シェリルの記憶2
ジェイルの屋敷へ到着すると、シロを呼び出し
屋敷の中へと入っていった。
そこにシェリルがいた。
アリス:「あっ、シェリルさん。」
シェリル:「?」
シェリルは不思議そうな顔で見ていた。
パイン:「あっ、そうか、
あの時はまだ目覚めてなかったですね。」
シェリルは少しびっくりした顔で答えた。
シェリル:「もしかして、私を助けてくださった方々ですか?」
ジェイル:「そう、彼等が貴方を救い出したのです。」
シェリル:「そうでしたか、ありがとうございます。」
3人+1匹は、テレながら答えた。
パイン:「いえいえ、どういたしまして。」
アリス:「とーぜんのことですよ。」
そう言って、アリスはピースサインを出す。
サール:「問題ありませんよ。」
シロ:「とーぜんにゃ。」
シェリル:「しゃ、しゃべった!!」
シェリルの顔がみるみる血の気が引いてゆくのが分かった。
そして、身体を硬直させたまま、後ろに倒れた。
4人:「!!」
パインがとっさに手を伸ばし、彼女を抱きかかえる。
そして、玄関ロビーの端にあるソファーの上に横たえた。
ジェイルがポールに指示し、すぐに屋敷の常駐医師を呼んだ。
医師の説明によると、ショック性意識消失と説明を受けた。
4人は、シェリルの周りに集まった。
パイン:「一体どうしたんだろう?」
ジェイル:「いや、こんなこと初めてだよ。」
アリス:「シロちゃんがしゃべったからびっくりしたのかな?」
ジェイル:「ああ、そうだな。
しばらく目を覚まさないだろう。
そうだ、サール、魔法語よめたよな。
すまないが、ちょっと来てくれないか。」
サール:「分かりました。」
ジェイル:「パインとアリスは、シェリルを頼んだ。」
パイン:「わかった。」
アリス:「はーい。」
そして、2人は玄関ロビーを後にした。
残った2人は、シェリルを見ていた。
しばらくすると、シェリルが目をさました。
パイン:「大丈夫ですか?」
シェリル:「えぇ、どうしたのかしら。」
そして、ソファーに座りなおす。
アリスがシロのことを説明した。
シェリル:「この子、シロちゃんっていうのね。
おいで。」
シロがシェリルに近寄る。
シロ:「ごめんにゃん。」
そう言って、シェリルの膝の上に乗っかる。
シェリルはシロの頭をなでながら、思い出そうとしていた。
シェリル:「あぁ、そうだった。
あれがしゃべったから驚いたのよ。
あの、ゴリラがしゃべったから、、、。」
2人:「!!」
2人が顔を見合わせ驚いた顔をした。
パインの身体がぷるぷると震えだし、次の瞬間、大爆笑した。
パイン:「ブァッハッハッハッハッ。」
アリスは、それを唖然と見ているシェリルに近寄ると
なにやらゴニョゴニョと耳打ちしていた。
パインの笑いも治まり、落ち着いたところで、
改めて自己紹介を行った。
その時、サールとジェイルが戻ってきた。
ジェイル:「おっ、目が覚めたか。
大丈夫か?」
シェリル:「はい、もう大丈夫です。」
サール:「それは良かった。」
シェリルがサールを見てそして近づいた。
シェリル:「気を落とさないでくださいね。
必ずその日は訪れます。
それまで、がんばってください。」
サール:「???」
サールは、なにを言われてるのか良く分からなかったが、
反射的に答えた。
サール:「はい、分かりました。」
アリスはそれをニヤニヤしながら見ていた。
その後、5人は改めてパーティーを組みなおすと、
ズールの屋敷へと飛んだ。
ズールの屋敷は、改装工事中だった。
パイン:「なにやってるんだ?」
ジェイル:「色々なところが痛んでいたので、
修繕しているんだよ。
日によって壁が動くから、テーマパークとして
使えないかと思ってね。
恐怖の館ってところだ。」
パイン:「おまえ、そんなことまで考えてるのかよ。」
ジェイル:「結社のメンバーを養うにはお金がいるんだよ。
色々とあるぞ、雑貨屋だろ、飲食店だろ、
まあ、一番の稼ぎ頭は、プリティーベアーズだ。」
サール:「なんですとーーーーーっ!!。
ジェイルさんは、プリティーベアーズの創業者
なんですか?」
ジェイル:「そうだけど。」
サール:「なっ、なかよくしましょう。」
そう言って、ジェイルの手を取ると尊敬のまなざしで見つめた。
そのキラキラと輝く瞳は、まるで恋する乙女の目のようだった。
5人が屋敷の中へ入ると、中の装飾もかなり変わっていた。
前回来た時より、さらにおどろおどろしさが増していたのだ。
しかし、照明がついているため、怖さは半減していた。
パイン:「これ、照明暗くしたら、やばくないか?」
アリス:「じゃあ、まだまだかな。
パイン怖がりだし、、、。」
ジェイル:「なるほど、パイン測定器か、、、。
ぜひ利用させてもらいたい。」
パイン:「えっ、そっ、それは、、、。」
そんな会話をしながら、例の部屋へと向かった。
5人は複数ある転移の魔法陣の1つの上に立つ。
着いた場所は、洞窟の中だった。
魔法陣の周りには、様々な道具が並んでいた。
探索用の道具類らしかった。
少し進むと、そこは広場のような空間があった。
上を見ると、空が見えるため、穴の底と思われた。
広場の中心を見ると、
白い石で作られたと思われる崩れた建造物があった。
見る限りかなり大きく、ジェイルの屋敷に匹敵するほどの
大きさがあったのではないだろうか。
柱は崩れ、かろうじて残っている柱もかなり傷んでいる
ようだった。
サール:「これが古代文明の遺跡?」
ジェイル:「たぶんそうだろうな。
研究員の予算が都合できなくて、
まだ、ほとんど手付かずだ。」
パインが少しあきれた顔で言った。
パイン:「それで、無料の俺達のところにきたのか、、、。」
ジェイル:「そう言うな、アリスに譲ったみたいに、
めぼしいものを見つけたら、お前達にもやるから。」
パインの顔に笑顔が戻る。
パイン:「おっ、それは助かる。」
アリス:「私もほしーーーい。」
サール:「私もなにかほしいですね。」
3人はお宝の件で盛り上がっていた。
シェリルは一人でたたずんでいた。
ジェイルがそれに気がつきシェリルに近づく。
シェリル:「この景色、見覚えがある。」
ジェイル:「えっ?」
シェリル:「そう、お父様と一緒にここに来た記憶が、、、。」
シェリルの顔が突然歪んだ。
シェリル:「あっ、頭が痛い、、、。」
そして、頭を抱えしゃがみこむ。
ジェイル:「シェリル、大丈夫か?
無理するな。
無理して思い出すことはない。」
シェリルが突然叫んだ。
シェリル:「あっ。」
その声で、アリスがその方向を見る。
そして急に立ち上がる。
「ゴッン!!」
シェリルが頭を抱えてしゃがみこむ。
そして、星が舞うなかそれを見た。
その特徴的な柱を、、、。
そこに向かってジェイルがふらふらと歩いてゆくのが、、、。
アリス:「ヘッドバッド!!、、、バッド、、、ド、、、」
アリスの声が辺りにこだました。
パインとサールは、その言葉の意味することが判らなかった。
3人は、シェリルを見た。
そして、しゃがみこんで頭を抑えるシェリルの元へ、
ジェイルを除く全員が集まってきた。
パイン:「シェリル、大丈夫か?」
シェリルが頭を摩りながら答えた。
シェリル:「実は、子供の頃に、ここに来ました。
そして、あの特徴的な柱の根元になにか埋めたのを
思い出したんです。
本当に来ていたら、きっと埋まっているはず。」
そう言って、1本の柱を指差した。
その柱は、他の柱と違って、模様が彫られていた。
太さも他の柱よりも太かった。
4人がそれを見ると、その柱の根元にジェイルが座っていた。
パイン:「さすが、ジェイル、事前に分かっていたみたいだな。」
アリス:「すごーい。」
柱に近づく。
アリスがジェイルをつんつんと突く。
アリス:「ジェイル、寝てるみたい。」
パイン:「疲れてるんだろうな。
俺達だけで、掘るか。
さて、なにか道具になるようなもの無いかな。」
パインが辺りを見回す。
サール:「たしか、魔法陣の近くにスコップがありましたね。
ちょっといって取ってきます。」
サールが魔法陣の方へと離れていった。
サールが離れるのを確認すると、シェリルが言った。
シェリル:「それにしても、すごい魔法ですね。」
パイン:「えっ?、なにが?」
シェリル:「サールさんですよ。
魔法でゴリラに変えられているなんて、、、。」
パインはビックリしてアリスを見る。
パイン:「ア・リ・ス。」
アリスは、右手を軽く握り、頭の上に置くと、
「テヘッ。」
と言い、舌を出した。
その後、信じて疑わないシェリルに事情を説明するのに
時間を要した。
誤解も解けた頃にサールがスコップを持って戻ってきた。
3人がサールを見る。
サールは、自分を見る視線がいつもと違うことを感じ取り、
おもむろに聞いた。
サール:「どうしました?」
パイン:「いや、なんでもない。
なっ、なんでもないよな?」
パインが3人に同意を求めるように確認する。
アリス:「なんでもないですよーーーっ。」
シェリル:「えぇ、なんでもないです。」
戸惑う3人を見て、サールは少し気になったが、
考えるのをやめた。
サール:「さあ、掘ってみますか。」
そう言って、持ってきたスコップの1つをパインに渡した。
パインとサールが、掘ってゆくと、なにか硬いものに当たった。
そして、慎重にそれを取り上げた。
それは、10cmぐらいの小さな立方体だった。
周りについた土を払うと、その全貌がはっきりとした。
全ての面には魔法陣が彫られており、中になにか入っているのか
カラカラと音がする。
パイン:「なにかの箱みたいだな。
なかに何かはいってるみたいだ。」
サール:「えぇ、そうですね。」
アリス:「一体なにが入ってるんだろう?」
その箱には、継ぎ目が無く、開けることは出来なさそうだった。
サール:「ちょっと見せて下さい。
魔法陣からなにか分かるかもしれません。」
サールはそれを受け取ると、じっくりと観察する。
そして、言った。
サール:「どうやら、施錠の魔法陣みたいですね。」
施錠の魔法陣、それは、扉や箱に鍵をかける魔法陣で、
特定の物、言葉や動作などを鍵として設定することによって、
開かないようにできる魔法陣だ。
この箱の中には、何が入っているのだろうか?
ジェイル以外の全員がそれを考えていた。
A:「シェリルって、純粋なんですね。
アリスの嘘を信じちゃうなんて、、、。」
C:「アリスのいたずら多すぎですな。」
A:「えっ?、そうですか?
きっと一人っ子だから、
かまってほしいチャンなんですよ。」
C:「なるほど、そういうことにしておきましょう。」
A:「それはそうと、箱があったということは、
シェリルは、子供の頃にここに来たのは正しそうですね。」
C:「えぇ、来たんでしょうね、きっと、、、。」
A:「それに、あの箱なんでしょうね?」
C:「ですね、それに、どうやって開けるのか?」
A:「謎が増えてゆくということですね。」
C:「そのあたりは、おいおいと、、、。」




