表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/15

第2話

★戦国武将×偉人★

混沌極める乱世で、少女が運命に抗うIf戦記。予測不能な異世界戦国時代の幕開け!

 結論から言えば私は山の主を討伐し、少年の信を得ることが出来た。手強くはあったが、羆程度の大きさで明確な弱点があったのと、少年が良い小太刀(父親から譲り受けたらしい。恐らく、業物だ)を持っていた為に勝てない相手ではなかった。

 少年の名は十吉と言い、私が目指していた山の麓にある村に住んでいるらしい。私にはまだ見分けが付いていないが、地元民なら山の形で迷うことはないとのことだ。


「姉ちゃは何処かの国のお姫様ばい?」

「はは。何故そう思う?」

「変わった服着とぉしな。喋り方も『宗茂』様に少し似てるとね」

「宗茂様?」

「ん?宗茂様知らんの?」

「あ、あぁ。何せ、魔物狩りの為に色々な場所を旅して回っていたからね。一所に居たことがないんだ」


 十吉くんとの会話でここが私の知っている日本ではないが、日本に限りなく近いことは理解した。単純にタイムスリップかと思ったが(それでも不可思議現象には変わり無いが……)魔物の存在を考慮すれば別世界と考えた方が自然だろう。

 それをそのまま伝えても信じて貰えないのは解かり切っているし、彼は中々聡い子だ。変な不信感を抱かせないで村まで案内して貰うのが先決。しかし、『宗茂』か……偶然だろうか。


「じゃぁ、その変わった服も南蛮のやつなん?」

「あぁ。こう見えてよく動けるのだよ?」

「へえ!腰のところがヒラヒラしてるし、ヒラヒラの下にも布巻いてるもんだから、何かと思ったばい」


 下着を見られていた……!

 と、当然か。学生服のまま、気付いたら此処だし。あれ? 私の今日の下着は何色だ? 父が買ってくれたフリフリの派手派手の奴だったような……なんて、なんて物を年端の行かない少年に見せてしまったのだ私は! いや、可能性を捨ててはいけない。普通の、無地の白である可能性も十分あるのだ。「--ちゃ」いやいや、私のような女の下着を見せてしまうこと自体が問題ではないのか? 見せるにせよもっと可愛げのある女性の……いやいやいや、何を考えてるんだ私は。そもそも……


「姉ちゃ!!?」

「うわ!びっくりした!」

「びっくりしたじゃなか!急に黙り込んでどないしたと?」

「え!?」

「顔も真っ赤になっとぉし。疲れと?」


 あ、これは頭が回っていないな。私。


「すまない、十吉くん」

「そんな、謝るほどの事でもないけん。ただ、急だったから」

「ちょっと、疲れてしまったのかな。だ、大丈夫だよ」

「ふぅん。それならもう少し歩いたところに川があるけん。休も!」

「あ、あぁ、そうだな!」


 川の辺りで私はこっそり下着を確認した。

 良かった……白色で無地だった。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 あれから2時間ほど山道を進み、ついに私たちは十吉くんの家があるという村までたどり着いた。

 山に囲まれたその村は、まるで湿原のように稲穂が立派に生い茂た水田の先にあり、牛を引いた老夫婦がこちらを見て手を振っている。それに気付いた十吉くんが元気よく手を振り返す辺り知り合いか、村での交流が深いのだろう。


「良い村だね」

「でしょ! ここは山に囲まれてるけん、魔物さえ何とか出来れば戦に巻き込まれることもなかよ」

「戦、か……」


 彼の着ている服から察するに進んだ時代ではないと思っていたが、戦があるような世界か。問題は魔物だけではないようだ。


「姉ちゃは戦のない所から来たん?」

「ん? 何故そう思うんだい?」

「なんとなくやけん。戦って言った時の姉ちゃの顔が不安そうだったから」

「よく、見ているね」

「僕の母ちゃも同じような顔をするんよ。父ちゃは戦に行って、そのまま帰って来なくて……」

「そうだったのか……」


 私の時代にも戦争はある。だが、こうも身近なものだっただろうか?

 身震いが止まらない。願わくば、この村にまで戦火が伸びなければよいのに……。そう、思わずにはいられなかった。


 叶うはずもないのに。

ご覧いただきありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ