情報漏洩事件がニュースとしての価値を失う日
タイムズカーが660万人の顧客情報を漏洩させたというニュース。システムへの不正アクセスによるものということらしいが、筆者からすれば、もう「どうでもいい」話だ。
多くの国民は、自国の政治にも無頓着なので、先の国会で可決された「個人情報保護法の改正」という名の破壊新案のことを未だに知らないことだろう。これは「匿名化」されていれば、国民の情報を売買してもいいとされてきた従来の保護法から、さらに一歩踏み込んでいる。「匿名化もされていない個人の情報」=氏名、年齢、住所、電話番号、職業、通院歴、犯罪歴、その他を「生のデータのまま」AI開発やデータ統計を行う企業になら販売してもいいという改悪案であった。そして、それがあっさりと「可決」した。
通院歴もそうだが、犯罪歴まで販売可能となっているのは、いったいどこの企業が、そのデータをAI企業(米国)に売るのかと思いきや、警察庁や行政機関、政府が提供するという話だから唖然とする(そりゃ、そんなデータを持っているのはそこだけだわな)。
官房長官は、生のデータのまま提供するが「受け取った企業は速やかにそれらのデータを匿名化すると考えているため問題はないと考えている」と意味の分からない答弁をしていた。そして、この何もかもメチャクチャな改正法が可決されたのだから、もう何を言っても無駄である(この改悪法の施行は公布から「2年以内」とされており、すでに公布済み)。
そこに来て、このタイムズカーの漏洩である。
うん、どうでもいいよね。こんなニュース。
もう国民の個人情報の保護は、政府によって破壊され、米国企業のAIデータセンターで一括管理されるようになるのだから、保護の意味を持たない。政府もそれらを利用し、AIを使った「国民監視」をするための日本版NSC「国家安全保障会議」も創設。高市首相は、法改正の直前に「ICEの移民狩りに使われたAI」の運営会社であるパランティアのCEOピーター・ティールとも綿密に運用の打ち合わせ。個人のプライバシーは消滅へとすでに向かっている。
だからもう情報流出に関しては、報道する必要もないと個人的には考えている。未だにこれらを報道しているのは、政府がいう「企業が勝手に匿名化してくれる」という方便を弁護するための虚構でしかないのだから、茶番はもうやめるべきだろう。
これほどの滅茶苦茶な法案を通しても、そこそこの支持率がある現政権。「国民がアホなので」というだけでは済まされないカオスな状況ともいえる。




