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魔獣の壺 - 本編 -  作者: 夢之中
英雄の誓い
34/99

最後のメダル1

連合暦20年4月2日、

5人+1匹は朝食を終え、これからの事について話をした。

その後、パインは夢の話をした。

昨日は、パーティーを組んだまま寝ていた。

もしかしたら、誰かの夢なのかもしれないと、、、。


パイン:「昨日、変な夢を見たんだ。

    パーティーを組んでいたから、

    他の人の夢かもしれない。」

そう前置きをして、夢の内容を話した。

しかし、それは誰の夢でも無かった。

つまり、自分の夢ということなのだろう。

アリスに色々と聞かれたが、それ以上のことは話さなかった。

というよりも、話せなかった。

事実、話したこと以上のことは無かったからだ。

この話は終わりにして、心の奥底へとしまいこんだ。

そして、転送の魔法陣へと向かった。


5人+1匹は、別の空間へと飛んだ。

そこは、洞窟の中だった。

一目、鍾乳洞だと思った。

今いるところは、小さな空洞だった。

そこから、2方向に道が続いていた。


アリス:「うぁ、寒い。」

サール:「寒いですね。

    持って来た防寒具がやっと役に立ちそうですね。」

全員が持参した防寒具を身に付ける。

それが終わるとジェイルがパーティー会話を使って話し始めた。


ジェイル:((これからパーティー会話で頼む。

     やっとシェリルもなれたみたいだ。))

サール:((分かりました。))

パイン:((そうか、シェリル、よろしくな。))

アリス:((よろしくー。))

シェリル:((よろしくお願いします。

     これでいいのかしら?))

ジェイル:((ああ、ちゃんと聞こえている。))

パイン:((聞こえてますよ。))

サール:((問題ありません。))

アリス:((大丈夫。))

この時、シェリルは様々な言葉が頭の中に入ってくるのを

感じ、少し戸惑っていた。

しかし、何とかなるとも思った。


ジェイル:((それじゃあ、先に進むか。))

パイン:((分かった。))

そして、パインを先頭に1つの道の先へと進み始めた。

しばらく進むと、大きな自然の柱が道を塞いでいた。


パイン:((隙間があるな、何とか通れそうだ。))

パインがその隙間を通過すると、そこは巨大な空洞だった。

そして全員が通り抜けるのを待った。

その間にパインは、入ってきた位置に印を残していた。

これは、帰り道が分からなくならないように記したのだ。

周りは同じような光景が続く、きっと分からなくなるだろう

という判断だった。


5人+1匹は、巨大な空洞を歩いていた。

パインはシヴァとの戦闘を思い出していた。

たかだか10日しかたってないというのに、遥か昔に体験した

ことのように思えた。


サール:((すごい空間ですね。

    しかし、昔に見た気がする。))

ジェイル:((あぁ、この空洞は見覚えがある。))

パイン:((そうだな。))

アリス:((ここって、シヴァと戦った空間じゃない?))

3人はその言葉を待っていた。


パイン:((やっぱりそうだよな。))

ジェイル:((そうじゃないかと思っていたんだ。))

サール:((どうりで、見た気がしていたんですね。))

自分の見間違えでないかと思っていたからだ。


しばらく歩くと、シヴァを召喚した魔法陣が見えた。

やはり、あの洞窟だった。


ジェイル:((ここに繋がっているということは、

     従僕の剣とやっぱり関係があるんだろうな。))

パイン:((そうなるんだろうな、とこで、ジェイル。))

ジェイル:((なんだ?))

パイン:((この場所を発見したのは、巻物だったっけか?))

ジェイル:((あぁ、そうだ。

     我が家の倉庫にあった巻物なんだが、

     あの巻物は、元々ローゼス公爵の屋敷にあった物だと

     思っている。))

パイン:((やっぱりな。))

ジェイル:((ローゼス公爵の屋敷の管理を引き受けてから、

     研究の為に持ち出して、そのままになったのかと。))

サール:((それだと、納得できますね。

    ローゼス公爵とズールが発見した場所の一つの可能性が

    高くなりますね。

    そして、あの神話で幻獣がドラゴンを作ったというなら

    なおさらですね。))

ジェイル:((まだ不明点も多いが、

     たぶんそんなところだろうな。))


ジェイルは、その巨大な空間を眺めた。

ジェイル:((さすがに、この空間を探すのは無理だ。

    もし、この空間にメダルがあったらお手上げだな。))

パイン:((あぁ。))

パインから見て、ジェイルはかなりショックを

受けているようだった。

最後のメダルを入手できないかもしれない。

そんな気持ちが心のどこかで生まれるのを感じていた。


パインは言った。

パイン:((一旦、魔法陣のところへ戻らないか?

    もう1つの道があったから、そっちへ行ってみよう。))

パインは、その言葉に望みを託した。

ジェイル:((そうだな、そうしよう。))

ジェイルの望みを少しでも繋げてやりたかった。

そんな一言だったが、ジェイルには届いたようだった。

顔を見る限り、いつもの彼に戻っていた。


5人+1匹が、魔法陣に到着したとき、アリスが言った。

アリス:((お腹空いたーーーっ!!。

    もう、動けない。))

そして、魔法陣の横に座り込んでしまった。


確かに、お腹が空いていた。

もう、昼を過ぎているのだろう。

そして、その場で、簡単な昼食をとった。


そのとき、シェリルが話し始めた。

シェリル:((実は、少し思い出したことがあります。))

ジェイル:((何を思い出したんだ?))

シェリル:((従僕の剣のことです。))

パイン:((えっ、それはどんなことですか?))

シェリル:((これは、父が言っていたことなんですが、

     従僕の剣は、ドラゴンをそこに繋ぐための

     器のような物みたいです。))

ジェイル:((なんだって。))

サール:((それならば、納得いきますね。

    ドラゴン自体の存在が良く分からないのも、

    ドラゴンの骨が見つからないのも、、、。))

ジェイル:((なるほどな。

     だとすると、あの骨は本物ではないということか?

     確かにズールの日記では貴重な骨といっていたが、

     ドラゴンの骨とは書かれていなかった。

     だとすると、あの骨は一体なんの骨なんだ?))

サール:((私には分かりませんが、

    全ては1つに繋がっている気がします。))

ジェイル:((要するに、全てを知らないと従僕の剣まで

     たどり着けないということか?))

サール:((そうなるでしょうね。))

ジェイル:((最後のメダルを入手できたとしても、

     従僕の剣を手に入れられないと言っているのか?))

サール:((あくまでズールの残したものから推測したのです。

    間違っているかもしれませんが、、、。))


ジェイルは、少し悩むと、口を開いた。

ジェイル:((本音を話そう。

     実は、"全てを知ったときに、

     従僕の剣を手にする事ができるだろう。"

     という文章を読んでから、そんな気もしていた。

     口に出すのが怖かったんだ。

     もし、3つめのメダルを入手して、

     あの扉の向こうにいけたとき、

     そこに従僕の剣がなかったとしたら、

     私はショックに打ち拉がれていただろう。

     サールの言う通りだ。

     いや、言ってくれて助かったよ。))

サール:((いえ、とんでもないです。

    私は、思ったことを言っただけですよ。))

ジェイル:((全てを知るために、まずは、メダルを

     そろえるということだな。))

アリス:((メダル集め、ガンバローッ!!))

そう言ってはしゃぐアリスが場を和ませた。


食事を済ませると、5人+1匹は、別の通路へと向かった。

少し進むと、扉があった。

特に魔法がかかっている様子は無かった。

パインが慎重に扉を開け、中を覗き込む。


そこは、異様な空間だった。

細い岩でできた橋が架かっていた。

橋の下は、真っ暗で何も見えないが、底がかなり深いとは

直感で分かった。

たぶん、落ちたら命は無いだろう。

橋の向こうの壁には、5x5にならんだ25枚の

メダル見えた。

パインは、ここは危険だと直感した。


パイン:((ここには、全員ではいるのはやめよう。

    とりあえず、俺だけ入ることにするよ。

    扉は開けておいてくれ。))

ジェイルが中を覗き込む。

そして、上を見上げた。

そこには、鎖に繋がれている巨大な棒状の岩があった。

あれが、振り子のように降りてきたら、橋の上のもの全てが

下に落とされるだろう。


ジェイル:((おい、もしかして、正解以外のメダルを取ると、

     あの岩で下に落とされるんじゃないか?))

パイン:((たぶん、そうだろう。

    メダルは取らない、とりあえず、様子見だ。))

パインは慎重に進み端まで移動する。

そして、メダルを確認する。


どうやら、取り外すというよりも、押しボタンのように

なっているようだった。

パインがそこに描かれた模様を確認した。

その模様は、様々な模様だった。

植物、昆虫、動物、人、幻獣、精霊、魔獣など、

色々なものだった。


パイン:((どうやら、押しボタンになっているみたいだな。

    どれを押せばいいんだろうな。))

ジェイル:((とりあえず、一旦戻れ。

     そこは、危険すぎる。))

パイン:((あぁ、そうだな、そうするか。))

パインは一旦戻ると、見てきた模様を説明した。


サール:((さて、今までに見聞きしたものが、

    きっとヒントになっているはずですよ。))

パイン:((そうだな、

    今までのメダルが、鳥、ドラゴンだったな。))

ジェイル:((そうだ、だとすると、幻獣なのか?))

サール:((私もそう思います。

    あの最後の壁画に描かれていたのは、

    鳥みたいなもの、ドラゴン、そして、幻獣でした。))

アリス:((でも、人も魔獣も描かれていたでしょ。))

サール:((確かに、そうですが、魔獣は敵ですよね。))

アリス:((じゃあ、人は?))

サール:((・・・。))

パイン:((幻獣は、シヴァとイフリートの模様があった。

    シヴァの可能性は無いか?

    この洞窟はシヴァの召喚場所に繋がっていた。

    もし、これもヒントだとすると。))

ジェイル:((確かにその可能性は高いな。))

サール:((ところで、ここでの幻獣召喚はシヴァだと

    分かっていたのですか?))

ジェイル:((いや、シヴァだとは判明していなかった。))

サール:((ならば、幻獣シヴァで決まりじゃないでしょうか?))

アリス:((どうして?))

サール:((たぶん、ここがメダルの最後の試練なんですよ。

    実際に幻獣を召喚しないと分からないという。))

アリス:((なるほど。))

サール:((しかし、正解かどうかは分かりません。))

パイン:((確かに、サールの言っていることは正しそうだな。

    シヴァと考えてやってみるか?))

ジェイル:((誰が押すんだ?))

パイン:((それは、決まっているだろ。))

パインがジェイルを指差したとき、

他の全員がパインを指差していた。


パインは全員の顔を見回すと言った。

パイン:((えっ、これって、やっぱりほしい人じゃないの?))

ジェイル:((やっぱり、言い出した人だろうな。))

サール:((一番運動神経の良い人でしょうね。))

シェリル:((・・・。))

アリス:((そうだね、一番助かりそうな人。))

アリスがニヤニヤしながら、そう言った。


パイン:((くそ、アリスまで、そう言うこというのかよ。

    分かりました。

    はいはい、私が行けばいいんでしょ。))

そう言いながら、立ち上がり、扉の方へと向かった。

A:「いつにも無く緊張感のある罠ですね。」

C:「えぇ、今まで、罠らしい罠がなかったので、

  これは、結構危なそうなやつですね。」

A:「しかし、あれだけの情報で押しに行くんですね。

  パインって、結構無謀ですか?」

C:「どうでしょう?

  まあ、私だったら、別の方法考えますけど、、、。」

A:「ですよねーーっ。」


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