、急いで中へ入ろうとした。

その時、扉の中から、ベルノの手が現れ、レミューズを

突き飛ばした。

そして、開かれた帰還の巻物が自分の上に落ちてきた。


その時、レミューズは、見た。

扉から突き出たベルノの手が石の様に徐々に白くなって

ゆくのを、、、。


レミューズが立ち上がった瞬間、落ちてきた帰還の巻物が発動した。

そして、次に辺りを確認することができたとき、そこは部屋の中だった。


レミューズは、事の次第を報告すると救助隊の出発をカイン王に進言した。

カイン王は、救助隊の出発に賛成したが、多くの将軍達が、

人材不足を理由に反対し、実現することはなかった。

このとき、レミューズは、傭兵協会を脱会して単独で

魔獣王の城に乗り込む事を決意した。

そして、石化を治す方法を見つける旅を始めることになったのだ。

C:「いやー、久しぶりすぎて、忘れてしまいました。」

A:「作者も、全部読み直したみたいですね。」

C:「どうやら、作者の方も、落ち着いたみたいなので、

  投稿を再開するみたいです。

  まだ、不定期になる可能性もあるみたいですが、

  ゆっくりとでも、投稿してゆく予定だそうです。」

A:「まあ、期待しないで、待ってるので、よろしく。」


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