「十七撃目。」ボレトーニャ
ゆたか「前回のあらすじ。領主の子供達と一緒に行動した洋兵。そのままボレトーニャに入ると思えたが思わぬ妨害。なんと街に入れなかった!。しかしなんやかんやで壁に穴を開け中に潜入することにした。以上。」
幸運な事にドアを開けた先に人は居なかったようで夜の静けさが続いている、
街は王都と同じくらい立派でとても大きく感じられた、
「さて、行こうか、っとその前に、」
酒場に行こう、
『なんで酒場。』
『久しぶりに美味い飯が食いたい』
『そうこうしてるうちに今でも年若い女の子達が悪徳領主の慰め物になってるかも知れないよ?。』
…しゃーない、寄り道は後だ、
『単純というか。素直じゃないというか。あ。バカか。』
…早いとこ終わらそ、
領主が住んでいるであろう屋敷に着く、屋敷はかなり大きく城との境界線がよくわからん位だ、
…実はこれ、城か?
門には見張りの兵がいるみたいだが能力の前では等しく無意味だ
塀に穴を開け、侵入しようとする、
『ちょっとまって。』
「ん?」
唐突な呼び掛けに思わず声が出る、まずいまずい、
『なんだ?』
『これ多分向こう側に見張りとかいたら一発アウトじゃね?。』
「…」
失念していた、仕方が無い、正門から兵士をどうにかしよう、
さて、正門に着いたわけだが、
『なんかすげー厳重だよね。』
「…」
まあ兎にも角にも、人が多い、兵士が常に門の周辺に居る、しかも10人は絶対に門の警備に当たって居るので先程考えた門の前の兵士を何とかする方法も思い浮かばない、
「…いったん戻ろう」
『…そうだね。ゆっくり調べてから行こうか。』
街の方へ戻ることにした、
さて、現在宿を探して居るわけだが、
『常識的に考えて。普通人の出入りを禁止している街の宿が機能しているとは思わないよね。』
どこの家も灯りは灯っていない、本来夜間にも営業をする宿や酒場は薪などの燃料を使って火を灯し続けておくのだという、豊から聞いた、
ついでに夜間の間消しておく家は朝になると生活魔法と呼ばれる誰でも簡単に扱える魔法で小さな火を作り、それを火種にするらしい
まあ、それにしても街は真っ暗である
暫く歩いていると遠くに人影が見えた、
その人影は一つの家屋の扉を開け中に消える、その家屋は酒場と宿が一体化した建物のようだ、
「もしかしたら宿屋か酒場のひとかもしれん」
とりあえずその家屋の扉の前にやって来た、
ノックしてみるか、
「…誰だ?」
「客だ」
「…今は店を閉めている」
扉の向こうの男はそう言ったが、
『奥から声がするね。しかも聞き覚えのある声。エレナノーアとかいった女の子の声がするよ。』
は?、なんでお嬢様がこんな宿に?
『何か大きな声で話しているみたいだね。地下から聞こえてくるよ。』
確かに耳を澄ますと何やら話声が聞こえる、
『よく聞こえたな』
『数百年水晶の中だったんだ。暇すぎてね。音に敏感にもなるよ。』
ここは一つ、吹っかけてみるか
「ここからエレナノーアお嬢様の声が聞こえるのだが?どういうことか説明してもらおうか」
「…!」
扉の向こうが少し騒がしくなる、さてはて、何をしているのか興味がある
直後、ギィィという音と共に扉が開いた瞬間、棒のようなものが振り下ろされる!
だが無駄だ。
手の外側で棒を受けながす、上手いことすればほとんどのダメージを負うことなく相手の攻撃をかわせる、
まあ俺はそんな達人級のレベルでは無いので軽く腕が痺れるが、
そのまま受け流した棒に腕を絡め、相手の親指を切るように棒を取り上げる、
するとスルッと相手の手から棒が抜ける、
「!!」
相手は凶器を奪われ少し怯んだが直ぐに拳で殴りかかって来る、
その拳を掌で払い受けると同時に拳の腕を掴み、スムーズにひねり上げ関節を決める、
「いでででで!」
「この中で何をしている?」
「死んでも言ってたまるか!」
まいったな、唯の興味心だったのに完全に敵対してしまった、
『顔怖いもんね。』
…あながち否定できん
仕方ない、こうなればヤケだ
男を固めながら家に入る、音は扉を開けて直ぐの地下室から聞こえる、
そのまま中に下りていくとまた扉がある、覗き窓からは光が漏れていた、
入るか、
男は必死にもがいているが185cmの体に関節を決められると外れることはまずない、
ガチャ、と音がなり扉を開けるとーーー
エレナノーアが驚きの表情でこちらを見つめ、その周りには部屋いっぱいの人々が訝しげにこちらを見ていた、
どうやら地下は酒場のようでカウンターに丸テーブルと椅子がありエレナノーアはどうやら小さなステージの上にいた
椅子には人々が所狭しと座り、今しがたまでステージの上にいるエレナノーアの話を聞いていたようだ、
近くの男が俺と固められている男を見て声を上げる
「てめぇ何もんだぁ!」
のっしのっしと俺よかちょいデカイくらいの大男が近づいてくる、
「やめてください!」
エレナノーアの一声で男は狼狽えたように振り返る、
「しかしエレナ嬢…」
「彼は私の友人です、ヨウヘイ、事情を説明してください、」
おおう、なんか昼間合った時と比べえらくしっかりしているな、
もうすでに抵抗をやめた男の手を離してエレナに事情を話す
「なるほど…」
エレナは顎に手を当て考えている、
「ところで、あんたはなんでこんな時間に酒場に?」
「…」
エレナはしばらく無言を続けた後、何か決心したように話す、
「実はヨウヘイさん、私…いえ、私達は一揆を、反乱を計画しています」
…おう
『渡りに馬車。からここまで運んでくれるとはね。』
『ああ、渡りに馬車がいつの間にか棚から牡丹餅になっていたようだ』
『まあこのビックウェーブ。乗るしかないね。』
『ああ、乗らざるを得ない』
脳内会議を終えエレナに向かう
「そうか、実は俺もなんだ」
「…え?」
「俺も、そのためにここに来たんだ」
「おお!」
エレナは嬉しそうに微笑む
「ああ、よかった、ここで反対でもされようものなら反乱が終わるまで監禁しなくてはなりませんでした」
よく見ると周りには鍬や斧で武装した人が囲んでた、
………物騒な、
『なんかどんどん最初のイメージが崩れていくね。』
「んで?具体的にはどうすんの?」
「まずお兄様が毒殺を仕掛けます、それが失敗した場合、我々が襲撃したいと思っています」
てことは最終放っておいても終わるかもしれんって事か、
それだと楽でいいな、
「お兄様は明日の昼、父と対談するそうです、その時に」
「ところでお前こんな時間にこんな所に居て大丈夫なのか?」
「ええ、執事のドナートや他の屋敷の方々も数名協力して頂いておりますので」
なるほど、だが、
「だがいきなり反乱とは言うがその後の事は考えているのか?」
もし王都から鎮圧軍などが派遣されようものなら首謀者の2人は生きてはいられないだろう、それに新しく領主が来た所でこの国の貴族だ、ろくでもない奴が来るのは目に見えている、
「ええ、それも、そのためにわざわざ王都まで赴いていたのですから、パイプ作りは十全ですわ」
なるほど、しっかりしているというわけか、
「なので明日の昼、作戦が失敗した場合、屋敷から合図を送ります、その時はよろしくお願いします、」
そこでふと気づく、兄のクストアが毒殺の実行犯をするみたいだが、彼女等はあくまで失敗した時のことを考えて行動している、
失敗すれば、クストアの命が危ういのに気づいているのか?
いや、そもそも成功したところでクストアの命の保証があるわけではない、
「なあ、その作戦だがクストアは…」
「…」
エレナの瞳は揺るがぬ決心があることに気づく、
あれは覚悟している人間だ、大切なものを失ってでも、何かを得るために行動することが出来る、
「…それが運命だというのなら、それを受け入れ、乗り越えて見せましょう」
「…」
「宿についてはここの2階を使ってください」
「…すまんな」
その言葉を最後に、エレナは宿を出て行く、それに続いて中の人達もそろそろと出て行く、
残ったのは俺と、この宿兼酒場のオーナーだけになった、
「…部屋の鍵だ、料金はエレナ嬢が後で払ってくれるらしい、感謝しとけ、」
「ああ」
ちょい短め、これ前も言った希ガス
後書きは軽く次回予告でもしますかね。




