秘密基地2
その扉は、豪華な装飾がされていた。
いかにも、お宝がありますよという感じだった。
パイン:((この扉って、すごく豪華だよな。))
ジェイル:((ああ、これは浮き彫りというものだ。
木目もしっかりと見えている。
そしてつなぎ目が無い。
つまり巨大な大木から切り出した1枚板に
浮き彫りを施したんだな。
それに彫師の腕もかなりなものだ。
芸術品と呼ぶに値する一品だな。
よほど大事なものが収められているようだ。))
サール:((なんか、ワクワクしますね。))
アリス:((ワクワク。))
パイン:((じゃあ、開けるぞ。))
そして、パインが慎重に扉を開ける。
扉は、重そうな音を立てて開いた。
パインが中を覗き込むと、左右が狭く奥行きのある
まるで、廊下のような部屋だった。
左右の壁には絵画がずらっと飾られていた。
パインが中に入ると、辺りを見回す。
特に危険はなさそうだった。
そして、中へ入るように言った。
パイン:((大丈夫そうだ、入ってもいいぞ。))
全員が部屋の中へと入る。
ジェイル:((この部屋は一体、、、。
ん?
この肖像画は、アンジェラじゃないのか?))
サール:((あぁ、そうですよ。
歳はとっていますが、
アンジェラさんですよ。))
パイン:((どうやら、そうみたいだな。))
ジェイル:((それにしても、この数はすごいな。
全部アンジェラなのか?))
パイン:((ここから確認できるものは、
全てアンジェラみたいだな。))
サール:((アンジェラさんの記録って感じがしますね。))
ジェイル:((あぁ、そんな感じがする。))
5人は、入り口から奥へ肖像画を見ながらゆっくりと
進んで行った。
ジェイル:((この辺りの肖像画は、だいぶ若いな。
時系列に配置されているようだな。))
サール:((えぇ、そのようですね。
所々にエイガルさんと一緒に描かれているものも
ありますね。
アンジェラさんは、よほどエイガルさんに愛されて
いたんでしょうね。))
アリス:((ラブラブーーーッ。))
そして、最奥の位置まで来たとき、1枚の絵を見て驚いた。
パイン:((あの絵を見てみろ。))
ジェイル:((あぁ、この絵は、眠り姫の部屋の絵だな。
寝ているのは、アンジェラなんだろうな。))
サール:((この絵の背景は、間違いなく眠り姫の部屋ですね。))
パイン:((あぁ、やはりあそこに寝ていたのか。))
アリス:((ねぇ、この箱ってなんなのかな?))
アリスは、眠り姫の部屋の絵の下にあった小さな箱を見ていた。
その小箱は、綺麗な装飾がされており所々に宝石のような物も
ついていた。
パイン:((なんだろうな。開けてみるか。))
パインがその箱を開けると、中に首飾りと指輪が入っていた。
サールがそれを見る。
サール:((両方とも魔法陣が描かれていますね。
魔法の品なんでしょうが、もう少し調べてみないと
装備するのは危険ですね。))
ジェイル:((いや、それらはたぶん
アンジェラがしていたものだ。))
サール:((えっ。))
ジェイル:((この肖像画を見てみろ。
描かれている首飾りと指輪は
同じものに見えないか?))
パイン:((確かに、首飾りは同じものみたいだな。
指輪は分からないな。))
アリス:((この首飾りと指輪、着けて見てもいいかな?))
パイン:((えっ、それは、危険すぎるだろ。))
アリス:((たぶん、大丈夫だよ。
この肖像画を見ても分かる。
エイガルさんは、アンジェラさんが
大好きだったんだよ。
大好きな人の部屋に罠なんか置かないよ。))
パイン:((まあ、確かにアリスの言う通りだな。))
サール:((私も、アリスさんの意見に賛成です。))
ジェイル:((ああ、私も罠みたいなものは、置かないだろうな。))
アリス:((じゃあ、着けて見てもいいかな?))
パイン:((首飾りからにしてくれ。
なにかあったら、すぐに引きちぎる。))
アリス:((分かった。じゃあ、着けるね。))
全員がアリスを見守る。
アリスが、首飾りを首に着けた。
パイン:((どうだ?何か変化があったか?))
アリス:((別に何もおきないけど、、、。))
パイン:((そうか、まあ、良かったというべきかな、、、。))
ジェイル:((良い効果を期待していたんだがな、、、。))
サール:((その魔法陣は、一体何でしょうね?))
アリス:((あっ。))
パイン:((どうした?))
アリス:((遠くにいた気配が、近くなってる。))
パイン:((えっ、シヴァが近くに来たってことか?))
アリス:((そう、誰だか分かる。
やっぱり、シヴァよ。))
ジェイル:((話せるのか?))
アリス:((それは、無理みたい。
でも、こっちをじっと見てる。
すごく優しい顔。))
サール:((これは、すごいですよ。
この首飾りは、シヴァを呼び出すために
必要なものだったんじゃないんですかね。))
パイン:((あぁ、そのようだな。))
サール:((もう一つの指輪も試しましょうよ。))
パイン:((どうだ、アリス、指輪もいけそうか?))
アリスは右手拳を天井に向かって突き上げながら答えた。
アリス:((もっちろーーーん。))
そして、全員が見守る中、指輪をはめた。
パイン:((どうだ?何か変化があったか?))
アリス:((別に何もおきないけど、、、。))
その時、シロがしゃべりだした。
シロ:((んにゃ、なんだか変にゃ。んにゃーーーっ。))
アリス:((シロちゃん、大丈夫?))
パイン:((おい、どうした?))
シロ:((ちっ、ちきゃらぎゃ、わいてくるにゃーーーーっ!!))
その後、シロは何も話さなかった。
パイン:((おい、アリス、シロを呼び出してくれ。))
アリス:((わかった。))
アリスは、かなり慌てていた。
アリスが舞う踊りもいつもと違ってぎこちなかった。
踊りを失敗し、何回かやり直しをした。
アリス:((んもーーーっ。))
パイン:((落ち着け、アリス。
何回か深呼吸してから、やってみろよ。))
アリス:((うん、そうする。))
アリスが数回深呼吸すると、心が落ち着いた。
そして、再度シロの呼び出しの舞を踊った。
アリスが舞い始めると、白い靄がどこからとも無く湧き出し、
次第に1つに集まってゆく。
そして、1つの形を作っていった。
しかし、いつものそれと今回は違った。
それは、明らかにシロの形より大きかった。
アリスの舞が完了した。
全員:「!!」
全員が現れたものから目が離せなかった。
そこにいたのは、白い虎にしか見えなかった。
「ガォーーーーッ!!」
その咆哮は、辺りの絵画をビリビリと振るわせるほどの
凄まじい声だった。
全員が耳を塞ぐ。
吼え終わると、のっそりと移動しアリスの横に座った。
アリスが横のそれを見る、そして言った。
アリス:((えーーーーっ!!
これがシロちゃん?
かわいくなーーーーい!!))
そのとたん、「ポンッ!!」と言う音がした。
虎が霧に包まれる。
そして、その霧の中からいつものシロが現れた。
いつものシロを見たアリスは抱きついた。
アリス:((シロちゃーーーん!!))
シロ:((くっ、、、くる、、、しい、、、にゃ、、、。))
他の者達は、呆然とそれを見ていた。
サール:((いまのは一体、なんだったんですか?))
パイン:((いや、あれは、白虎だったよな?))
ジェイル:((たぶんそうじゃないかな?))
サール:((もしかして、シロさんの本当の姿なのかもしれない
ですね。))
パイン:((もし、そうならすごい戦力アップじゃないか。))
ジェイル:((シロ、話せるか?))
シロ:((なんにゃ?))
ジェイル:((今の白虎は、お前なのか?))
シロ:((白虎ってなんにゃ?))
サール:((覚えてないんですかね?))
パイン:((ところで、アリスがシロを呼び出したときって、
どうなるんだ?))
シロ:((アリスに呼び出されたときにゃ?、
そうにゃ、アリスが呼んでいるのが分かるにゃ。
そして、出て行くにゃ。
そうにゃ、今回は変だったにゃ。
頭が真っ白になったにゃ。
おかしいにゃ、途中の記憶がないにゃ。))
サール:((なるほど、やはり、さっきのはシロなんですね。
たぶんあれが幻獣としての本当の姿なんですよ。
前に言ってたじゃないですか、アリスの好きな姿に
なって現れたって、、、。))
パイン:((さっきの白虎、また出せないのかな?))
アリス:((んーー。どうだろう?
さっきは何も考えてなかったから。
何も考えないで呼び出すと白虎なのかな?))
サール:((これは、色々と試してみる必要がありますね。))
ジェイル:((そうだな、ここには、もう何も無さそうだし、
一旦戻って、白虎について実験してみるか。))
パイン:((アリス、いいかな?))
アリス:((もちろーーん。))
パイン:((よし、もどろう。))
外へ出ると、外はすでに朝だった。
朝日を受けながら、5人+1匹はジェイルの屋敷へと戻った。
そして、白虎についての実験が行われた。
判明したことは、以下のようなものだった。
この効果は首飾りと指輪をしたときにのみ現れる。
シロの事を思いながら呼び出すと、シロが召喚される。
その他の場合は、白虎が召喚される。
白虎の時の記憶をシロは覚えていない。
白虎はアリスの指示に従う。
白虎の時に、シロの事を強く思うとシロに戻る。
分かったことは、これぐらいだった。
アリス:((それにしても、杖、首飾り、指輪の組み合わせって
すごいかも、、、。))
パイン:((なにがすごいんだ?))
アリス:((これだけ、何回も呼び出してるのに、
まったく疲れないの。
杖のときもそうだったんだけど、
2-3回呼び出したら、疲れちゃったから。))
サール:((なるほど、そんな効果もあったんですね。
召喚時に最も精神力を使うんですね。
それを軽減する効果があるということですね。))
ジェイル:((なるほどな。
ところで、白虎の強さを確認してみたいんだが、
アリス、やれそうか?))
アリス:((いいよーーーっ。
まだまだ、げんきーーーっ。))
そう言って、アリスが飛び跳ねる。
パイン:((まだ昼だし、昼食をとった後に
クエストでもやってみるか?))
アリス:((はーい。))
5人+1匹は、昼食を取った後に、傭兵協会へと向かった。
A:「白虎って、もしかしてあの伝説の白虎ですか?」
C:「へっ?、違うと思いますよ。単純に白い虎という意味
だと思いますが、、、。」
A:「読者は、きっとそう思いますよ。」
C:「まあ、それはそれでいいのでは?」
A:「そんな、無責任ですよ、、、。」
C:「まあ、あとがきまで読んでいれば分かることです。」
A:「確かに、、、。」




