シェリルの記憶3
ジェイルは、暗闇の中を1人で歩いていた。
進んでいる方向に明かりが見える。
彼はそこに向かって歩いていた。
次第に明かりが近づいてくる。
そして、躊躇無くその光の中に飛び込んだ。
そこは遺跡の中のように見えた。
ジェイル:(これは遺跡か?
いや、この景色は見たことがある。)
そう思いながら、ゆっくりと進んで行く。
遺跡の中心に近づくと、そこに人がいた。
男性と女性、小さな子供の3人だった。
男性は、穴を掘っているみたいだった。
ジェイルは声をかけるか悩んだが、
しばらく様子をみることにした。
彼は、しばらくは穴を掘っていたが、それをやめると
四角い箱のようなものを取り出し、その穴へと入れた。
ジェイル:(あの箱は一体なんだろう?
表面に魔法陣のような模様が入っているように
見えたが、、、。)
そして穴を埋めてゆく。
その作業を終えると、すぐ横にある柱に描かれた
魔法陣になにやらやっている。
その後、3人そろって奥へと歩いていった。
そして、消えた。
その時、誰かに呼ばれた。
「ジェイル様。」
自分を呼ぶ声が聞こえる。
シェリル:「ジェイル様。起きてください。ジェイル様。」
ジェイル:「ん?、あっ?、なんだ?。」
シェリル:「ジェイル様、しっかりしてください。」
ジェイル:「あぁ、シェリルか、すまん寝てたようだ。
不思議な夢をみた。」
辺りを見回した。
4人の仲間がそこに居た。
そして、サールの持っていた箱に気がついた。
ジェイル:「!!。
サール、ちょっと、それ見せてくれ。」
立ち上がると箱を奪うように受け取り、しげしげと眺める。
ジェイル:「夢で見た箱だ。」
パイン:「えっ?」
ジェイル:「たった今、夢で見たんだよ。」
夢で見たことを話し始めた。
サールは、ジェイルが寝ていた柱に魔法陣が描かれてるのを
見つけた。
そして、その消えかけた魔法陣を調べ始めた。
ジェイルの話が終わった直後、サールが口を開いた。
サール:「この魔法陣、消えかけて詳細はわからないですが、
どうやら、その夢と関係ありそうです。」
ジェイル:「どういうことだ?」
サール:「記憶の魔法陣の可能性があります。」
パイン:「なんだそれは?」
サール:「人の考えや思い、その行動などを記録しておける
魔法陣です。」
パイン:「へー。そんなことも出来るのか、魔法ってすごいな。」
サール:「えぇ、鍵になるものが必要なんですが、夢とはいえ、
それが再生されたということは、鍵が開かれていると
考えていいと思います。
それが何かは分かりませんが、、、。」
ジェイル:「なるほど、シェリルが鍵って
可能性もあるわけだな。」
サール:「えぇ、そうですね。」
シェリル:「・・・。」
ジェイル:「そうだ、夢では、こっちに行ったんだよな。」
そう言って、3人が向かった方向へと進む。
そして、消えた場所へと到着した。
そこには、多くの瓦礫が散乱していた。
ジェイルは、その瓦礫を注意深く調べる。
瓦礫を少しずらすと、下に穴のようなものを見つけた。
ジェイル:「ここ片付けるぞ。手伝ってくれ。」
パイン:「分かった。」
サール:「了解。」
3人で瓦礫を撤去してゆくと、その下から地下へと続く
穴らしきものが現れた。
ジェイル:「下へ続く階段みたいだな。
よし、通れるようにするぞ。」
パイン:「あぁ、そうだな。」
そして穴の中に落ちている瓦礫を撤去して行く。
パイン:「そろそろ、通れるんじゃないか?」
ジェイル:「いや、全部撤去するんだ。」
パイン:「えっ、全部?」
ジェイル:「あぁ、何が起こるかわからない。
未知の場所に行く場合は、
まず安全な退路を確保することだ。」
サール:「確かにその通りですね。」
パイン:「そうだな。それにしてもよく気がつくな。」
ジェイル:「これは、ベルノからの受け売りだ。」
パイン:「ベルノって誰だ?」
ジェイル:「いや、それは、、、。忘れてくれ、、、。」
パイン:「・・・。」
そして、瓦礫を全て撤去すると、階段の前に集まった。
ジェイル:「よし、これから入るぞ。パイン、先導を頼む。」
パイン:「えっ?、俺?」
ジェイル:「あぁ、戦闘できるのは、お前だけだ。」
パイン:「ジェイルは出来ないのかよ。」
ジェイル:「私か?、私は、まだ主役にはなれない。」
パイン:「ん?、何言ってるんだか、よく分からないが、
まあ、いいだろう。」
そう言って、剣を前に突き出すと、慎重に階段を降りてゆく。
剣の先には、サールが掛けた魔法の光が灯っていた。
階段を下まで降りると、通路が続いていた。
通路を慎重に進む。
そして、最奥に魔法陣の描かれた扉を見つけた。
サールが調べる。
扉には、施錠の魔法陣が描かれていた。
サール:「さて、鍵が何かですね。
シェリルさん、近づいてもらえますかね。」
シェリル:「はい、分かりました。」
シェリルが扉に近づこうとしたとき、
シェリルの足元が一瞬光った。
シェリル:「あっ。」
サール:「えっ?」
サールは、慌てたが、特に何もおきていないようだった。
サール:「シェリルさん、大丈夫ですか?」
シェリル:「はい、大丈夫です。
その箱、貸してもらえますか?」
ジェイル:「あぁ、何か分かったのか?」
ジェイルが持っていた箱を渡す。
シェリル:「開け方が分かりました。」
サール:「なるほど、発動したのは、
記憶の魔法陣みたいですね。」
シェリルが箱を持ち、その面をなぞり始めた。
しばらくそれを見ていると、箱の魔法陣が光った。
そして、箱がばらばらになり、下に落ちた。
地面を照らしてみると、箱を構成していた板が落ちていた。
その中に、指輪を見つけた。
パインがそれを拾い上げる。
パイン:「これが入っていたのか。」
サール:「見せて下さい。」
指輪をサールに渡す。
サールが指輪を調べる。
サール:「特に魔法が掛けられているようには見えないですね。
指輪は、シェリルさんが持っているのが
正しそうですね。」
ジェイル:「あぁ、目覚めたシェリルを
導いていると考えるべきだろうな。」
サール:「えぇ、そうですね。
シェリルさん、持っていてください。」
シェリル:「分かりました。」
指輪をシェリルに渡す。
指輪がシェリルに渡った瞬間、扉の魔法陣が光った。
そして、静かに扉が開いた。
5人:「!!」
パイン:「開いた、、、。」
ジェイル:「あぁ。」
サール:「ですね。」
アリス:「やったーーーっ。」
サール:「シェリルさんと指輪が鍵になっていたんですね。」
パイン:「さて、どうする?」
パインは、扉の先へ進むか躊躇していた。
ジェイルが少し考えると、口を開いた。
ジェイル:「シェリルを導いているのなら、罠は無いだろうし、
それに、進むしかないだろうな。」
パイン:「あぁ、そうだな。」
そして、パインが扉の先を覗きこむ。
そこは、部屋のようだった。
5人は、パインを先頭に部屋の中へと入っていった。
部屋に入ると明かりが灯った。
そのような魔法が掛けられていたのだろう。
明るくなると、そこは、まるで墓のように思えた。
部屋の真ん中に石棺のようなものが置かれている。
蓋は下に降ろされていた。
各自ばらばらに部屋の中を調べていた。
ジェイルが石棺の中を覗き込むと、
1冊の本が入っているのみだった。
その本を手に取り、中を確認する。
しばらくすると、突然大声を上げた。
ジェイル:「なんだと!!」
全員その声に反応し、近づいてくる。
パイン:「いったいどうした?」
ジェイル:「まて、いま、読み上げる。」
ジェイルは、一呼吸おくと、その本を読み始めた。
私があれと話すようになってから何日過ぎたのだろう?
あれは、色々なことを教えてくれた。
この世界の全ての真理、そして未来をも、、、。
あれが言うには、近い将来、魔獣王が復活すると言うのだ。
そして、封印するための1つとして従僕の剣が必要との事だ。
私は喜んだ、ついに従僕の剣の在り処の手がかりを掴んだのだ。
あれは、その在り処を教えるために、2つの条件を提示した。
1つめの条件は、なんとか達成することができるだろうが、
もう1つの条件を実現することが問題だった。
私は悩んだ、そして1つの結論をだした。
そして、2つの条件をのんだ。
その方法は、あれが教えてくれた。
あとは、それを実行するだけだった。
近い将来ここに現れるだろう者達の為に書き残す。
全てを知ったときに、従僕の剣を手にする事ができるだろう。
ジェイル:「書かれていたのは、これだけだ。
あとは、何も書かれていない。」
サール:「これを書いたのはズールなんでしょうかね?」
パイン:「まあ、その可能性は高いだろうけど、
確実にそうだとは、言い切れないな。」
サール:「それに、あれとは、なんでしょうか?
それに、条件というのは、、、。
全てを知ったときというのは、
どういう意味でしょうか?」
全員が黙ってしまった。
しばらくの間沈黙が続いた。
そして、突然パインが言った。
パイン:「あーーーっ、分からん!!」
アリス:「それにしても、なんで、あれとかこれとかなんだろう?
もっと分かりやすい言葉を使ってくれればいいのに。」
サール:「きっと、これを読んでほしい人意外には、
分からないようにしたかったんだろうね。」
ジェイル:「あぁ、そうだな、まったく分からないな。
ただ言える事は、シェリルが関係している
ということは確実だろう。」
サール:「そうですね。
シェリルの記憶が戻れば、
何か分かるのかもしれません。」
全員がシェリルに注目する。
シェリル:「私が、、、。」
シェリルが悩んでいると、
ジェイルがシェリルの肩に手をそっと置いた。
シェリルが顔を上げ、ジェイルを見つめる。
ジェイル:「大丈夫だ、無理して思い出さなくてもいい。
思い出さなかったとしても、私が何とかする。」
それ以上の言葉は不要だった。
シェリル:「ジェイル様。」
ジェイル:「シェリル。」
そして2人は、見つめあったまま動かなかった。
アリスがそれを見て、大声を上げた。
アリス:「キャーーーッ、ラブラブーーーッ!!」
その声に驚き、ジェイルが手を引っ込めた。
そして、2人の顔が真っ赤に染まった。
C:「まさか、このような展開になるとは、、、」
A:「2人はいつの間に、こんな間柄に
なっていたのでしょうか?」
C:「さあ?」
A:「冷たい返事ですね。
この後の展開が別の意味で気になりますが、、、。」
C:「まあ、暖かく見守ってあげて下さい。」
A:「そうですね。」




