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【第1章完結! 一気読み推奨】「魔法が最強? あたしの剣の方が速いんだけど?」 元【剣神】のVRMMOストリーマー、魔法一強の異世界で無自覚無双する  作者: 卯月真琴
第1章:冒険者登録編

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45、旅支度2

祝・日間ランキング273位ランクイン!

皆様のおかげでランクイン出来ました!

本当にありがとうございます!

これからも毎日投稿を続けるつもりですので、引き続きよろしくお願いします!

「いや、そのまま世界を見て回るつもりなので、ちゃんとした旅支度をしたいんです。野営とかもしたいので、テントとか寝袋とか、調理道具とか、そういうの一式があれば良いなぁ、と」


 配信者として活躍していた時、配信のネタとしてソロキャンプを何度かした事がある。

 キャンプギアの案件でソロキャンプに必要な物を全て用意してもらって、初心者でも安全安心ソロキャンプをテーマに長野県の山奥のキャンプ場を貸し切って動画撮影と配信をしたのが懐かしい。

 だからという訳じゃないけど、キャンプに必要な物は大体の見当がついている。

 まずは寝床。

 テントと寝袋があれば十分だが、今のあたしにはアイテムボックスという便利なものがある。

 例えば大型のベッドをそのままアイテムボックスに入れておけば、ゴツゴツした地面で寝る事も無いし、寝返りの度に痛みで起きることも無いし、起きたら身体中がバキバキになっている事もない。

 次に焚き火道具。

 焚き火台などは必要ないだろう。これまで見てきた休憩地なんかは直火だったし、薪なども必要なら拾ってくればいい。火起こしも魔法を使えば1発だ。

 面白い事に、生活魔法という魔法のジャンルがあって、洗濯用の水魔法や火起こしの火魔法、掃除のための風魔法などが全て内包されている便利魔法があった。

 この存在を教えてくれたのはアレク爺さんだ。

 アレク爺さんの旅の話を聞く中で、そんな便利な魔法があることを知って、自分のスキル欄を見てみたら非アクティブ状態のスキルがあったから、この前のレベルアップの時に取っておいた。これで少しは旅が楽になるね。

 続いて調理道具。

 まな板や包丁、カップや鍋などの道具はある程度の用意はしておきたい。流石に相棒を包丁代わりには出来ないからね。

 あとは椅子や木桶、縄とかがあればいいかな。

 でも、良く考えると、魔法ってやっぱり便利だよね。飲み水の確保もしなくて良いし、面倒な火起こしもしなくていい。何より嵩張る荷物の持ち運びもアイテムボックスで済む……異世界様々だね。


「そうだねぇ……冒険者の長旅に必要な道具と言うのは一通り揃える事が出来るけど……それだけの旅になるのなら、かなりの量になるけど、大丈夫なの?」


「あぁ、それは大丈夫。あたし収納魔法が使えるんで、基本的にはそこにどんどんぶちこんでいきます」


「そうだったんだね。モカちゃん、すごいね。僕らが雇っている従業員の中でも、そんな容量を持っている人なんて数えるほどしかいないんだよ。羨ましいな」


 それからユルゲンさんに収納魔法についての情報を少しだけ教えてもらった。

 どうやら収納魔法を習得するのは一般の魔法使いでも難しいらしく、習得出来たとしてもその容量は人それぞれで、基本的には木箱1個分。多くて5個分ほどなのだとか。

 そうすると、アレクお爺さんの容量って普通よりちょっと多いくらいかな?

 自分以外の身近な収納魔法の使い手の事を考えていると、ユルゲンさんは少し考え込み、うん、と頷いてあたしの野営道具についてこう切り出した。


「じゃあ、野営の道具は僕たちが用意するんじゃなくて、モカちゃんが自分で選ぶ方が良いと思うな。自分の好みに合わない物を長い間使うのは、それなりにストレスになるからね」


 これが意外と馬鹿に出来ないんだよ、とユルゲンさんは言うが、それはあたしも良く分かる。


「自分で納得して選んだ物には愛着も湧くからね!」


「うん、そうなんだよね、やっぱり長く使って欲しいからね。じゃあそうするかい? 基本的にうちの商会で全てが揃うとは思うけど、中には気に入らない物もあるかも知れないから、そう言う場合は他の商会の商品も見て決めた方が良いよ」


 中々に懐の深い人だなぁ、と思いながら、ユルゲンさんに連れられて商会の中を案内してもらった。

 ユルゲン商会はこの交易都市・グリザークで2番目に大きな商会だ。

 何故そんな大きな商会の長が自分で御者などをしていたのか尋ねてみれば、どうやら王都の商業ギルド本部での会合に参加するついでに商売もしてきた帰りだったらしい。

 そして、その後の事は前に聞いた通りで、帰り道で冒険者たちが魔獣に襲われて、自分も悪鬼蟷螂……じゃなくて、オーガマンティスに襲われた、と。

 ユルゲンさんの商会は店構えも立派で、少し小さめの2階建てホームセンターくらいの広さがある。

 基本的に1階は日用品や嗜好品、2階に冒険者や旅人、狩人などの職業の人向けの道具類などが売っている。


「まずはテントからだね」


 基本的には1人旅になるので、あまり大きな物はいらないが、それでも狭過ぎるのは圧迫感があって嫌だ。

 となれば2人か3人用のテントが良いだろう。


「基本的に野営は目立たないように草や森の色に似せた物がほとんどだね。これはどこの商会に行っても変わらないから覚えておいてね」


 別にテントに可愛さは求めていないから、自分の髪色ににた深緑の3人用テントに決める。


「室内が広いから、大きめの荷物も入れられるし、何よりも落ち着いて眠ることが出来るからね。この大きさのテントだったら寝袋と言うのは少し味気ないかな? ちょっと面倒だけど、組み立て式のベッドはどうかな?」


「そうだなぁ……1回組み立てておいて、そのまま収納に入れれば後は取り出すだけだし……その方が良いかも」


 オススメされるがままに柔らかい色合いの組み立て式ベッドの購入を決める。この世界のベッドは木の枠組みの上に板を乗せて、その上に毛皮や羽毛などで作った敷布団を置くだけ。


「うん、じゃあ次は……そう言えば、モカちゃんは火魔法や水魔法は使えるのかい?」


「一応は使えるけど、生活魔法を覚えてるから、火起こしとか水の調達は問題無いと思う」


「そっか、じゃあここは見なくても良いよ。あとは調理道具だけど……」


 調理道具に関してはどこの世界でも大差ないのだとあたしは知る。

 ま、それもそうか。使い勝手を突き詰めていけば、自ずと似たような形になるものだ。

 包丁、まな板、カップやカトラリー、それから鍋やケトルなど、材質の違いはあれど、そこまでデザインは変わらない。

 こちらもユルゲンさんにオススメされたものの中で自分の趣味に合う物、可愛らしいデザインの物などを購入していく。


「椅子や机はどうする? あれば便利だけど、無くても別に構わないって人も多いよ」


「欲しい!」


 案内されたコーナーで折りたたみ式のウッドチェアとデスクを購入。座り心地も確認済みだ。


「後は……雑貨の類だね……衣服の洗浄用に桶や洗濯板、洗った物を乾かすための紐、タオルや大きめの布。それと夜間移動用のランタンや松明などもあった方が良い。それから虫除けや魔獣避けの香などもあれば便利だね」


 なるほど、虫除けは分かるけど、魔獣避けの香なんて物もあるのか、と商品を眺めていると、見た事の無い商品を見つける。


「ユルゲンさん、これ、何ですか?」


 少しブヨブヨする素材で、酸素吸入マスクと漏斗を足して2で割ったような見た目だ。


「あ、えー、それは……」


 ユルゲンさんは気まずそうに言葉を濁し、静かに耳打ちしてくれた。

 どうやら、テントの中で用を足したくなった時に使用する女性用のエチケット用品らしい。

 あー、なるほどね……ごめんなさい、ユルゲンさん。

 気まずい思いをさせてしまったユルゲンさんに心の中で謝ると、そっと売り場に戻した。

 後で女性の店員さんにお願いしよう。

 その後は、さらにオススメしてくれた雑貨類を購入していく。

 長めのロープ、タオル、布、洗濯グッズ、各種お香など。


「これで一通りの道具は揃ったと思うけど、野営は基本的に何が起こるか分からないからね。1度野営をしてみて、足りないものがあったら買い足すのをオススメするよ」


「分かりました。ありがとうございます、色々と相談に乗ってもらって」


「いやいや、こちらこそ来てくれてありがとう。だけど、その……この一式を購入するとなると、かなりの金額になっちゃうけど……大丈夫?」


「あ、それなら大丈夫、問題ないです! この間のダンジョンスタンピードの時の臨時報酬があるので! 支払い金額はどれくらいですか?」


 いつの間にかユルゲンさんの後ろに控えていたお姉さんが1枚の紙をユルゲンさんに差し出した。


「……そうだね、一式の購入でこれくらいになるんだけど」


 渡された紙を見て、思わず笑みが引き攣る。

 お、思ってたより高い……が、払えない訳でもない。だから、すぐに引き攣った笑みを正して、納得の表情で頷いた。


「大丈夫です! 一括で払います!」


 何故なら今のあたしはちょっとした小金持ちだ。

 ダンジョンスタンピードの報酬と毎日コツコツ達成してきた依頼の報酬、買い取ってもらった魔獣の素材などのおかげで、懐はそれなりに暖かい。


「え、払えちゃうの!? す、すごいなぁ……ありがとうね。でも、少しはサービスさせてよ」


 そう言うと、あたしに見せてくれた紙にペンで何かを書き足していく。


「まずは端数ね。それから雑貨類もサービスしちゃう! オーガマンティスの素材で稼がせてもらったし、何よりもモカちゃんは命の恩人だからね。本当なら今買ってくれたものを全部タダで上げたいんだけど、やっぱり商人って生き物はタダが怖くてね。基本的にはなんでも値札を付けたいんだよ」


「え、でも、この金額……半分くらいになってるけど……良いんですか?」


「良いの良いの。僕、こう見えてもここの店主だよ? 僕が良いって言ったら良いんだよ」


 商人、と言うか小売業の人って、そんなものなのか、なんて考えながらユルゲンさんにお金を渡して、購入した道具たちをせっせとアイテムボックスへと収納していく。

 そしてユルゲンさんが席を外したタイミングでさっきの女性店員に声を掛けて、例のエチケット用品も購入したい、とお金を握らせた。


 女性店員もちゃんと分かっているようで、自然な動きでお金を受け取って流れるように売り場から例の物を持ってきて、人目に付かないようにモカに手渡してくれる。


「ありがとうございます」


「いえいえ。その道具、使ったらすぐに洗う事をオススメします」


 こそこそと耳打ちされ、あたしは真面目な顔で頷いてみせた。

 後は旅に出るまでに2、3回ほど野営をしてみて、使い勝手や他に必要な物を買い揃えれば良いだろう。

 となれば、明日と明後日は野営して、必要なものを買い足して、もう1回野営して……で良いかな? やっぱり最後の日は宿のフカフカベッドとお風呂でリラックスしたいもんね。

 こうしてあたしの旅支度は一旦の終了を迎えた。

趣味で良くソロキャンをするんですが……キャンプって、やるまでの敷居が高いけど、いざやってみるとめちゃくちゃ楽しいですよね。

好きな時間に呑めるし、好きな時間に食べれるし、何食べても何も言われないし、昼間はぼけーっと流れる雲見れるし、夜はぼけーっと焚き火を見れるし、不自由を楽しむってのは、それなりにデトックスになりますよね。

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