025 終わらせるための決意
えー、実はまだこの物語は本編にも入っておりません。
主人公最強のための前置きで、まだプロローグのようなものなのです。
……別に魔法が使えなくても困らないんだが、それより気になることがある。【七大罪之魔装】がもつ特殊能力だと…?そんなの聞いてないぞ…。
「七大罪之魔装には特殊能力があるのか?」
「そうだ、わたしのこの指輪、これが大悪魔マモンの力を得ている。それよりも貴様、七大罪之魔装を知っているのか?」
……どういうことだ。じゃあこのコートのベルフェゴールもなにか特殊能力をもっているのか?
「…このおれが着ているコート、これも七大罪之魔装だ。」
「…ほう、その割には紋章も浮かび上がってないうえに、特殊能力をなにも使っていないではないか。」
「……いや、その特殊能力ってどうやって使うの?」
「貴様、悪魔との話し合いを行っていないのか?悪魔に認められた後、話し合いを行うはずだが?」
…なるほど、それが原因か。認められるんではなく捻じ伏せたからな…。それで話し合いもできなかったということか。
「おい、いい加減我に反応しろ!」
……なるほど、悪魔に呼びかけられているようだ。意識しなきゃ気づかない程度の存在感だったけど。
「…あぁ、あんたがベルフェゴールか?」
「………遅い。どれだけ我が呼びかけたと思っている。」
「いや、話し合いとか特殊能力の事とか知らなかったんだよ。」
「まあ良い。それで我の力についてだが…。」
「詳しい話し合いは後にしてくれ。とりあえず、使える特殊能力を教えろ。」
「………いや、悪魔と契約結ばないと特殊能力は使えないんだけど。」
「…そうなのか?まあいい、じゃあ早く契約して能力について教えろ。」
「あ、うん。えっと、特殊能力は殺した相手のMPを上限を超えて吸収できる、ということだ。」
「…おれにピッタリのスキルじゃないか。なんで早く言わないんだ!」
「お前がおれを無視してたからだよ!」
「……まあいい、で、早く契約しろ。」
「…この野郎…。ハァ…。――――――――――――――汝、我が悪魔の力を行使せんとすることを望むならば我と契約せよ。悪魔の力の代償はあらゆる生物の命だ。」
「なんか急に偉そうになったな…。まあいいか。OK。契約するよ。代償ってのは魔物の命でもいいんだろう?」
「ああ、それでも可能だ。」
「で、これで契約完了か?」
「ああ、これでお前は我の力を行使することができる。」
「OK。じゃあ、ちょっと暴れてくるぜ。」
「さて、そろそろ終わらせてもらうぞ小僧。今度は数の有利も生かさせてもらおう。」
「…かかってこいよ。全部蹴散らしてやる。」
悪魔との会話を終え、再び戦場へと意識を向ける。今、おれはイクサスと6000人の兵に周囲を取り囲まれている状況だ。
「その強がりがいつまで続くかな。者共、かかれいぃっ!」
「「「うおおおおおおおおお!!」」」
「いくぞぉぉぉっ。ベルフェゴールゥゥゥゥゥ!!!」
瞬間、おれが着ているコートが輝きはじめ、蛇と銀輪の紋章が背面に浮かび上がる。なるほど、確かに全ステータスに補正がかかっているようだ。
もっとも、そんな補正この状況では必要ないが。
「火属性剣・紅蓮爆炎陣!!!!」
まずは、6000人の兵士を一瞬で始末する。これで魔力も増えたのだろうか?
「さて、イクサスさんよ。また一対一だな?」
「…本当に七大罪之魔装だったとはな。特殊能力は知らないが、その力は侮れないようだ。」
「…なあイクサス。おれは今一つ決めたことがある。」
「なんだ?」
「これから十傑全員殺して七大罪之魔装揃える。そして世界を一回終わらせるわ。」
「…貴様、本気で言っているのか?」
「ああ、だからな。こんなところで時間つぶしてる暇はねえんだわ。」
「…つまり、何が言いたい?」
「さっさと死にな老いぼれェェェッ!」
3割程度の力を解放する。これから王国東国連合軍も相手にしなければならないのだ。一瞬で片を付ける。
「いくぞォォォ!雷属性剣・雷王牙!!」
「なめるなよ若造があぁぁぁぁぁぁぁぁ!!イカヅチシールドォォォ」
おれの雷の牙と化した刀を、イクサスは雷の盾で止めようとする。が、おれの3割程度の力をその程度で止められるわけがない。
「じゃあなXランカーよ。」
雷の盾を打ち砕いた【宵時雨】が、大冒険者の首をはねる。
「…これで終わり、か。」
イクサスのMPはやはり相当のものだ。魔力が流れ込んでくるのを体で感じた。
「き、きさまぁ!よくもイクサス殿を!」
声のした方を振り向くと、30万ほどの軍勢がいた。なるほど、連合軍が到着したのか。
「Xランク冒険者を無傷で倒すほどの実力者とはな。総員、心してかかれぇ!」
グレン将軍が全員に号令をかける。たった1人の人間を殺すために、随分大掛かりなことをする。元々は戦争のためだったのだろうが、和平で終わったからついでにおれを抹消しにきた、というところだろうか。
「…てめえらなんて眼中に無い。死ね。空属性剣・亜空煉穿」
30万人の上半身と下半身が分けられる。全員の腰あたりに亜空を広げて、すべてを分断したのだ。
全員始末したか、と思ったが馬に乗っていたグレン将軍だけは無事だったようだな。
「さて、グレン将軍よ。おれもあんた自体にゃ恨みはないが、死んでもらうぜ?」
「……致し方あるまい。さっさと殺せ。」
「あばよ。」
グレン将軍の首をはね、その体と頭はガラス片へと変わって四散する。
辺りを見回せば、全員が四散しておれがポツンと1人立っているだけとなった。この世界、人が生きていた証さえも残してくれないのか。
「…終わり、か。いや、これから終わらせる。」
とりあえず物語の本編を始めるまでは急いで更新した方がよさそうです。




