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魔獣の壺 - 本編 -  作者: 夢之中
英雄の誓い
31/99

メダル

2人が顔を赤くして、モジモジしているとき、

アリスとサールは、2人を見ていた。

しかし、パインだけは違うところを見ていた。


パインが見ていたのは、ジェイルの手から滑り落ちた本だった。

その本が落ちたときの音がおかしかったのだ。

まるで、金属と石がぶつかるような音だった。

2人に近づくと、本を拾い上げ、しげしげと眺めた。

すぐに表紙の厚紙よりも裏表紙の厚紙の方が

厚いことに気がついた

裏表紙を丹念に調べてゆく。

そして、裏表紙の中に丸い何かが入っていると確信した。


パイン:「裏表紙に何か入っているぞ!!」

ジェイル:「なんだって!!」


その声に最初に反応したのはジェイルだった。

きっと、気まずい雰囲気を壊したかったのだろう。

パインの持っている本を見ると一緒に調べ始めた。


パイン:「どうやら、壊さないと取り出せないようだな。」

ジェイルの動きは素早かった。

悩む前に行動していた。

パインから本を奪うように受け取ると、携帯していた小さな

ナイフを取り出し、裏表紙を切り裂いた。

そして、その中から何かを取り出す。

それはメダルのようなものだった。

そこには羽を広げた獰猛そうな鳥が描かれていた。


パイン:「鷲か鷹なのかな?」

ジェイル:「そうだな、大鷲のメダルとでもしておくか。」


ジェイルは裏返すと、その文字を見た。

それは、魔法文字のように見えた。

ジェイル:「サール、ちょっと見てくれ。

     これって、魔法文字じゃないか?」

サールがそれを見る。

サール:「魔法文字のように見えますが、

    この字は、初めて見ますね。」

ジェイル:「アリス、シロに聞いてくれ。

     魔法文字か知りたい。」

アリス:「ちょっとまってね。

    あれ?

    どこへ行ったのかな?」

アリスが辺りを見回すがシロがいない。

パイン:「とりあえず、上へ移動しないか?」

ジェイル:「そうだな、そうするか。」

全員そろって、上へと向かった。


そこで見たのは、シロが飛んでいる蝶を捕まえようと

必死に前足を振り回しているところだった。


アリス:「シロちゃんって、やっぱりネコなのかな?」

パイン:「幻獣というより、ネコだな。」


アリス:((シロちゃーーん。))

シロ:((なんにゃ。いま、いそがしいにゃ。))

アリス:((ちょっと見てもらいたいんだけどなー。))

シロ:((しょうがないにゃ、いまいくにゃ。))

そして、蝶を追うのをやめ、アリスの元へとやってきた。


アリス:「これなんだけど。」

アリスがメダルをシロに見せる。

シロ:「んぎゃ!!」

シロがアリスの後ろへと回り込んで逃げる。

そして、アリスの足に掴まりブルブルと震えている。


アリス:「どうしたの?」

シロ:「鷲にゃ、鷲は天敵にゃ。」

アリス:「へー、そーなんだ。」

アリスの目がキラッと光ったのに気づくものはいなかった。


パイン:「おいおい、ただの絵だろ、こんなものも怖いのかよ。」

シロ:「怖いものは怖いにゃ。」

パイン:「それより、見せる面がちがうぞ。

    見てほしいのは、魔法文字だ。」

アリス:「あっ、そうだった。

    こっちを見て。」

そう言って、その面を見せる。


シロ:「これは、魔法文字にゃ。」

サール:「やはり、そうでしたか。

    もしかしたら、我々の知っている魔法陣は、

    基本的なことだけなのかもしれないですね。」

ジェイル:「どういう意味だ?」

サール:「我々が思っているより、奥が深いということですよ。」

ジェイル:「なるほどな。

     このメダルが次の場所の手がかりなのかもしれないし、

     そろそろ昼だし、一旦もどるか。」

パイン:「あぁ、そうだな。お腹も空いたな。」

サール:「そうですね。」

アリス:「お腹空いたーーーっ。」

そして、5人+1匹は、ジェイルの屋敷へと戻った。


ジェイルの屋敷で、5人は昼食をとっていた。

パインは、食事が喉を通らなかった。

何かを考えながら、黙々と食事を続けるアリスを眺めていた。

アリスがそれに気づくと、パインに聞いた。

アリス:「パイン、なにみてるのよ。」

パイン:「いや、アリスって、どんなものでも

    美味しそうに食べるなと思ってな、、、。」

アリス:「当然でしょ。

    人は生きるために、他の命を食べてるんだよ。

    それが、動物であれ植物であれ、命を食べてるの。

    そうしないと、生きられないんだよ。

    だから、美味しく食べてあげないといけないんだよ。」

パイン:「なるほどな。

    そんなこと考えたことも無かった。

    それは、誰かに教えてもらったのか?」

アリス:「んー。どうだったかな。

    そう、小さいときに誰かに教えてもらったんだけど、

    そういえば、誰に教えてもらったか覚えてないな。」

パイン:「そうか。」

アリス:「食べて無いみたいだけど、

    残すなんていうのは、もってのほかだからね。

    その命を粗末にする行為だからね。」

パイン:「あぁ、そうだな。」

そう言って、パインも無理やり食事を口へと運んだ。

何故かアリスの言っていた誰かが気になっていた。


食事も終わりに近づいたとき、

ジェイルが少し興奮気味に話し始めた。

ジェイル:「私は、あの本に書かれていた内容から、

     従僕の剣が実在すると確信した。

     全てを知ったときに手にする事が出来ると

     書かれていた。

     そして、あのメダルだ。

     たぶん、あのメダルは魔法陣の一部だと思う。

     きっと、あのメダルは複数あるのだろう。

     そして、全てのメダルを集めたとき、

     従僕の剣への道が開けるのだと思う。

     そこで、ズールと同じように古代遺跡を回れば

     何か分かるかもしれない。

     まず、遺跡を回ってみようとおもうんだが、

     どう思う?」

サール:「そうですね。

    何にせよ、今は情報が無さ過ぎる。

    他の遺跡も回って情報を集めるしか手がないですね。」

パイン:「そうだな、とりあえず回ってみるか。」

アリス:「もぐもぐ、もぐもぐ。」

アリスは右手を上げて同意の意思を示した。


その後、食事を終えると、ズールの屋敷へと移動し、

次の転送の魔法陣を使った。


周りが見えるようになると、そこは森の中だった。

目の前の開けたところに、遺跡と思われる建物があった。

それは、石を積み上げて作られた三角錐に見えた。

大きさはそれほど巨大というわけではなかったが、

それでも、幅は小さい家2軒分ぐらいの大きさがあった。

1つの面に入り口と思える穴が開いていた。

入り口の両脇には、小さなドラゴンかと思われる石像があった。


5人は、その石像を眺めていた。

パイン:「これがドラゴンなのか?」

ジェイル:「壁画で見たものと同じだし、そうだろう。」

サール:「こんな生物、見たことありませんよ。」

アリス:「ドラゴン、かっこいーーーーっ!!」

シェリル:「・・・。」


しばらくそれを眺めたあと、

パインは意を決してその口へと入っていった。

入り口は、入ってすぐ、階段になっていた。

そして、その階段をゆっくりと降りてゆく。

階段の終わりまで来ると、そこからは直線の通路だった。


片側の壁には、壁画が描かれていた。

最初の壁画は、光の玉のようなものだった。

次の壁画は、2人の人かなにかだろうか?

2人とも羽のようなものが描かれていたが、

左の1人は白く、右の1人は黒く描かれていた。

そして、2人とも輪の中に入っていた。

次の壁画は、3人だった。

2人壁画の真ん中より下側に炎のようなものを纏っている者が

追加されていた。

しかし、輪のようなものには入っていなかった。

次の壁画は、5人だった。

3人壁画の下側、白い人と黒い人の真下で炎を纏った人を境に

対称的な位置に2人追加されていた。

左端の者は、人に見えなくも無かったが何かが違う。

右端の者は、2本足で立っていたが犬のような顔だった。

次の壁画は、6人だった。

左右真ん中の一番したに人が追加されていた。


サール:「これって、シェリルさんが言っていた

    神話じゃないですかね?」

ジェイル:「あぁ、今私もそう思ってたところだ。

     最初の光の玉みたいなのが、創造主。

     白い人が創造神、黒い人が破壊神。

     炎を纏ったものが幻獣。

     人のようなものが精霊。

     犬の顔の人が魔獣。

     そして、一番したにあったのが人間。

     こんなところだろうな。

     まだあるみたいだから、とりあえず、

     先まで見てみよう。」


そして、続きを見た。

次の壁画は、4人だった。

人間、精霊、幻獣が大きな魔獣と争っているようにみえた。

そして、幻獣の手とおもわれるところから伸びる線が

魔獣を包み込む丸い輪に繋がっていた。

次の壁画は、4人だった。

人間、精霊、幻獣だったが、幻獣が輪に入っている。

幻獣の輪の外側に、ドラゴンのようなものが書かれていた。

次の壁画は、2人だった。

人間が精霊を攻撃しているように見えた。

そして、精霊が輪の中に入っている。

最後の壁画は、大掛かりなものだった。

一番左端には、魔法陣を描いている人、

上に岩のようなものが描かれている。

洞窟内かもしれないし、落石かもしれない。

その右側に複数の人が描かれていた。

さらにその右には、複数の幻獣とドラゴンが大きな魔獣と

戦っていた。

大きな魔獣の上には、鳥に見える何かが飛んでいる。

鳥には、放射状の線が描かれていた。

光っているのを表現しているのだろうか?


パイン:「どうやら、これが最後みたいだな。」

サール:「えぇ、そうですね。」

ジェイル:「やはり、シェリルの記憶はこれみたいだな。

     ズールがこの壁画を見て想像した神話じゃないか?

     それをシェリルが聞いたってところだろうな。

     ただ、判らないのは、魔獣の上に描かれている

     鳥みたいなやつだな。

     それに関する情報がどこにも無い。」

パイン:「そうだな、確かにその可能性はありそうだな。

    それより、通路はまだ続いてるみたいだ。

    この先はどうなってるんだろうな?」

アリス:「行き止まりだったよ。」

パイン:「えっ?」

アリス:「いま、見てきた。

    壁に魔法陣が描かれてた。」

サール:「魔法陣ですか。

    早速行って見ましょう。」

5人が通路を進むと、すぐに突き当たりだった。

壁には、魔法陣が描かれており、

その魔法陣に3つの丸い窪みがあった。


パイン:「なるほど、

    あのメダルは、ここにはめ込むんだろうな。」

ジェイル:「そうみたいだな。

     どうやら、あと2つあるみたいだ。」

パイン:「あぁ、あと2つ集めれば、謎が解けそうだな。」


4人は新たなる謎に心躍らせていた。

シェリルだけが、それを黙ってみていた。

A:「大鷲のメダルって、、、。」

C:「それって、どこかで聞いたことあるな。

  たしか、なんとかハザードじゃなかったか?」

A:「そうそう、それそれ。

  ということは、狼のメダルもでてくるのかな?」

C:「どうだろうね。」


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