最後のメダル1
連合暦20年4月2日、
5人+1匹は朝食を終え、これからの事について話をした。
その後、パインは夢の話をした。
昨日は、パーティーを組んだまま寝ていた。
もしかしたら、誰かの夢なのかもしれないと、、、。
パイン:「昨日、変な夢を見たんだ。
パーティーを組んでいたから、
他の人の夢かもしれない。」
そう前置きをして、夢の内容を話した。
しかし、それは誰の夢でも無かった。
つまり、自分の夢ということなのだろう。
アリスに色々と聞かれたが、それ以上のことは話さなかった。
というよりも、話せなかった。
事実、話したこと以上のことは無かったからだ。
この話は終わりにして、心の奥底へとしまいこんだ。
そして、転送の魔法陣へと向かった。
5人+1匹は、別の空間へと飛んだ。
そこは、洞窟の中だった。
一目、鍾乳洞だと思った。
今いるところは、小さな空洞だった。
そこから、2方向に道が続いていた。
アリス:「うぁ、寒い。」
サール:「寒いですね。
持って来た防寒具がやっと役に立ちそうですね。」
全員が持参した防寒具を身に付ける。
それが終わるとジェイルがパーティー会話を使って話し始めた。
ジェイル:((これからパーティー会話で頼む。
やっとシェリルもなれたみたいだ。))
サール:((分かりました。))
パイン:((そうか、シェリル、よろしくな。))
アリス:((よろしくー。))
シェリル:((よろしくお願いします。
これでいいのかしら?))
ジェイル:((ああ、ちゃんと聞こえている。))
パイン:((聞こえてますよ。))
サール:((問題ありません。))
アリス:((大丈夫。))
この時、シェリルは様々な言葉が頭の中に入ってくるのを
感じ、少し戸惑っていた。
しかし、何とかなるとも思った。
ジェイル:((それじゃあ、先に進むか。))
パイン:((分かった。))
そして、パインを先頭に1つの道の先へと進み始めた。
しばらく進むと、大きな自然の柱が道を塞いでいた。
パイン:((隙間があるな、何とか通れそうだ。))
パインがその隙間を通過すると、そこは巨大な空洞だった。
そして全員が通り抜けるのを待った。
その間にパインは、入ってきた位置に印を残していた。
これは、帰り道が分からなくならないように記したのだ。
周りは同じような光景が続く、きっと分からなくなるだろう
という判断だった。
5人+1匹は、巨大な空洞を歩いていた。
パインはシヴァとの戦闘を思い出していた。
たかだか10日しかたってないというのに、遥か昔に体験した
ことのように思えた。
サール:((すごい空間ですね。
しかし、昔に見た気がする。))
ジェイル:((あぁ、この空洞は見覚えがある。))
パイン:((そうだな。))
アリス:((ここって、シヴァと戦った空間じゃない?))
3人はその言葉を待っていた。
パイン:((やっぱりそうだよな。))
ジェイル:((そうじゃないかと思っていたんだ。))
サール:((どうりで、見た気がしていたんですね。))
自分の見間違えでないかと思っていたからだ。
しばらく歩くと、シヴァを召喚した魔法陣が見えた。
やはり、あの洞窟だった。
ジェイル:((ここに繋がっているということは、
従僕の剣とやっぱり関係があるんだろうな。))
パイン:((そうなるんだろうな、とこで、ジェイル。))
ジェイル:((なんだ?))
パイン:((この場所を発見したのは、巻物だったっけか?))
ジェイル:((あぁ、そうだ。
我が家の倉庫にあった巻物なんだが、
あの巻物は、元々ローゼス公爵の屋敷にあった物だと
思っている。))
パイン:((やっぱりな。))
ジェイル:((ローゼス公爵の屋敷の管理を引き受けてから、
研究の為に持ち出して、そのままになったのかと。))
サール:((それだと、納得できますね。
ローゼス公爵とズールが発見した場所の一つの可能性が
高くなりますね。
そして、あの神話で幻獣がドラゴンを作ったというなら
なおさらですね。))
ジェイル:((まだ不明点も多いが、
たぶんそんなところだろうな。))
ジェイルは、その巨大な空間を眺めた。
ジェイル:((さすがに、この空間を探すのは無理だ。
もし、この空間にメダルがあったらお手上げだな。))
パイン:((あぁ。))
パインから見て、ジェイルはかなりショックを
受けているようだった。
最後のメダルを入手できないかもしれない。
そんな気持ちが心のどこかで生まれるのを感じていた。
パインは言った。
パイン:((一旦、魔法陣のところへ戻らないか?
もう1つの道があったから、そっちへ行ってみよう。))
パインは、その言葉に望みを託した。
ジェイル:((そうだな、そうしよう。))
ジェイルの望みを少しでも繋げてやりたかった。
そんな一言だったが、ジェイルには届いたようだった。
顔を見る限り、いつもの彼に戻っていた。
5人+1匹が、魔法陣に到着したとき、アリスが言った。
アリス:((お腹空いたーーーっ!!。
もう、動けない。))
そして、魔法陣の横に座り込んでしまった。
確かに、お腹が空いていた。
もう、昼を過ぎているのだろう。
そして、その場で、簡単な昼食をとった。
そのとき、シェリルが話し始めた。
シェリル:((実は、少し思い出したことがあります。))
ジェイル:((何を思い出したんだ?))
シェリル:((従僕の剣のことです。))
パイン:((えっ、それはどんなことですか?))
シェリル:((これは、父が言っていたことなんですが、
従僕の剣は、ドラゴンをそこに繋ぐための
器のような物みたいです。))
ジェイル:((なんだって。))
サール:((それならば、納得いきますね。
ドラゴン自体の存在が良く分からないのも、
ドラゴンの骨が見つからないのも、、、。))
ジェイル:((なるほどな。
だとすると、あの骨は本物ではないということか?
確かにズールの日記では貴重な骨といっていたが、
ドラゴンの骨とは書かれていなかった。
だとすると、あの骨は一体なんの骨なんだ?))
サール:((私には分かりませんが、
全ては1つに繋がっている気がします。))
ジェイル:((要するに、全てを知らないと従僕の剣まで
たどり着けないということか?))
サール:((そうなるでしょうね。))
ジェイル:((最後のメダルを入手できたとしても、
従僕の剣を手に入れられないと言っているのか?))
サール:((あくまでズールの残したものから推測したのです。
間違っているかもしれませんが、、、。))
ジェイルは、少し悩むと、口を開いた。
ジェイル:((本音を話そう。
実は、"全てを知ったときに、
従僕の剣を手にする事ができるだろう。"
という文章を読んでから、そんな気もしていた。
口に出すのが怖かったんだ。
もし、3つめのメダルを入手して、
あの扉の向こうにいけたとき、
そこに従僕の剣がなかったとしたら、
私はショックに打ち拉がれていただろう。
サールの言う通りだ。
いや、言ってくれて助かったよ。))
サール:((いえ、とんでもないです。
私は、思ったことを言っただけですよ。))
ジェイル:((全てを知るために、まずは、メダルを
そろえるということだな。))
アリス:((メダル集め、ガンバローッ!!))
そう言ってはしゃぐアリスが場を和ませた。
食事を済ませると、5人+1匹は、別の通路へと向かった。
少し進むと、扉があった。
特に魔法がかかっている様子は無かった。
パインが慎重に扉を開け、中を覗き込む。
そこは、異様な空間だった。
細い岩でできた橋が架かっていた。
橋の下は、真っ暗で何も見えないが、底がかなり深いとは
直感で分かった。
たぶん、落ちたら命は無いだろう。
橋の向こうの壁には、5x5にならんだ25枚の
メダル見えた。
パインは、ここは危険だと直感した。
パイン:((ここには、全員ではいるのはやめよう。
とりあえず、俺だけ入ることにするよ。
扉は開けておいてくれ。))
ジェイルが中を覗き込む。
そして、上を見上げた。
そこには、鎖に繋がれている巨大な棒状の岩があった。
あれが、振り子のように降りてきたら、橋の上のもの全てが
下に落とされるだろう。
ジェイル:((おい、もしかして、正解以外のメダルを取ると、
あの岩で下に落とされるんじゃないか?))
パイン:((たぶん、そうだろう。
メダルは取らない、とりあえず、様子見だ。))
パインは慎重に進み端まで移動する。
そして、メダルを確認する。
どうやら、取り外すというよりも、押しボタンのように
なっているようだった。
パインがそこに描かれた模様を確認した。
その模様は、様々な模様だった。
植物、昆虫、動物、人、幻獣、精霊、魔獣など、
色々なものだった。
パイン:((どうやら、押しボタンになっているみたいだな。
どれを押せばいいんだろうな。))
ジェイル:((とりあえず、一旦戻れ。
そこは、危険すぎる。))
パイン:((あぁ、そうだな、そうするか。))
パインは一旦戻ると、見てきた模様を説明した。
サール:((さて、今までに見聞きしたものが、
きっとヒントになっているはずですよ。))
パイン:((そうだな、
今までのメダルが、鳥、ドラゴンだったな。))
ジェイル:((そうだ、だとすると、幻獣なのか?))
サール:((私もそう思います。
あの最後の壁画に描かれていたのは、
鳥みたいなもの、ドラゴン、そして、幻獣でした。))
アリス:((でも、人も魔獣も描かれていたでしょ。))
サール:((確かに、そうですが、魔獣は敵ですよね。))
アリス:((じゃあ、人は?))
サール:((・・・。))
パイン:((幻獣は、シヴァとイフリートの模様があった。
シヴァの可能性は無いか?
この洞窟はシヴァの召喚場所に繋がっていた。
もし、これもヒントだとすると。))
ジェイル:((確かにその可能性は高いな。))
サール:((ところで、ここでの幻獣召喚はシヴァだと
分かっていたのですか?))
ジェイル:((いや、シヴァだとは判明していなかった。))
サール:((ならば、幻獣シヴァで決まりじゃないでしょうか?))
アリス:((どうして?))
サール:((たぶん、ここがメダルの最後の試練なんですよ。
実際に幻獣を召喚しないと分からないという。))
アリス:((なるほど。))
サール:((しかし、正解かどうかは分かりません。))
パイン:((確かに、サールの言っていることは正しそうだな。
シヴァと考えてやってみるか?))
ジェイル:((誰が押すんだ?))
パイン:((それは、決まっているだろ。))
パインがジェイルを指差したとき、
他の全員がパインを指差していた。
パインは全員の顔を見回すと言った。
パイン:((えっ、これって、やっぱりほしい人じゃないの?))
ジェイル:((やっぱり、言い出した人だろうな。))
サール:((一番運動神経の良い人でしょうね。))
シェリル:((・・・。))
アリス:((そうだね、一番助かりそうな人。))
アリスがニヤニヤしながら、そう言った。
パイン:((くそ、アリスまで、そう言うこというのかよ。
分かりました。
はいはい、私が行けばいいんでしょ。))
そう言いながら、立ち上がり、扉の方へと向かった。
A:「いつにも無く緊張感のある罠ですね。」
C:「えぇ、今まで、罠らしい罠がなかったので、
これは、結構危なそうなやつですね。」
A:「しかし、あれだけの情報で押しに行くんですね。
パインって、結構無謀ですか?」
C:「どうでしょう?
まあ、私だったら、別の方法考えますけど、、、。」
A:「ですよねーーっ。」




