最後のメダル2
パインが部屋に入ろうとしたとき、アリスが声を上げた。
アリス:((まって、今のは冗談。
もっと適役の人がいるの。))
パイン:((えっ?、だれ?))
アリス:((シロちゃん。))
全員:「!!」
シロ:((!!))
シロは、突然の振りに驚いた。
シロ:((にゃんで、そんな危険なことやらにゃいと
いけにゃいにゃ。))
アリス:((シロちゃんは、死なないでしょ。))
シロ:((確かに死なないにゃ、でもいやにゃ。
こわいにゃ。))
アリス:((お・ね・が・い。))
シロ:((まいったにゃ、やるにゃ、アリスのためにゃ。))
シロは、渋々引き受けた。
シロ:((パイン、貸しにゃ、覚えておくにゃ。))
アリス:((シロちゃん。貸しじゃないでしょ。))
シロ:((んにゃ。わかったにゃ。))
そう言って、シロは部屋の中に入ると、橋を渡りメダルのある
壁までたどり着いた。
シロ:((どれをおすにゃ。))
アリス:((シヴァの模様を押して。))
シロ:((やだにゃー。
こわいにゃ。
おしたくないにゃ。))
アリス:((お・し・て。))
そう言うアリスの目はとても怖かったと、シロは後に語った。
シロは、震える手(前足)で、シヴァのメダルを押した。
「ガコッ。」
壁の奥から音が聞こえた。
「ガガガガガッ」
という音と共に、並んだメダルの下に小さな口が開いた。
そこにメダルがあった。
シロ:((メダルがあったにゃん。))
アリス:((やったーーーっ!!
そのメダルを持って来て。))
シロ:((わかったにゃん。))
シロがメダルに手を伸ばし、それを取った瞬間。
「ガコッ。」
という音がした。
そして、巨大な棒状の岩が振り子のように落下してきた。
罠が発動してしまったのだ。
全員:「!!」
そして、巨大な棒状の岩が橋の上を通過していった。
全員がその光景を見つめていた。
アリス:((シロちゃーーーん。))
アリスのシロを呼ぶ声がむなしく響く。
シロ:((どうしたにゃ?))
アリスの後方からシロの気配がした。
全員が振り向くとそこに、
大事そうにメダルを持ったシロがいた。
アリスがシロに駆け寄り抱きしめた。
シロ:((くっ、くるしいにゃ、はなすにゃ。))
ジェイル:((えっ、どうやって、ここに?))
パイン:((まさか、瞬間移動?))
ジェイル:((瞬間移動だと。
まさに、ヒーローの能力。
俺もほしーーーーい。))
2人は、メダルのことも忘れて、瞬間移動について語りだした。
しばらくその話で盛り上がると、アリスとシロを呼び、
シロに事のしだいを確認した。
どうやらシロは瞬時に移動できる能力を持っていたようだった。
しかし、本人は、それを逃走用の能力としてしか
認識していなかった。
まさか攻撃にも利用できるとは思っていなかったのだ。
ジェイルがそれについて、説明した。
そして、シロは究極のヒットアンドアウェイを覚えた。
アリス:((シロちゃんってば、すごーーい。))
そう言いながら、シロの頭を撫でる。
シロ:((ゴロゴロ、そうにゃ、すごいにゃ。ゴロゴロ。))
シロも満足そうに頭を撫でられていた。
サール:((あのーー。メダルなんですが、、、。))
パイン:((そうだ、メダルは?))
シロ:((はいにゃ、これにゃ。))
シロがメダルを差し出す。
それをパインが受け取ると、表裏と眺める。
確かに、シヴァの模様が描かれていた。
反対側には、魔法文字と思われる字が描かれていた。
ジェイル:((よし、これで、あの扉を開くことができそうだ。))
サール:((扉の奥になにがあるか、楽しみですね。))
アリス:((楽しみーーーっ。))
シェリル:((・・・。))
シェリルだけが、別の何かを考えているようだった。
パイン:((だな。早速行ってみるか?))
ジェイル:((もちろんだ。))
こうして、5人+1匹は、例の三角錐の遺跡へと向かった。
遺跡へと到着した5人+1匹は、扉の前で悩んでいた。
パイン:((これ、どこへはめ込めばいいんだろう?))
ジェイル:((間違えたら罠発動とかありそうだな。))
サール:((そうですね。その可能性は否定できないです。))
そして、再度その窪みを確認する。
その窪みは、魔法陣の中の左下に2つ、
そして右上に1つあった。
サール:((きっとどこかにヒントがあったはずですよ。))
パイン:((鳥がでてきたのって、壁画だけじゃないか?))
ジェイル:((たしか、そうだったと思うが、、、。))
アリス:((ちょっと見てくる。))
アリスが最後の壁画見に行った。
そして戻ってくると言った。
アリス:((左から幻獣、ドラゴン、鳥の順だよ。))
メダルをはめるのは、パインがやることになった。
これは、本人が志願したのだ。
サール:((表は、魔法文字ですからね。))
パイン:((あぁ、わかった。))
そして、3つのメダルを次々にはめてゆく。
最後のメダルがはまったとき、扉の魔法陣が光った。
そして、静かに扉が開いた。
パイン:((よし、開いた。))
アリス:((やったーーーっ。))
サール:((やりましたね。))
ジェイル:((ああ、これでやっと入れる。
すまないが、パイン先頭頼む。))
パイン:((ああ。))
まずは、パインが中を覗き込んだ。
そこは、円柱形の空間だった。
真ん中には、台があり、本が置いてあった。
反対側にその先へ進む道が続いていた。
パインが中へ入り安全を確認すると、
((入っても、大丈夫そうだ。))
と言った。
そして、全員が中へと入る。
ジェイルが台の上にあった本を手にとった。
そして、中を読む。
ジェイル:((なるほどな。))
パイン:((何が書いてあるんだ?))
ジェイル:((ああ、今読み上げる。))
そして、ジェイルは内容を読み上げた。
これを読んでいる者に残す。
ここに辿り着けたということは、シェリルを起し、
シヴァを手に入れたということであろう。
もし、この2つを手に入れていないなら
この先は進むべきではない。
警告しておく、それは破滅への道だ。
2人に付き添う者に残す。
この先の部屋へは、決して2人より先に入ってはいけない。
そして、決して2人より後に出てはいけない。
シヴァを宿した者へ残す。
今のシヴァはシヴァではない。
シヴァはいつか目覚める、しかしその時は今ではない。
全てを手に入れたとき、シヴァは目覚める。
シヴァが目覚め、そして真の力を発したとき、
その絶対的な力の前に全てが跪くだろう。
そして、人は平穏を手にする事ができるのだ。
従僕の剣を求める者に残す。
残念ながらここには、従僕の剣はない。
しかし、諦めることはない。
ここに来たということは、
従僕の剣への道が繋がったということだ。
幻獣がドラゴンを作ったというのは真実だ。
いずれその時が来たとき手に入れることができるのだ。
シェリルに残す。
古代遺跡の研究に没頭し父らしいことが出来なかった。
父として何もしてやれなかったことを悔やんでいる。
しかし、今更運命は変えられない。
真実を受け入れることこそ平穏を手に入れるすべなのだ。
全員がそれを静かに聞いていた。
シェリルのすすり泣く声が聞こえた。
アリスがシェリルを慰めている。
シェリルが落ち着くまで、そこに待機した。
そして、反対側の通路を進んでいった。
目の前に扉があった。
サール:((さて、ここは2人に付き添う者の件から、
シェリルさんとシロさんに入ってもらって、
我々が次の部屋に移動してから出てもらうんですね。))
ジェイル:((そう言うことだな。))
サール:((しかし、一体どうなるのか気になるところですね。))
パイン:((やめてくれ、気になるなら、
サールが自分で確かめることだな。))
サール:((いえいえ、遠慮しておきますよ。
破滅したくないですからね。))
ジェイル:((シェリル、すまないが、頼む。))
シェリル:((わかりました。
おいで、シロちゃん。))
シェリルがシロを抱きかかえる。
そして、部屋の中へと入っていった。
床の魔法陣が光った。
しかし、なにも起きなかった。
パイン:((さっさと通過しよう。))
そして、全員が部屋を通過すると、シェリルとシロが部屋から
出てきた。
パイン:((ふう、よかった。))
サール:((そうですね。))
ジェイル:((さて、この先はどうなっているのだろう。))
部屋の先は、また通路になっていた。
それを慎重に進んでゆくと、また扉があった。
その扉には、魔法陣は描かれていなかったが、
文字が彫られていた。
"ドラゴンの墓地"
パイン:((なぜ、ここだけ文字が書かれているんだ?))
ジェイル:((良く見ろ、下に名前が彫ってある。))
パイン:((エイガル・ローゼスだって!!))
ジェイル:((たぶん、この部屋はローゼスの手記のドラゴンの
骨があった場所なんだよ。))
サール:((ドラゴンじゃない可能性のある骨ですか、、、。))
パイン:((あぁ、そうだな。
しかし、ドラゴンの骨じゃないともいえないしな。))
サール:((確かに、そうでしたね。))
ジェイル:((とにかく中へ入ってみよう。))
そして、5人+1匹は、中へと入っていった。
A:「ついに、ドラゴンの骨の場所を発見しちゃいましたね。」
C:「そうですね。」
A:「ということは、アンジェラの寝ていた場所も発見ですか?」
C:「そうですね。」
A:「エイガルの手記では、その先の魔法陣から移動したって
書いてありましたよね。」
C:「そうですね。」
A:「もーーーう。そうですねしか言わないんですか?」
C:「そうですね。」
A:「・・・。」




