ノワン捜索
連合暦20年6月4日、
バーバラは、パーティーを抜けカイン国へと戻った。
それはザイム国調査の準備の為だった。
5人は、天馬の尻尾亭で早朝から今後の事について
話し合っていた。
パイン:((さて、我々はどうしようかね?))
ジェイル:((私としては従僕の剣の調査をしたいんだが、
ザイムに行くまで進展がなさそうだしな、、、。))
シェリル:((あのーー。))
パイン:((シェリルさん、何ですか?))
シェリル:((ジーンさんと会ったとき、ノワンさんが言ってた
言葉が気になっているんですが。))
パイン:((なんていっていたっけ?))
アリス:((えーとね。))
アリスはメモ帳の頁を捲って行った。
パイン:((すごいな、アリス。
話にあまり口出さなかったのは、
メモ取ってたのか、、、。))
アリス:((たまにね。))
そう言いながら、パインにピースサインを出す。
そして再度、頁を捲りだした。
アリス:((あった、あった。))
アリスがそれを読み上げる。
「破滅の日の始まりかもしれない。
私は闇へと向かうしかないということか。
もう私と関わるな、貴方も危険になる。」
シェリル:((えぇ、それです。
その中の
「私は闇へと向かうしかないということか。」
という言葉です。
もしかして、行き先を示しているのではないかと
思ったのですが、、、。))
サール:((なるほど、闇へ向かうですか、、、。))
ジェイル:((闇、、、黒、、、暗い、、、。
んー、なんだろうな?))
サール:((そうか!!))
パイン:((サール、なにか分かったのか?))
サール:((えぇ、もしジーンさんが、ノワンさんの居場所を
知っていて、密かにその場所を匂わせたとしたなら。
最後に言っていた、ノワンさんが昇る太陽が大好き
と言う言葉、、、。))
パイン:((方角?))
サール:((そうです。
太陽が沈む方向が闇と
教えてくれたのかもしれません。))
ジェイル:((だとすると、ノワンは西に行ったのか?))
サール:((えぇ、その可能性が高いと思います。))
パイン:((でも、なんでジーンさんは、
そんなことをしたんだろう?))
ジェイル:((きっと、ノワンはヴァニッシュに襲われた事を
知っていたんだろうな。
そして、ジーンに口止めしたんだろう。))
パイン:((まさか、ジーンさんが我々にそれを匂わせた為に
拉致されたのか?))
ジェイル:((いや、それは無いと思う。
今までのヴァニッシュの行動を見ると、
知られる事を恐れていないように見える。
拉致する意味も無いし、殺す方が簡単だろ。))
サール:((そうですね。
自ら失踪したと考えた方がよさそうですね。))
パイン:((確かに、そうだよな。
ノワンさんを探してみるか?))
ジェイル:((それがよさそうだな。
西なら今いるカルラドだしな。))
サール:((もし、ノワンさんがすぐにカルラドに来たのなら、
22年前ってことですよね。))
パイン:((そうだな、その頃から住んでいる人がその可能性が
高いということだな。
しかし、どうやって見つければいいんだろうな?
本人はノワンだとは言わないだろうし、、、。))
サール:((そうですね、ロナルド・ビリウスって名前をだして
反応を見るぐらいですかね。))
パイン:((そうだな、それぐらいしかないよな。
でも、有名人だからな普通に知っていても
おかしくないし、決定的というわけでもないよな。))
ジェイル:((いや、すぐ分かる、召喚士だよ。))
アリス:((ほへっ?))
サール:((そうか、召喚士を求めろってことか、、、。))
ジェイル:((そう、ベンヌを守る者なら召喚士を求めている。
召喚士を知っていると言えば反応があるはずだ。))
アリス:((ジェイル、あったまいーーっ!!))
ジェイル:((そうか?))
パイン:((あぁ、良く覚えてたな。))
サール:((しかし、カルラドの住人全部に聞いて回るのは
無理だし、ある程度絞り込む必要がありますね。))
ジェイル:((それについては、任せて置け。
伊達にカルラドで伯爵を名乗ってないぜ。))
パイン:((いつ調べるんだ?))
ジェイル:((今でしょ!!))
アリス:((ふるー。))
ジェイルがポールを呼ぶと、何やら指示を与える。
そして、5人はポールと共にジェイルの屋敷へと向かった。
ジェイルの屋敷へ到着したとき、そこには既に捜索本部が
設置されていた。
その部屋の入り口には、
「連続失踪者捜索本部」
という紙が張られていた。
パイン:「おぃ、ジェイル。
これはいったい。」
ジェイル:「どうだ。警備隊みたいで、かっこいいだろ。」
パイン:「おまえ、小説の読みすぎじゃないのか?」
ジェイル:「いや、まずは形からだ、、、。」
5人+ポールが部屋に入ると、ポールが指示を与える。
次々と入ってくる情報を瞬時に判断し、
そして次の指示を与える。
それは見ているものを圧倒した。
アリス:「ポールさん、すごーーい。」
ジェイル:「よし、これでしばらくしたら情報が集まるだろう。
我々は、隣の部屋で結果を待つことにしよう。」
パイン達はノワン・ハルバールについて話し合っていた。
パイン:((ところでノワンさんって、ベンヌの何を守って
いたんだろうな。))
ジェイル:((あぁ、それについてずっと考えていたんだが。
もしかしたら、従僕の剣と同じような物なんじゃ
ないかと思っているんだ。))
サール:((つまり、ベンヌを封じ込めた何かってことですか?))
ジェイル:((そう、ベンヌの指輪。
ベンヌを封じ込めている指輪という事だ。
別名が精神の指輪というのを考えると、
幻獣の滞在時間を長くしてくれるとかの、
なんらかの別の効果もあると予測できる。
そして、それを召喚士に託すと言う訳だ。))
サール:((なるほど。
だとしたら、どこかに守られていそうですね。
それを守るための何かを実行したってベンヌの本に
書かれていましたからね。))
パイン:((んー。どうしても判らないことがあるんだけど。))
サール:((なんですか?))
パイン:((今まで、色々な本とか情報を見てきたよな。
ズールはノワンさんにベンヌについて
色々と語っている。
だけど、ベンヌに関する情報が
少なすぎると思わないか?))
サール:((確かにそうですね。
なにか理由があるんでしょうか?))
ジェイル:((そんなの簡単だろ。
ヴァニッシュだよ。
ヴァニッシュが情報を消し去ったんだよ。))
パイン:((そう考えれば、つじつまも合いそうだけど。
なんか気にかかるんだよな。
ズールはどこから情報を仕入れたんだろう?
ズールの屋敷にもベンヌに関する情報は
残っていないんだよな?))
ジェイル:((そうだよな、、、。))
サール:((こういうのは、どうでしょう。
アンジェラさんの寝ていた魔法陣。
あの魔法陣を発動させるためにネクロマンサーに
なっていた者が、ベンヌについて語ったとしたら
どうですか?))
パイン:((確かに、そう考えればよさそうだけど、
なんで、記録に残さなかったんだろう?))
サール:((記録するなとか言われていたんでは?))
パイン:((んー。なんかしっくりこないな。
それに、もしベンヌの指輪にベンヌが封印されていた
とするだろ、そうしたら何で呼び出そうと
しなかったんだろう?))
サール:((召喚士しか呼び出せないとか?))
パイン:((だとしたら、何故ベンヌの指輪を召喚士に
持たせなかったんだろう?
杖とか指輪とか首飾りとか、
アンジェラさんが身に着けてたんだぜ。
わざわざそんなことする理由が分からない。))
ジェイル:((それもそうだな。
我々が知らない情報がまだあるって事だろうな。))
パイン:((今はそう考えるしかないか、、、。))
そんな会話をしているところに、ポールが部屋に入ってきた。
ポール:「坊ちゃま。
だいぶ絞り込まれてきましたが、
調査は難航しそうです。」
ジェイル:「どういうことだ?」
ポール:「対象者が数百人になりそうです。」
ジェイル:「なんで、そんなに、、、。」
ポール:「傭兵ですよ。
かなりの数の傭兵が派遣されてきたんです。
傭兵は警備兵として雇われている者もいまして、
そのまま住み着いた者が多数いるのです。」
ジェイル:「そうか。
これは想定外だったな。
それで、絞込みにどれぐらいかかりそうなんだ?」
ポール:「そうですね、最低でも10日近くかかると思います。」
ジェイル:「そうか、10日か。
ザイム国に向かう前に終わらせたかったが、
どうも微妙になってきたな。」
サール:「急いでもいいことは無いですよ。
確実に行きましょう。」
ジェイル:「ポール、絞込みは任せた。
我々は、別方向から調査することにしよう。」
調査内容は過去の在住地区、親族調査が主なものだった。
そしてその確認が行われていった。
パイン達は別方向から調査を進めたが、
何の進展も無く10日間が過ぎ去った。
連合暦20年6月15日、
ここで、問題が発生した。
なんと対象者の全ての人の移住前の確認が取れてしまったのだ。
これは、対象者の中にはノワンがいなかったことを示していた。
ジェイル:「一体どういうことなんだ?」
ポール:「考えられる事は、2つあります。
一つはノワンを守るための仲間が存在していて、
口裏を合わせてノワンにたどり着くことを
阻止している場合。
もう一つは、ノワンが既に亡くなっている場合です。」
ジェイル:「そうか、一体どうすればいいんだ。」
パイン:「ザイム国への出発も近い、一旦ノワンの件は中止に
しないか?」
ジェイルは少し考えると口を開いた。
ジェイル:「そうだな、この件はポールに任せて、我々は
ザイムへ行く準備をするか。」
そして、ザイムへ向かう準備をする事となった。
C:「お久しぶりです。」
A:「久しぶりすぎませんか?」
C:「すみませんね。ちょと色々とありまして、、、。」
A:「色々と、、、。」
C:「あまり、詮索しないでくださいね。」
A:「まー、いいでしょう。
ところで今回は、
ザイムへ行くまでのつなぎみたいな内容ですね。」
C:「確かにそんな感じがしますね。」
A:「まあ、これからザイムへ向かうことになるみたいなので
今後の展開に期待しましょう。」




