學園祭準備
ついにこの日がやってきた。
今日はこの作品のヒロイン、カナディア・テンプルが転入してくる日。
ベアこと鈴音は、チェリにつけてあるお守りのヘアピンを通じてデスクで画面を握りしめていた。
雰囲気の為につけてもらったSTARTボタンをつい押しそうになる。
そう私実はせっかちなのである。ついつい、ストーリーをSKIPする癖があった。
無駄にSTARTボタンを押しながら暫く画面を眺めていると見覚えのあるスチルと重なる。
「今日からこの学園で皆と学ぶ事になった、カナディア・テンプルです。これからよろしくお願いします。」
平民らしく明るく元気な挨拶に級友たちは温かい拍手を送る。
休み時間あっという間に囲まれる彼女。
集団ごとアランの元へやってくる。
彼女の無礼な態度に僕は思いっきり顔を顰める。
そんな僕を庇うようにトパーがカナディア嬢に話しかける。
「一体、こんなに大所帯でアランに何か用かな?」あくまで作られた声で優しく問いかける。
「だって、この學園ではみんな平等だって、身分なんて関係ない。って言ってたから、皆に挨拶しなきゃって。」
前髪をいじいじしながら話す彼女に俺はため息を堪えて話を逸らす。
「そっか、テンプルちゃんも大変だね。次の授業、外だから準備してくるわ。」
俺はアラン連れて兄の後を追った。
以降も何度か事件を起こすテンプルを横目に本格的な學園祭の準備の時期を迎えていた。
いくつかのグループに分かれ展示や商い、劇などをする。
僕たちは教室で何をするか話し合っていた。
「今流行りの”勇者御一行”ってどう?」トパーが僕たちに話を振る。
「あの、巷で流行っていると噂の小説か?」アランが答える。
「そそ、よく知ってたね。チェリちゃんが読んでて俺も気になって読んでみたんだよね~。そしたら結構面白くって。」
トパーの語るあらすじはこうだった。
剣や魔法が存在する世界で、着実にクエストをこなしていた勇者一行。
ある日のクエストでひょんなことからとんでもない呪いにかかってしまう。
そんな中、決して市民にばれないようにふるまいながら呪いを解く方法を探しつつも、魔王討伐を目指す。
読む章によってエンディングが変わるマルチエンディングというのが目新しさかったらしくあっという間に世に広まったらしい。
なぜがチェリが俯いてしまったので私の画面には机しか映っていないが、私も読んでみようと早速使用人に全巻購入するよう依頼した。
その間にも彼らの話は進み、どうやら學園祭で彼らは劇をするようになりそうだった。
演劇参加メンバーはアラン、トパー、ガーネッツ、チェリが主な出演者で、クローバが影ナレを担当することになったようだ。
この學園の方針として、家の力は頼らず己の力で進めるというルールにのっとり、クローバが級友に声を掛け道具など小道具担当、提案者のトパーが脚本を書くことで話がまとまり各々が準備に取り掛かる。
お久しぶりですの方
お久しぶりです、愛羽真琴です。
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初めまして、愛羽真琴です。
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