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魔獣の壺 - 本編 -  作者: 夢之中
英雄の誓い
39/99

シロッコ

5人は、傭兵協会へ来ると、★2つのクエストを探した。

そして目当てのクエストを見つけると、

それを受け現地へと向かった。


途中の道のりでアリスが言った。

アリス:((ねぇ、白虎なんだけど、名前が気に入らないのよ。))

パイン:((えっ、そんなのどうでもいいんじゃないか?))

アリス:((よくなーーーい。))

パイン:((じゃあ、どうしたいんだ?))

アリス:((んーーっ、そうだ、シロッコでどう?))

サール:((なぜシロッコなんですか?))

アリス:((白虎はビャッコって言うよね。

    シロ虎、、、シロコ、、、シロッコ、、、。))

パイン:((そのままじゃないか、、、。))

パインが呆れ顔で言った。

ジェイル:((いや、かっこいいじゃないか。

     シロッコ、いいね。))

アリス:((でしょ、でしょ。)))

パイン:((そうかなーー、、、。))

サール:((シロッコというのは、どこかの国の言葉で、

    南風って言う意味がありましたね。))

アリス:((南風か、、、。

    なんかかっこいいじゃない。))

パイン:((そうかなーー、、、。))

サール:((あぁ、思い出しました。

    15年程前にシロッコっていう将軍もいましたよ。))

アリス:((へーー。どんな人。))

サール:((たしか、"私の使命は魔獣に魂を抜かれた人々を

    解放することだと思っている"って言った人ですね。))

アリス:((その言葉、かっこいいじゃない。))

パイン:((そうかなーー、、、。))

アリス:((いいの、、、もうシロッコで決定!!))

そして、白虎の名前がシロッコに決定した。

道中そんな会話が続けられ、クエスト現場へと到着した。

そこは、畑の真ん中だった。

近くに民家があったため、情報収集のためそこへと向かった。

民家には1人の農民がいた。


農民:「おぉ、やっと来てくれたか。

   まったく、一昨日から魔獣が出て、

   畑仕事ができないんじゃよ。

   なんとかしてくれ。」

パイン:「分かりました。

    それで、どの辺りにいるんでしょうか?」

農民:「そう、あの辺りじゃよ。」

そう言って、農民が指差した方向は畑の端で、

その先に森があった。

サール:「なるほど、壺はたぶん森の中ですね。」

ジェイル:「あぁ、そんな感じだな。」


パイン:((アリス、森の中にはいったら、

    シロッコを呼んでくれ。))

アリス:((はーい。))


5人は、森の中へと入った。

そして、アリスがシロッコを呼び出す。

パインも剣を抜き、奇襲に備える。

そして、横を歩くシロッコを見た。

パインはシロッコが敵でなくて良かったと思っていた。

その威圧感は凄まじく、見るものを圧倒する。

その咆哮は、全身の筋肉を硬直させるほどであった。


突然、目の前の草むらが動くと子供ぐらいの魔獣が

飛び出してきた。

アリスが即座に反応する。

アリス:「いけーーーっ!!」

白虎が目にも止まらぬ速さで魔獣に向かった。

次の瞬間、魔獣は絶命していた。。

瞬殺だった。

サール:((うぁーーっ。))

ジェイル:((なんと、、、。))

パイン:((すごい、強すぎるだろ、、、。))

パインがそう言ったとき、左右の草むらから3匹の魔獣と

1匹の大人ぐらいの魔獣が飛び出してきて、

シロッコに襲い掛かる。

決着はすぐについた。

その場を動くこともなく、4匹を倒したのだ。


次の瞬間、白虎が霧のようになり消えた。

そして、アリスが崩れ落ちた。

近くにいたシェリルがアリスを支える。

しかし、体重を支えきれずに一緒に倒れた。

シェリルがアリスに潰されて、もがいている。


ジェイル:((シェリル、大丈夫か?))

サール:((アリスさん、大丈夫ですか?))

パインもビックリして2人に駆け寄る。


アリスの下敷きになったシェリルが答えた。

シェリル:((私は大丈夫です。それよりアリスさんが、、、。))

パインがアリスに声をかけた。

パイン:((アリス、大丈夫か?))

パインがアリスを抱き起こす。


アリス:「ンガガガガガガッ、スピーーーッ。」

サール:((寝てるんじゃないですかね?))

ジェイル:((どうやら、そうみたいだな。))

パイン:((あぁ、どうやら寝てるみたいだな。))

サール:((いきなりどうしたんでしょうか?

    やはり、シロッコの召喚と関係あるんでしょうかね?))

パイン:((どうだろうな?

    それより先に、壺を探そう。

    急がないと復活してしまう。))

サール:((あぁ、そうでした。))

ジェイル:((よし、大きな魔獣が現れた辺りを探してみるか。))

サール:((分かりました。))

ジェイルが探すと壺はすぐに見つかった。

そして、処置を済ませて戻ってきた。

パイン:((ジェイル、壺の運搬頼む。

    俺は、アリスを運ぶ。))

ジェイル:((あぁ、わかった。))

そして、5人は傭兵協会で報告を行うと、ジェイルの屋敷へと

戻った。

そして、夕食を済ませた後、アリスの元へと向かった。


アリス:「スピーーーッ。ンガガガガガガッ。」

アリスがベッドで寝ていた。

パイン:((さて、さっきのアリス件なんだが、、、。

    あれから、少し考えてみたんだが、

    攻撃に関係してるんじゃないかと思うんだが、、、。))

ジェイル:((私も、そんな感じがしている。))

サール:((どういうことですか?))

パイン:((実験の時は何回も呼び出したが、問題はなかった。

    しかし、この時は戦闘をしていなかった。

    実際に戦闘をしたら、アリスがああなった。

    これは、攻撃命令か、あるいはダメージを与える行為で

    精神力を使うんじゃないかと思ったんだ。))

サール:((なるほど、そう言うことですか。

    しかし、そうなると使いどころが難しいですね。))

ジェイル:((あぁ、そうなんだ。

     戦闘で使っても、アリスがあれじゃあな。))

サール:((この件に関しては、傭兵王との謁見後に検証する

    必要がありそうですね。))

パイン:((とりあえず、この件は謁見後に考えよう。))

ジェイル:((そうするしかなさそうだな。

     今日は、これで終わりにして明日に備えよう。))

パイン:((よし、寝るか。))

サール:((そうですね。))

シェリル:((はい。))


連合暦20年4月4日、

早朝、パインが食堂に行くとアリスが黙々と食事をしていた。

アリス:「もぐもぐ、ゴックン。もぐもぐ、ゴックン。」

パイン:「アリス、おはよう。

    大丈夫か?」

アリス:「もぐもぐ、ゴックン。

    パイン、おはよーーっ。

    良く寝たから大丈夫。」

それだけ言うと、すぐに食事を続けた。

アリス:「もぐもぐ、、、もぐもぐ。」

パイン:「それは、よかった。」

アリス:「おかわりーーーっ!!」

パイン:「えっ、まだ食べるのか?」

アリス:「当然でしょ。昨日の晩、御飯抜きだったんだから。」

パイン:「・・・。」

パインは、(太るぞ。)と思ったが言わなかった。

アリスの追加の食事が到着したとき、他の3人が現れた。

そして、食事を済ませると、

カイン国の傭兵協会本部へと向かった。


傭兵協会本部に入ると、バーバラが待っていた。

バーバラ:「おぉ、おはよう。良く来てくれた。」

5人:「おはようございます。」

簡単な挨拶を済ませると、応接室のような場所へと通された。

そして、全員がソファーに座るとバーバラが話し始めた。

バーバラ:「さて、謁見までは時間がある、その前に

     話の内容について説明しておこう。

     カイン王は、召喚士取得の経緯についてはサールの

     報告で知っている。

     シロと言ったな。その幻獣を王に見せてほしい。

     そして、その力をその目で見たいということだ。」

アリス:「えっ、シロちゃんの力ですか?」

アリスは困惑していた。

そして、パインが代わりに言った。

パイン:「はっきり言って、シロは弱いですよ。」

シロ:((にゃに、よわくにゃいにゃ。))

バーバラ:「なんだと、幻獣なのに弱いのか?」

パイン:「いや、弱いというよりも臆病なんです。」

シロ:((んにゃ、反論できにゃいにゃ。))

バーバラ:「なに、幻獣なのに臆病なのか、、、。

     これはこまったな。

     魔獣王の討伐に使えるかを見たかったのだが、

     戦闘は無理かもしれんな。」

ジェイル:「もしやるなら、シロッコを使うしかないだろうな。」

バーバラ:「シロッコとは何なのだ?」

アリス:「それも、シロちゃんなんですが、

    色々と弊害がありまして、、、。」

バーバラ:「弊害とは?」

パイン:「アリスが寝てしまうんですよ。」

バーバラ:「なんだそれは?」

パインがこれまでの経緯と弊害について説明した。


バーバラ:「なるほどな。

     わかった、この件に関しては、事前に説明しておく。

     戦闘は、シロッコでやってもらえないだろうか?」

パイン:「アリス、大丈夫か?」

アリス:「んー。途中で寝ちゃうかもしれないけど、

    それでもよければ、、、。」

パイン:「戦闘途中で寝てしまった場合の

    アリスの安全は保障できるんですか?」

バーバラ:「今回使う、魔獣の壺は人間が作れる最強の壺だが、

     その強さは、ザイム国を越えた辺りの敵程度だ。

     周りの兵士達が総攻撃をすれば倒すことも可能だ。

     それに、その壺は私が作ったものだ。

     私が精神集中をやめれば消えてしまう。

     シロッコが消えたときに集中を解除すれば

     問題はないだろう。」

パイン:「なるほど、わかりました。

    それに、その程度の魔獣を倒せなければ、

    魔獣王城まで到達することは

    不可能だということですね。」

バーバラ:「そうなるな。」

パイン:「どうするアリス。」

アリス:「私はかまわないよ。」

バーバラ:「そうか、やってくれるか。」

その後、6人はしばらく休憩の後、謁見の場へと向かった。


A:「シロッコ、、、。

  なんか乗り物の名前だった気もするんですが、、、。」

C:「いや、気のせいですよ、、、。」

A:「それに、名言もどこかで聞いたことがあるような、、、。」

C:「それも、気のせいですよ、、、。」

A:「そうですか?」

C:「えぇ、気のせいです。」


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