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ひとは見た目ほど大人ではない。

歳をとる。

体力や心よりも先に、見た目から衰える。

戻らないシワが出来たり、白髪が生えてきたり、筋肉の疲労がなかなか抜けなかったり。


しかし、魂はなかなか衰えない。

おそらく最も老化の進行が遅い。


これはおそらく成長と退化の速度が、肉体とズレているから起こる現象なのではないか。「成長のための心の資源」が使い切られる前に、肉体の退化が始まり、心もそれに引きずられ、退化を迫られる。


じじいになっても、こどものようなメンタルのままの人間が多いのは、こういうことなのかもしれない。そう考えると肉体の老化は、ある意味、社会に健全性をもたらす現象ともいえる。


こどもみたいなメンタルのクセに、それなりの地位に就き、権力を振りかざす人間が、見た目も老けずに、若い頃のままに、やりたい放題に振る舞う社会は、確実に何かが狂っている。そういった人間たちの「間引き」という意味でも、老化は人類社会には不可欠なメカニズムといえるのかもしれない。


どんな愚か者でも、舞台からの退場を迫られ、ようやく気付ける悟りもある。それをもたらすのもまた、老化であるのだろう。



「アンチエイジング」に憑りつかれた社会は、ディストピアの構築へと社会が突き進み始めている証左とも言える。初老を超えても「若さこそが至高」とばかりに、SNSでこどものようなポーズや表情を必死に作って喜んでいるその姿は、心の成長を放棄した狂気以外に筆者には映らない。

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