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魔獣の壺 - 本編 -  作者: 夢之中
英雄の誓い
46/99

ノワン捜索

連合暦20年6月4日、

バーバラは、パーティーを抜けカイン国へと戻った。

それはザイム国調査の準備の為だった。

5人は、天馬の尻尾亭で早朝から今後の事について

話し合っていた。


パイン:((さて、我々はどうしようかね?))

ジェイル:((私としては従僕の剣の調査をしたいんだが、

     ザイムに行くまで進展がなさそうだしな、、、。))

シェリル:((あのーー。))

パイン:((シェリルさん、何ですか?))

シェリル:((ジーンさんと会ったとき、ノワンさんが言ってた

     言葉が気になっているんですが。))

パイン:((なんていっていたっけ?))

アリス:((えーとね。))

アリスはメモ帳の頁を捲って行った。

パイン:((すごいな、アリス。

    話にあまり口出さなかったのは、

    メモ取ってたのか、、、。))

アリス:((たまにね。))

そう言いながら、パインにピースサインを出す。

そして再度、頁を捲りだした。

アリス:((あった、あった。))

アリスがそれを読み上げる。


 「破滅の日の始まりかもしれない。

 私は闇へと向かうしかないということか。

 もう私と関わるな、貴方も危険になる。」


シェリル:((えぇ、それです。

     その中の

      「私は闇へと向かうしかないということか。」

     という言葉です。

     もしかして、行き先を示しているのではないかと

     思ったのですが、、、。))

サール:((なるほど、闇へ向かうですか、、、。))

ジェイル:((闇、、、黒、、、暗い、、、。

     んー、なんだろうな?))

サール:((そうか!!))

パイン:((サール、なにか分かったのか?))

サール:((えぇ、もしジーンさんが、ノワンさんの居場所を

     知っていて、密かにその場所を匂わせたとしたなら。

     最後に言っていた、ノワンさんが昇る太陽が大好き

     と言う言葉、、、。))

パイン:((方角?))

サール:((そうです。

    太陽が沈む方向が闇と

    教えてくれたのかもしれません。))

ジェイル:((だとすると、ノワンは西に行ったのか?))

サール:((えぇ、その可能性が高いと思います。))

パイン:((でも、なんでジーンさんは、

    そんなことをしたんだろう?))

ジェイル:((きっと、ノワンはヴァニッシュに襲われた事を

     知っていたんだろうな。

     そして、ジーンに口止めしたんだろう。))

パイン:((まさか、ジーンさんが我々にそれを匂わせた為に

    拉致されたのか?))

ジェイル:((いや、それは無いと思う。

     今までのヴァニッシュの行動を見ると、

     知られる事を恐れていないように見える。

     拉致する意味も無いし、殺す方が簡単だろ。))

サール:((そうですね。

    自ら失踪したと考えた方がよさそうですね。))

パイン:((確かに、そうだよな。

    ノワンさんを探してみるか?))

ジェイル:((それがよさそうだな。

     西なら今いるカルラドだしな。))

サール:((もし、ノワンさんがすぐにカルラドに来たのなら、

    22年前ってことですよね。))

パイン:((そうだな、その頃から住んでいる人がその可能性が

    高いということだな。

    しかし、どうやって見つければいいんだろうな?

    本人はノワンだとは言わないだろうし、、、。))

サール:((そうですね、ロナルド・ビリウスって名前をだして

    反応を見るぐらいですかね。))

パイン:((そうだな、それぐらいしかないよな。

    でも、有名人だからな普通に知っていても

    おかしくないし、決定的というわけでもないよな。))

ジェイル:((いや、すぐ分かる、召喚士だよ。))

アリス:((ほへっ?))

サール:((そうか、召喚士を求めろってことか、、、。))

ジェイル:((そう、ベンヌを守る者なら召喚士を求めている。

     召喚士を知っていると言えば反応があるはずだ。))

アリス:((ジェイル、あったまいーーっ!!))

ジェイル:((そうか?))

パイン:((あぁ、良く覚えてたな。))

サール:((しかし、カルラドの住人全部に聞いて回るのは

    無理だし、ある程度絞り込む必要がありますね。))

ジェイル:((それについては、任せて置け。

     伊達にカルラドで伯爵を名乗ってないぜ。))

パイン:((いつ調べるんだ?))

ジェイル:((今でしょ!!))

アリス:((ふるー。))

ジェイルがポールを呼ぶと、何やら指示を与える。

そして、5人はポールと共にジェイルの屋敷へと向かった。


ジェイルの屋敷へ到着したとき、そこには既に捜索本部が

設置されていた。

その部屋の入り口には、

 「連続失踪者捜索本部」

という紙が張られていた。


パイン:「おぃ、ジェイル。

    これはいったい。」

ジェイル:「どうだ。警備隊みたいで、かっこいいだろ。」

パイン:「おまえ、小説の読みすぎじゃないのか?」

ジェイル:「いや、まずは形からだ、、、。」

5人+ポールが部屋に入ると、ポールが指示を与える。

次々と入ってくる情報を瞬時に判断し、

そして次の指示を与える。

それは見ているものを圧倒した。


アリス:「ポールさん、すごーーい。」

ジェイル:「よし、これでしばらくしたら情報が集まるだろう。

     我々は、隣の部屋で結果を待つことにしよう。」


パイン達はノワン・ハルバールについて話し合っていた。

パイン:((ところでノワンさんって、ベンヌの何を守って

    いたんだろうな。))

ジェイル:((あぁ、それについてずっと考えていたんだが。

     もしかしたら、従僕の剣と同じような物なんじゃ

     ないかと思っているんだ。))

サール:((つまり、ベンヌを封じ込めた何かってことですか?))

ジェイル:((そう、ベンヌの指輪。

     ベンヌを封じ込めている指輪という事だ。

     別名が精神の指輪というのを考えると、

     幻獣の滞在時間を長くしてくれるとかの、

     なんらかの別の効果もあると予測できる。

     そして、それを召喚士に託すと言う訳だ。))

サール:((なるほど。

    だとしたら、どこかに守られていそうですね。

    それを守るための何かを実行したってベンヌの本に

    書かれていましたからね。))

パイン:((んー。どうしても判らないことがあるんだけど。))

サール:((なんですか?))

パイン:((今まで、色々な本とか情報を見てきたよな。

    ズールはノワンさんにベンヌについて

    色々と語っている。

    だけど、ベンヌに関する情報が

    少なすぎると思わないか?))

サール:((確かにそうですね。

    なにか理由があるんでしょうか?))

ジェイル:((そんなの簡単だろ。

     ヴァニッシュだよ。

     ヴァニッシュが情報を消し去ったんだよ。))

パイン:((そう考えれば、つじつまも合いそうだけど。

    なんか気にかかるんだよな。

    ズールはどこから情報を仕入れたんだろう?

    ズールの屋敷にもベンヌに関する情報は

    残っていないんだよな?))

ジェイル:((そうだよな、、、。))

サール:((こういうのは、どうでしょう。

    アンジェラさんの寝ていた魔法陣。

    あの魔法陣を発動させるためにネクロマンサーに

    なっていた者が、ベンヌについて語ったとしたら

    どうですか?))

パイン:((確かに、そう考えればよさそうだけど、

    なんで、記録に残さなかったんだろう?))

サール:((記録するなとか言われていたんでは?))

パイン:((んー。なんかしっくりこないな。

    それに、もしベンヌの指輪にベンヌが封印されていた

    とするだろ、そうしたら何で呼び出そうと

    しなかったんだろう?))

サール:((召喚士しか呼び出せないとか?))

パイン:((だとしたら、何故ベンヌの指輪を召喚士に

    持たせなかったんだろう?

    杖とか指輪とか首飾りとか、

    アンジェラさんが身に着けてたんだぜ。

    わざわざそんなことする理由が分からない。))

ジェイル:((それもそうだな。

     我々が知らない情報がまだあるって事だろうな。))

パイン:((今はそう考えるしかないか、、、。))


そんな会話をしているところに、ポールが部屋に入ってきた。

ポール:「坊ちゃま。

    だいぶ絞り込まれてきましたが、

    調査は難航しそうです。」

ジェイル:「どういうことだ?」

ポール:「対象者が数百人になりそうです。」

ジェイル:「なんで、そんなに、、、。」

ポール:「傭兵ですよ。

    かなりの数の傭兵が派遣されてきたんです。

    傭兵は警備兵として雇われている者もいまして、

    そのまま住み着いた者が多数いるのです。」

ジェイル:「そうか。

     これは想定外だったな。

     それで、絞込みにどれぐらいかかりそうなんだ?」

ポール:「そうですね、最低でも10日近くかかると思います。」

ジェイル:「そうか、10日か。

     ザイム国に向かう前に終わらせたかったが、

     どうも微妙になってきたな。」

サール:「急いでもいいことは無いですよ。

    確実に行きましょう。」

ジェイル:「ポール、絞込みは任せた。

     我々は、別方向から調査することにしよう。」


調査内容は過去の在住地区、親族調査が主なものだった。

そしてその確認が行われていった。

パイン達は別方向から調査を進めたが、

何の進展も無く10日間が過ぎ去った。


連合暦20年6月15日、

ここで、問題が発生した。

なんと対象者の全ての人の移住前の確認が取れてしまったのだ。

これは、対象者の中にはノワンがいなかったことを示していた。


ジェイル:「一体どういうことなんだ?」

ポール:「考えられる事は、2つあります。

    一つはノワンを守るための仲間が存在していて、

    口裏を合わせてノワンにたどり着くことを

    阻止している場合。

    もう一つは、ノワンが既に亡くなっている場合です。」

ジェイル:「そうか、一体どうすればいいんだ。」

パイン:「ザイム国への出発も近い、一旦ノワンの件は中止に

    しないか?」

ジェイルは少し考えると口を開いた。

ジェイル:「そうだな、この件はポールに任せて、我々は

     ザイムへ行く準備をするか。」

そして、ザイムへ向かう準備をする事となった。

C:「お久しぶりです。」

A:「久しぶりすぎませんか?」

C:「すみませんね。ちょと色々とありまして、、、。」

A:「色々と、、、。」

C:「あまり、詮索しないでくださいね。」

A:「まー、いいでしょう。

  ところで今回は、

  ザイムへ行くまでのつなぎみたいな内容ですね。」

C:「確かにそんな感じがしますね。」

A:「まあ、これからザイムへ向かうことになるみたいなので

  今後の展開に期待しましょう。」


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