表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アブソリュート・ディーライゼ  作者: 青空テツ
第3章 エルフ大陸編
43/50

042 歴戦の剣



 キング=アイデクセが怒りの咆哮を上げた―――

 それはつまり、相手を追い詰めているということ。

 

 しかし、その事実に魔物たちは奮起する。

 キング=アイデクセの怒りは、他の魔物の動きを格段に良くさせた。


 



「ちっ、また、厄介なっ…!」


「ハヤト君、後ろ!」


「分かってるよ!」


 そんな会話をしながら、ハヤトとセイナの2人はグロース=アイデクセの殲滅を行っていた。

 

「闇剣・影斬」


 ハヤトの剣技によって後ろから迫っていたグロース=アイデクセは一瞬で四散する。

 奥義を使わないまでも、神としてのハヤトの馬鹿げたステータスは、Cランクモンスターを一撃で葬るのに充分だった。


 ハヤトのスキルを感嘆しながら見ていたセイナは、後ろから迫る存在に気付かなかった。




「グルッガアアアア!!」


「……きゃあっ?!」


 迫る気配に気づいたのか、セイナは悲鳴を上げて距離をとる。

 迫っていたのはジェネラル=アイデクセだ。深手を負っているようで、怒り状態に陥っている。


(丁度いいわ…。ランクA相手にどれだけ戦えるか、試してっ…?!)


 セイナはそう考えていたが、数秒後に自分の考えが甘かったことを知る。

 

 一撃、たった一撃。

 ジェネラル=アイデクセが放った、尻尾を振った一撃。


 その一撃をセイナの眼は、全く捉えられなかった。

 杖を構えた状態のままのセイナに、ジェネラル=アイデクセの尾が迫る―――。









「水剣・飛水牙!」


 ジェネラル=アイデクセの尾がセイナに命中することはなかった。

 

 突如、ジェネラル=アイデクセの尾が蒼い剣に切断された。

 セイナは瞬間的にハヤトが放ったものだと理解した。


 どうやら、グロース=アイデクセの殲滅をしながら、斬撃を放ったようだ。


 援護を確認したセイナは、安心した。

 安心してしまった。

 だから、ジェネラル=アイデクセの二撃目に、気づけなかった――。





グオオオオオオォォッ!


 ジェネラル=アイデクセは、セイナを仕留めた、と確信したように見えた。

 振り返ったセイナの顔は驚愕に染まっている。






――――キィンッ




 しかし、またしてもその一撃がセイナに届くことはなかった。


「嬢ちゃん、迷惑かけたな。」


 そんな声をセイナは耳元に聞いた。


 そして……


「光剣・大聖剣!!!」



 巨大な光の奔流がジェネラル=アイデクセを飲み込んだ。

 いや、奔流に見えた、巨大な光の剣だ。


 いうまでもなく、ハヤトの仕業だ。




「セイナ、大丈夫かっ…!」


 ハヤトがうろたえたような声でセイナに近づいてきた。

 

「う、うん。ありがとう…。」


「ああ、それと、この人たちにも礼を言わないとな。」


 ハヤトはそういうと、セイナの後ろにいた3人の方を向いて頭を下げた。


「セイナを助けてくれてありがとうございました。」


 セイナも慌てたように頭を下げる。


「あ、ありがとうございました!」





「なあに、いいってことよ。元より、あいつを逃しちまったのは俺らの責任だしな。」


「それより、自己紹介が先でしょ。」


「ああ、そうだな。」


 3人のうちの2人がそういうと、改めたようにハヤト達の方に向き直った。


「俺の名はロイゼ!Sランクパーティ≪歴戦の剣(れきせんのつるぎ)≫のリーダーをやってる。まあ、肩書は戦士ってとこだな。よろしくな。」


「私はウィスプ。魔法使いよ。よろしく。」


「僕はロコモ。同じく魔法使いで、サポート系の魔法が得意です。よろしく。」


 3人の自己紹介を聞いて、ハヤトは軽く驚く。

 こいつらできるな、と思ってはいたがまさかSランク冒険者だったとはな、といった感じなんだろう。


「おれはハヤト。Cランク冒険者だ。」


「わ、わたしはセイナといいます。Dランク冒険者です。改めて、さっきはありがとうございました!」


 セイナとハヤトも同じように自己紹介した。




「おいおい、あの光の剣、一撃でジェネラル=アイデクセを葬る威力だったぞ。あれで、Cランクだってのか?」


「…今のとこは、ね。それに、そっちが随分痛めつけてたみたいじゃないか。横取りしたようで悪いな。」


「がっはっは。なあに、気にすんな。ガールフレンドのピンチとなりゃあ、即座に敵を倒しちまうようなこともあるだろ。」


「「ガ、ガールフレンドォ!?」」


 ロイゼのそんな言葉に、ハヤトとセイナは全く同時に声を上げた。


「ん?なんだ違ったのか?若い男女2人となりゃー、てっきりそういうもんかと……いてっ。」


「余計なお世話よ。」


 中学生みたいな目をしてロイゼが話している所を、ウィスプが杖で殴った。

 ロイゼが恨めしそうな眼でウィスプを睨んでいるが、ハヤトとセイナは内心


(グッジョブ!)


と思わずにはいれなかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ