シロッコ
5人は、傭兵協会へ来ると、★2つのクエストを探した。
そして目当てのクエストを見つけると、
それを受け現地へと向かった。
途中の道のりでアリスが言った。
アリス:((ねぇ、白虎なんだけど、名前が気に入らないのよ。))
パイン:((えっ、そんなのどうでもいいんじゃないか?))
アリス:((よくなーーーい。))
パイン:((じゃあ、どうしたいんだ?))
アリス:((んーーっ、そうだ、シロッコでどう?))
サール:((なぜシロッコなんですか?))
アリス:((白虎はビャッコって言うよね。
シロ虎、、、シロコ、、、シロッコ、、、。))
パイン:((そのままじゃないか、、、。))
パインが呆れ顔で言った。
ジェイル:((いや、かっこいいじゃないか。
シロッコ、いいね。))
アリス:((でしょ、でしょ。)))
パイン:((そうかなーー、、、。))
サール:((シロッコというのは、どこかの国の言葉で、
南風って言う意味がありましたね。))
アリス:((南風か、、、。
なんかかっこいいじゃない。))
パイン:((そうかなーー、、、。))
サール:((あぁ、思い出しました。
15年程前にシロッコっていう将軍もいましたよ。))
アリス:((へーー。どんな人。))
サール:((たしか、"私の使命は魔獣に魂を抜かれた人々を
解放することだと思っている"って言った人ですね。))
アリス:((その言葉、かっこいいじゃない。))
パイン:((そうかなーー、、、。))
アリス:((いいの、、、もうシロッコで決定!!))
そして、白虎の名前がシロッコに決定した。
道中そんな会話が続けられ、クエスト現場へと到着した。
そこは、畑の真ん中だった。
近くに民家があったため、情報収集のためそこへと向かった。
民家には1人の農民がいた。
農民:「おぉ、やっと来てくれたか。
まったく、一昨日から魔獣が出て、
畑仕事ができないんじゃよ。
なんとかしてくれ。」
パイン:「分かりました。
それで、どの辺りにいるんでしょうか?」
農民:「そう、あの辺りじゃよ。」
そう言って、農民が指差した方向は畑の端で、
その先に森があった。
サール:「なるほど、壺はたぶん森の中ですね。」
ジェイル:「あぁ、そんな感じだな。」
パイン:((アリス、森の中にはいったら、
シロッコを呼んでくれ。))
アリス:((はーい。))
5人は、森の中へと入った。
そして、アリスがシロッコを呼び出す。
パインも剣を抜き、奇襲に備える。
そして、横を歩くシロッコを見た。
パインはシロッコが敵でなくて良かったと思っていた。
その威圧感は凄まじく、見るものを圧倒する。
その咆哮は、全身の筋肉を硬直させるほどであった。
突然、目の前の草むらが動くと子供ぐらいの魔獣が
飛び出してきた。
アリスが即座に反応する。
アリス:「いけーーーっ!!」
白虎が目にも止まらぬ速さで魔獣に向かった。
次の瞬間、魔獣は絶命していた。。
瞬殺だった。
サール:((うぁーーっ。))
ジェイル:((なんと、、、。))
パイン:((すごい、強すぎるだろ、、、。))
パインがそう言ったとき、左右の草むらから3匹の魔獣と
1匹の大人ぐらいの魔獣が飛び出してきて、
シロッコに襲い掛かる。
決着はすぐについた。
その場を動くこともなく、4匹を倒したのだ。
次の瞬間、白虎が霧のようになり消えた。
そして、アリスが崩れ落ちた。
近くにいたシェリルがアリスを支える。
しかし、体重を支えきれずに一緒に倒れた。
シェリルがアリスに潰されて、もがいている。
ジェイル:((シェリル、大丈夫か?))
サール:((アリスさん、大丈夫ですか?))
パインもビックリして2人に駆け寄る。
アリスの下敷きになったシェリルが答えた。
シェリル:((私は大丈夫です。それよりアリスさんが、、、。))
パインがアリスに声をかけた。
パイン:((アリス、大丈夫か?))
パインがアリスを抱き起こす。
アリス:「ンガガガガガガッ、スピーーーッ。」
サール:((寝てるんじゃないですかね?))
ジェイル:((どうやら、そうみたいだな。))
パイン:((あぁ、どうやら寝てるみたいだな。))
サール:((いきなりどうしたんでしょうか?
やはり、シロッコの召喚と関係あるんでしょうかね?))
パイン:((どうだろうな?
それより先に、壺を探そう。
急がないと復活してしまう。))
サール:((あぁ、そうでした。))
ジェイル:((よし、大きな魔獣が現れた辺りを探してみるか。))
サール:((分かりました。))
ジェイルが探すと壺はすぐに見つかった。
そして、処置を済ませて戻ってきた。
パイン:((ジェイル、壺の運搬頼む。
俺は、アリスを運ぶ。))
ジェイル:((あぁ、わかった。))
そして、5人は傭兵協会で報告を行うと、ジェイルの屋敷へと
戻った。
そして、夕食を済ませた後、アリスの元へと向かった。
アリス:「スピーーーッ。ンガガガガガガッ。」
アリスがベッドで寝ていた。
パイン:((さて、さっきのアリス件なんだが、、、。
あれから、少し考えてみたんだが、
攻撃に関係してるんじゃないかと思うんだが、、、。))
ジェイル:((私も、そんな感じがしている。))
サール:((どういうことですか?))
パイン:((実験の時は何回も呼び出したが、問題はなかった。
しかし、この時は戦闘をしていなかった。
実際に戦闘をしたら、アリスがああなった。
これは、攻撃命令か、あるいはダメージを与える行為で
精神力を使うんじゃないかと思ったんだ。))
サール:((なるほど、そう言うことですか。
しかし、そうなると使いどころが難しいですね。))
ジェイル:((あぁ、そうなんだ。
戦闘で使っても、アリスがあれじゃあな。))
サール:((この件に関しては、傭兵王との謁見後に検証する
必要がありそうですね。))
パイン:((とりあえず、この件は謁見後に考えよう。))
ジェイル:((そうするしかなさそうだな。
今日は、これで終わりにして明日に備えよう。))
パイン:((よし、寝るか。))
サール:((そうですね。))
シェリル:((はい。))
連合暦20年4月4日、
早朝、パインが食堂に行くとアリスが黙々と食事をしていた。
アリス:「もぐもぐ、ゴックン。もぐもぐ、ゴックン。」
パイン:「アリス、おはよう。
大丈夫か?」
アリス:「もぐもぐ、ゴックン。
パイン、おはよーーっ。
良く寝たから大丈夫。」
それだけ言うと、すぐに食事を続けた。
アリス:「もぐもぐ、、、もぐもぐ。」
パイン:「それは、よかった。」
アリス:「おかわりーーーっ!!」
パイン:「えっ、まだ食べるのか?」
アリス:「当然でしょ。昨日の晩、御飯抜きだったんだから。」
パイン:「・・・。」
パインは、(太るぞ。)と思ったが言わなかった。
アリスの追加の食事が到着したとき、他の3人が現れた。
そして、食事を済ませると、
カイン国の傭兵協会本部へと向かった。
傭兵協会本部に入ると、バーバラが待っていた。
バーバラ:「おぉ、おはよう。良く来てくれた。」
5人:「おはようございます。」
簡単な挨拶を済ませると、応接室のような場所へと通された。
そして、全員がソファーに座るとバーバラが話し始めた。
バーバラ:「さて、謁見までは時間がある、その前に
話の内容について説明しておこう。
カイン王は、召喚士取得の経緯についてはサールの
報告で知っている。
シロと言ったな。その幻獣を王に見せてほしい。
そして、その力をその目で見たいということだ。」
アリス:「えっ、シロちゃんの力ですか?」
アリスは困惑していた。
そして、パインが代わりに言った。
パイン:「はっきり言って、シロは弱いですよ。」
シロ:((にゃに、よわくにゃいにゃ。))
バーバラ:「なんだと、幻獣なのに弱いのか?」
パイン:「いや、弱いというよりも臆病なんです。」
シロ:((んにゃ、反論できにゃいにゃ。))
バーバラ:「なに、幻獣なのに臆病なのか、、、。
これはこまったな。
魔獣王の討伐に使えるかを見たかったのだが、
戦闘は無理かもしれんな。」
ジェイル:「もしやるなら、シロッコを使うしかないだろうな。」
バーバラ:「シロッコとは何なのだ?」
アリス:「それも、シロちゃんなんですが、
色々と弊害がありまして、、、。」
バーバラ:「弊害とは?」
パイン:「アリスが寝てしまうんですよ。」
バーバラ:「なんだそれは?」
パインがこれまでの経緯と弊害について説明した。
バーバラ:「なるほどな。
わかった、この件に関しては、事前に説明しておく。
戦闘は、シロッコでやってもらえないだろうか?」
パイン:「アリス、大丈夫か?」
アリス:「んー。途中で寝ちゃうかもしれないけど、
それでもよければ、、、。」
パイン:「戦闘途中で寝てしまった場合の
アリスの安全は保障できるんですか?」
バーバラ:「今回使う、魔獣の壺は人間が作れる最強の壺だが、
その強さは、ザイム国を越えた辺りの敵程度だ。
周りの兵士達が総攻撃をすれば倒すことも可能だ。
それに、その壺は私が作ったものだ。
私が精神集中をやめれば消えてしまう。
シロッコが消えたときに集中を解除すれば
問題はないだろう。」
パイン:「なるほど、わかりました。
それに、その程度の魔獣を倒せなければ、
魔獣王城まで到達することは
不可能だということですね。」
バーバラ:「そうなるな。」
パイン:「どうするアリス。」
アリス:「私はかまわないよ。」
バーバラ:「そうか、やってくれるか。」
その後、6人はしばらく休憩の後、謁見の場へと向かった。
A:「シロッコ、、、。
なんか乗り物の名前だった気もするんですが、、、。」
C:「いや、気のせいですよ、、、。」
A:「それに、名言もどこかで聞いたことがあるような、、、。」
C:「それも、気のせいですよ、、、。」
A:「そうですか?」
C:「えぇ、気のせいです。」




