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魔獣の壺 - 本編 -  作者: 夢之中
英雄の誓い
38/99

秘密基地2

その扉は、豪華な装飾がされていた。

いかにも、お宝がありますよという感じだった。


パイン:((この扉って、すごく豪華だよな。))

ジェイル:((ああ、これは浮き彫りというものだ。

     木目もしっかりと見えている。

     そしてつなぎ目が無い。

     つまり巨大な大木から切り出した1枚板に

     浮き彫りを施したんだな。

     それに彫師の腕もかなりなものだ。

     芸術品と呼ぶに値する一品だな。

     よほど大事なものが収められているようだ。))

サール:((なんか、ワクワクしますね。))

アリス:((ワクワク。))

パイン:((じゃあ、開けるぞ。))

そして、パインが慎重に扉を開ける。

扉は、重そうな音を立てて開いた。


パインが中を覗き込むと、左右が狭く奥行きのある

まるで、廊下のような部屋だった。

左右の壁には絵画がずらっと飾られていた。

パインが中に入ると、辺りを見回す。

特に危険はなさそうだった。

そして、中へ入るように言った。


パイン:((大丈夫そうだ、入ってもいいぞ。))

全員が部屋の中へと入る。


ジェイル:((この部屋は一体、、、。

     ん?

     この肖像画は、アンジェラじゃないのか?))

サール:((あぁ、そうですよ。

    歳はとっていますが、

    アンジェラさんですよ。))

パイン:((どうやら、そうみたいだな。))

ジェイル:((それにしても、この数はすごいな。

     全部アンジェラなのか?))

パイン:((ここから確認できるものは、

    全てアンジェラみたいだな。))

サール:((アンジェラさんの記録って感じがしますね。))

ジェイル:((あぁ、そんな感じがする。))


5人は、入り口から奥へ肖像画を見ながらゆっくりと

進んで行った。


ジェイル:((この辺りの肖像画は、だいぶ若いな。

     時系列に配置されているようだな。))

サール:((えぇ、そのようですね。

    所々にエイガルさんと一緒に描かれているものも

    ありますね。

    アンジェラさんは、よほどエイガルさんに愛されて

    いたんでしょうね。))

アリス:((ラブラブーーーッ。))

そして、最奥の位置まで来たとき、1枚の絵を見て驚いた。


パイン:((あの絵を見てみろ。))

ジェイル:((あぁ、この絵は、眠り姫の部屋の絵だな。

     寝ているのは、アンジェラなんだろうな。))

サール:((この絵の背景は、間違いなく眠り姫の部屋ですね。))

パイン:((あぁ、やはりあそこに寝ていたのか。))

アリス:((ねぇ、この箱ってなんなのかな?))

アリスは、眠り姫の部屋の絵の下にあった小さな箱を見ていた。

その小箱は、綺麗な装飾がされており所々に宝石のような物も

ついていた。


パイン:((なんだろうな。開けてみるか。))

パインがその箱を開けると、中に首飾りと指輪が入っていた。

サールがそれを見る。

サール:((両方とも魔法陣が描かれていますね。

    魔法の品なんでしょうが、もう少し調べてみないと

    装備するのは危険ですね。))

ジェイル:((いや、それらはたぶん

     アンジェラがしていたものだ。))

サール:((えっ。))

ジェイル:((この肖像画を見てみろ。

     描かれている首飾りと指輪は

     同じものに見えないか?))

パイン:((確かに、首飾りは同じものみたいだな。

    指輪は分からないな。))

アリス:((この首飾りと指輪、着けて見てもいいかな?))

パイン:((えっ、それは、危険すぎるだろ。))

アリス:((たぶん、大丈夫だよ。

    この肖像画を見ても分かる。

    エイガルさんは、アンジェラさんが

    大好きだったんだよ。

    大好きな人の部屋に罠なんか置かないよ。))

パイン:((まあ、確かにアリスの言う通りだな。))

サール:((私も、アリスさんの意見に賛成です。))

ジェイル:((ああ、私も罠みたいなものは、置かないだろうな。))

アリス:((じゃあ、着けて見てもいいかな?))

パイン:((首飾りからにしてくれ。

    なにかあったら、すぐに引きちぎる。))

アリス:((分かった。じゃあ、着けるね。))

全員がアリスを見守る。


アリスが、首飾りを首に着けた。

パイン:((どうだ?何か変化があったか?))

アリス:((別に何もおきないけど、、、。))

パイン:((そうか、まあ、良かったというべきかな、、、。))

ジェイル:((良い効果を期待していたんだがな、、、。))

サール:((その魔法陣は、一体何でしょうね?))

アリス:((あっ。))

パイン:((どうした?))

アリス:((遠くにいた気配が、近くなってる。))

パイン:((えっ、シヴァが近くに来たってことか?))

アリス:((そう、誰だか分かる。

    やっぱり、シヴァよ。))

ジェイル:((話せるのか?))

アリス:((それは、無理みたい。

    でも、こっちをじっと見てる。

    すごく優しい顔。))

サール:((これは、すごいですよ。

    この首飾りは、シヴァを呼び出すために

    必要なものだったんじゃないんですかね。))

パイン:((あぁ、そのようだな。))

サール:((もう一つの指輪も試しましょうよ。))

パイン:((どうだ、アリス、指輪もいけそうか?))

アリスは右手拳を天井に向かって突き上げながら答えた。

アリス:((もっちろーーーん。))


そして、全員が見守る中、指輪をはめた。

パイン:((どうだ?何か変化があったか?))

アリス:((別に何もおきないけど、、、。))

その時、シロがしゃべりだした。

シロ:((んにゃ、なんだか変にゃ。んにゃーーーっ。))

アリス:((シロちゃん、大丈夫?))

パイン:((おい、どうした?))

シロ:((ちっ、ちきゃらぎゃ、わいてくるにゃーーーーっ!!))

その後、シロは何も話さなかった。

パイン:((おい、アリス、シロを呼び出してくれ。))

アリス:((わかった。))

アリスは、かなり慌てていた。

アリスが舞う踊りもいつもと違ってぎこちなかった。

踊りを失敗し、何回かやり直しをした。

アリス:((んもーーーっ。))

パイン:((落ち着け、アリス。

    何回か深呼吸してから、やってみろよ。))

アリス:((うん、そうする。))

アリスが数回深呼吸すると、心が落ち着いた。

そして、再度シロの呼び出しの舞を踊った。

アリスが舞い始めると、白い靄がどこからとも無く湧き出し、

次第に1つに集まってゆく。

そして、1つの形を作っていった。

しかし、いつものそれと今回は違った。

それは、明らかにシロの形より大きかった。

アリスの舞が完了した。

全員:「!!」

全員が現れたものから目が離せなかった。

そこにいたのは、白い虎にしか見えなかった。

 「ガォーーーーッ!!」

その咆哮は、辺りの絵画をビリビリと振るわせるほどの

凄まじい声だった。

全員が耳を塞ぐ。

吼え終わると、のっそりと移動しアリスの横に座った。

アリスが横のそれを見る、そして言った。

アリス:((えーーーーっ!!

    これがシロちゃん?

    かわいくなーーーーい!!))

そのとたん、「ポンッ!!」と言う音がした。

虎が霧に包まれる。

そして、その霧の中からいつものシロが現れた。


いつものシロを見たアリスは抱きついた。

アリス:((シロちゃーーーん!!))

シロ:((くっ、、、くる、、、しい、、、にゃ、、、。))

他の者達は、呆然とそれを見ていた。


サール:((いまのは一体、なんだったんですか?))

パイン:((いや、あれは、白虎だったよな?))

ジェイル:((たぶんそうじゃないかな?))

サール:((もしかして、シロさんの本当の姿なのかもしれない

    ですね。))

パイン:((もし、そうならすごい戦力アップじゃないか。))

ジェイル:((シロ、話せるか?))

シロ:((なんにゃ?))

ジェイル:((今の白虎は、お前なのか?))

シロ:((白虎ってなんにゃ?))

サール:((覚えてないんですかね?))

パイン:((ところで、アリスがシロを呼び出したときって、

    どうなるんだ?))

シロ:((アリスに呼び出されたときにゃ?、

   そうにゃ、アリスが呼んでいるのが分かるにゃ。

   そして、出て行くにゃ。

   そうにゃ、今回は変だったにゃ。

   頭が真っ白になったにゃ。

   おかしいにゃ、途中の記憶がないにゃ。))

サール:((なるほど、やはり、さっきのはシロなんですね。

    たぶんあれが幻獣としての本当の姿なんですよ。

    前に言ってたじゃないですか、アリスの好きな姿に

    なって現れたって、、、。))

パイン:((さっきの白虎、また出せないのかな?))

アリス:((んーー。どうだろう?

    さっきは何も考えてなかったから。

    何も考えないで呼び出すと白虎なのかな?))

サール:((これは、色々と試してみる必要がありますね。))

ジェイル:((そうだな、ここには、もう何も無さそうだし、

     一旦戻って、白虎について実験してみるか。))

パイン:((アリス、いいかな?))

アリス:((もちろーーん。))

パイン:((よし、もどろう。))

外へ出ると、外はすでに朝だった。

朝日を受けながら、5人+1匹はジェイルの屋敷へと戻った。

そして、白虎についての実験が行われた。

判明したことは、以下のようなものだった。


この効果は首飾りと指輪をしたときにのみ現れる。

シロの事を思いながら呼び出すと、シロが召喚される。

その他の場合は、白虎が召喚される。

白虎の時の記憶をシロは覚えていない。

白虎はアリスの指示に従う。

白虎の時に、シロの事を強く思うとシロに戻る。

分かったことは、これぐらいだった。


アリス:((それにしても、杖、首飾り、指輪の組み合わせって

    すごいかも、、、。))

パイン:((なにがすごいんだ?))

アリス:((これだけ、何回も呼び出してるのに、

    まったく疲れないの。

    杖のときもそうだったんだけど、

    2-3回呼び出したら、疲れちゃったから。))

サール:((なるほど、そんな効果もあったんですね。

    召喚時に最も精神力を使うんですね。

    それを軽減する効果があるということですね。))

ジェイル:((なるほどな。

     ところで、白虎の強さを確認してみたいんだが、

     アリス、やれそうか?))

アリス:((いいよーーーっ。

    まだまだ、げんきーーーっ。))

そう言って、アリスが飛び跳ねる。

パイン:((まだ昼だし、昼食をとった後に

    クエストでもやってみるか?))

アリス:((はーい。))

5人+1匹は、昼食を取った後に、傭兵協会へと向かった。

A:「白虎って、もしかしてあの伝説の白虎ですか?」

C:「へっ?、違うと思いますよ。単純に白い虎という意味

  だと思いますが、、、。」

A:「読者は、きっとそう思いますよ。」

C:「まあ、それはそれでいいのでは?」

A:「そんな、無責任ですよ、、、。」

C:「まあ、あとがきまで読んでいれば分かることです。」

A:「確かに、、、。」


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