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魔獣の壺 - 本編 -  作者: 夢之中
英雄の誓い
30/99

シェリルの記憶3

ジェイルは、暗闇の中を1人で歩いていた。

進んでいる方向に明かりが見える。

彼はそこに向かって歩いていた。

次第に明かりが近づいてくる。

そして、躊躇無くその光の中に飛び込んだ。


そこは遺跡の中のように見えた。

ジェイル:(これは遺跡か?

     いや、この景色は見たことがある。)

そう思いながら、ゆっくりと進んで行く。

遺跡の中心に近づくと、そこに人がいた。

男性と女性、小さな子供の3人だった。


男性は、穴を掘っているみたいだった。

ジェイルは声をかけるか悩んだが、

しばらく様子をみることにした。


彼は、しばらくは穴を掘っていたが、それをやめると

四角い箱のようなものを取り出し、その穴へと入れた。

ジェイル:(あの箱は一体なんだろう?

     表面に魔法陣のような模様が入っているように

     見えたが、、、。)

そして穴を埋めてゆく。

その作業を終えると、すぐ横にある柱に描かれた

魔法陣になにやらやっている。

その後、3人そろって奥へと歩いていった。

そして、消えた。


その時、誰かに呼ばれた。

 「ジェイル様。」

自分を呼ぶ声が聞こえる。


シェリル:「ジェイル様。起きてください。ジェイル様。」

ジェイル:「ん?、あっ?、なんだ?。」

シェリル:「ジェイル様、しっかりしてください。」

ジェイル:「あぁ、シェリルか、すまん寝てたようだ。

     不思議な夢をみた。」

辺りを見回した。

4人の仲間がそこに居た。

そして、サールの持っていた箱に気がついた。

ジェイル:「!!。

     サール、ちょっと、それ見せてくれ。」

立ち上がると箱を奪うように受け取り、しげしげと眺める。


ジェイル:「夢で見た箱だ。」

パイン:「えっ?」

ジェイル:「たった今、夢で見たんだよ。」

夢で見たことを話し始めた。

サールは、ジェイルが寝ていた柱に魔法陣が描かれてるのを

見つけた。

そして、その消えかけた魔法陣を調べ始めた。


ジェイルの話が終わった直後、サールが口を開いた。

サール:「この魔法陣、消えかけて詳細はわからないですが、

    どうやら、その夢と関係ありそうです。」

ジェイル:「どういうことだ?」

サール:「記憶の魔法陣の可能性があります。」

パイン:「なんだそれは?」

サール:「人の考えや思い、その行動などを記録しておける

    魔法陣です。」

パイン:「へー。そんなことも出来るのか、魔法ってすごいな。」

サール:「えぇ、鍵になるものが必要なんですが、夢とはいえ、

    それが再生されたということは、鍵が開かれていると

    考えていいと思います。

    それが何かは分かりませんが、、、。」

ジェイル:「なるほど、シェリルが鍵って

     可能性もあるわけだな。」

サール:「えぇ、そうですね。」

シェリル:「・・・。」

ジェイル:「そうだ、夢では、こっちに行ったんだよな。」

そう言って、3人が向かった方向へと進む。

そして、消えた場所へと到着した。

そこには、多くの瓦礫が散乱していた。

ジェイルは、その瓦礫を注意深く調べる。

瓦礫を少しずらすと、下に穴のようなものを見つけた。

ジェイル:「ここ片付けるぞ。手伝ってくれ。」

パイン:「分かった。」

サール:「了解。」

3人で瓦礫を撤去してゆくと、その下から地下へと続く

穴らしきものが現れた。


ジェイル:「下へ続く階段みたいだな。

     よし、通れるようにするぞ。」

パイン:「あぁ、そうだな。」

そして穴の中に落ちている瓦礫を撤去して行く。


パイン:「そろそろ、通れるんじゃないか?」

ジェイル:「いや、全部撤去するんだ。」

パイン:「えっ、全部?」

ジェイル:「あぁ、何が起こるかわからない。

     未知の場所に行く場合は、

     まず安全な退路を確保することだ。」

サール:「確かにその通りですね。」

パイン:「そうだな。それにしてもよく気がつくな。」

ジェイル:「これは、ベルノからの受け売りだ。」

パイン:「ベルノって誰だ?」

ジェイル:「いや、それは、、、。忘れてくれ、、、。」

パイン:「・・・。」

そして、瓦礫を全て撤去すると、階段の前に集まった。


ジェイル:「よし、これから入るぞ。パイン、先導を頼む。」

パイン:「えっ?、俺?」

ジェイル:「あぁ、戦闘できるのは、お前だけだ。」

パイン:「ジェイルは出来ないのかよ。」

ジェイル:「私か?、私は、まだ主役にはなれない。」

パイン:「ん?、何言ってるんだか、よく分からないが、

    まあ、いいだろう。」

そう言って、剣を前に突き出すと、慎重に階段を降りてゆく。

剣の先には、サールが掛けた魔法の光が灯っていた。


階段を下まで降りると、通路が続いていた。

通路を慎重に進む。

そして、最奥に魔法陣の描かれた扉を見つけた。

サールが調べる。

扉には、施錠の魔法陣が描かれていた。


サール:「さて、鍵が何かですね。

    シェリルさん、近づいてもらえますかね。」

シェリル:「はい、分かりました。」

シェリルが扉に近づこうとしたとき、

シェリルの足元が一瞬光った。

シェリル:「あっ。」

サール:「えっ?」

サールは、慌てたが、特に何もおきていないようだった。

サール:「シェリルさん、大丈夫ですか?」

シェリル:「はい、大丈夫です。

     その箱、貸してもらえますか?」

ジェイル:「あぁ、何か分かったのか?」

ジェイルが持っていた箱を渡す。

シェリル:「開け方が分かりました。」

サール:「なるほど、発動したのは、

    記憶の魔法陣みたいですね。」

シェリルが箱を持ち、その面をなぞり始めた。

しばらくそれを見ていると、箱の魔法陣が光った。

そして、箱がばらばらになり、下に落ちた。

地面を照らしてみると、箱を構成していた板が落ちていた。

その中に、指輪を見つけた。


パインがそれを拾い上げる。

パイン:「これが入っていたのか。」

サール:「見せて下さい。」

指輪をサールに渡す。


サールが指輪を調べる。

サール:「特に魔法が掛けられているようには見えないですね。

    指輪は、シェリルさんが持っているのが

    正しそうですね。」

ジェイル:「あぁ、目覚めたシェリルを

     導いていると考えるべきだろうな。」

サール:「えぇ、そうですね。

    シェリルさん、持っていてください。」

シェリル:「分かりました。」

指輪をシェリルに渡す。

指輪がシェリルに渡った瞬間、扉の魔法陣が光った。

そして、静かに扉が開いた。


5人:「!!」

パイン:「開いた、、、。」

ジェイル:「あぁ。」

サール:「ですね。」

アリス:「やったーーーっ。」

サール:「シェリルさんと指輪が鍵になっていたんですね。」

パイン:「さて、どうする?」

パインは、扉の先へ進むか躊躇していた。


ジェイルが少し考えると、口を開いた。

ジェイル:「シェリルを導いているのなら、罠は無いだろうし、

     それに、進むしかないだろうな。」

パイン:「あぁ、そうだな。」

そして、パインが扉の先を覗きこむ。

そこは、部屋のようだった。

5人は、パインを先頭に部屋の中へと入っていった。

部屋に入ると明かりが灯った。

そのような魔法が掛けられていたのだろう。

明るくなると、そこは、まるで墓のように思えた。

部屋の真ん中に石棺のようなものが置かれている。

蓋は下に降ろされていた。

各自ばらばらに部屋の中を調べていた。

ジェイルが石棺の中を覗き込むと、

1冊の本が入っているのみだった。

その本を手に取り、中を確認する。


しばらくすると、突然大声を上げた。

ジェイル:「なんだと!!」

全員その声に反応し、近づいてくる。

パイン:「いったいどうした?」

ジェイル:「まて、いま、読み上げる。」

ジェイルは、一呼吸おくと、その本を読み始めた。


私があれと話すようになってから何日過ぎたのだろう?

あれは、色々なことを教えてくれた。

この世界の全ての真理、そして未来をも、、、。

あれが言うには、近い将来、魔獣王が復活すると言うのだ。

そして、封印するための1つとして従僕の剣が必要との事だ。

私は喜んだ、ついに従僕の剣の在り処の手がかりを掴んだのだ。

あれは、その在り処を教えるために、2つの条件を提示した。

1つめの条件は、なんとか達成することができるだろうが、

もう1つの条件を実現することが問題だった。

私は悩んだ、そして1つの結論をだした。

そして、2つの条件をのんだ。

その方法は、あれが教えてくれた。

あとは、それを実行するだけだった。

近い将来ここに現れるだろう者達の為に書き残す。

全てを知ったときに、従僕の剣を手にする事ができるだろう。


ジェイル:「書かれていたのは、これだけだ。

     あとは、何も書かれていない。」

サール:「これを書いたのはズールなんでしょうかね?」

パイン:「まあ、その可能性は高いだろうけど、

    確実にそうだとは、言い切れないな。」

サール:「それに、あれとは、なんでしょうか?

    それに、条件というのは、、、。

    全てを知ったときというのは、

    どういう意味でしょうか?」

全員が黙ってしまった。

しばらくの間沈黙が続いた。

そして、突然パインが言った。

パイン:「あーーーっ、分からん!!」

アリス:「それにしても、なんで、あれとかこれとかなんだろう?

    もっと分かりやすい言葉を使ってくれればいいのに。」

サール:「きっと、これを読んでほしい人意外には、

    分からないようにしたかったんだろうね。」

ジェイル:「あぁ、そうだな、まったく分からないな。

     ただ言える事は、シェリルが関係している

     ということは確実だろう。」

サール:「そうですね。

    シェリルの記憶が戻れば、

    何か分かるのかもしれません。」

全員がシェリルに注目する。

シェリル:「私が、、、。」

シェリルが悩んでいると、

ジェイルがシェリルの肩に手をそっと置いた。

シェリルが顔を上げ、ジェイルを見つめる。

ジェイル:「大丈夫だ、無理して思い出さなくてもいい。

     思い出さなかったとしても、私が何とかする。」

それ以上の言葉は不要だった。

シェリル:「ジェイル様。」

ジェイル:「シェリル。」

そして2人は、見つめあったまま動かなかった。


アリスがそれを見て、大声を上げた。

アリス:「キャーーーッ、ラブラブーーーッ!!」

その声に驚き、ジェイルが手を引っ込めた。

そして、2人の顔が真っ赤に染まった。

C:「まさか、このような展開になるとは、、、」

A:「2人はいつの間に、こんな間柄に

  なっていたのでしょうか?」

C:「さあ?」

A:「冷たい返事ですね。

  この後の展開が別の意味で気になりますが、、、。」

C:「まあ、暖かく見守ってあげて下さい。」

A:「そうですね。」


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