023 アリス・センテルグ
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ソラミネ ハヤト 17 Rank X
Lv.300
HP 258000000
MP 2
STR 580000000
VIT 529000000
AGI 840900000
≪スキル≫
【魔煌剣】【万物理解】【創造魔法】
≪称号≫
【煌メク剣デ終焉ヲモタラス魔皇】
突然だが、今のおれのステータスはこんな感じだ。色々おかしい部分があるのがお分かりいただけただろうか。レベルは別におかしくない。エドマンド海峡の生物を全て倒したのだからこれぐらいにはなるだろう。ステータスの高さについては諦めた。ステータスの上昇に規則性がないからなんともいえないのだ。
おかしいのは、称号だ。おれが今まで持っていた称号が統合されている。これはおそらく【七大罪之魔装・怠惰】の効果ではない。称号には、その称号を持つ者のステータスに補正をかけるという力がある。ただの二つ名ではないのだ。
ちなみに【煌メク剣デ終焉ヲモタラス魔皇】は、おれの全ての能力を底上げするという力が備わっている。この補正自体は有り難いのだが、ネーミングが…。やけに厨二臭い…。
そういえば、十傑ともなる実力者になると二つ名が与えられるんだっけ。この厨二称号がそれなんだろうか…。
軍の本陣から歩いてハルン村へ向かっている最中、自分の称号を見て思わずげんなりしていると、森の中から悲鳴が聞こえてきた。
軍の本陣からハルン村までは、10㎞ほどしか離れていない。森が切り開かれて出来た道はそこそこ広めの幅で、馬車が3台は同時に通れるほどだ。
おっと、そんなことを考えている場合じゃない。今の悲鳴の原因を探りに行くとしよう。
「一、二、三、四…。四人か。盗賊かと思ったんだが、どうにも違うみたいだな。」
道をそれて森へ入ってしばらく進むと、四人の男が一人の少女を取り囲んで、少女の口をふさいでいる光景が目に入った。
少女は麻でできているであろう赤のワンピースを身に着けている。身長は160cmほどか、可愛い部類に入るであろうその顔は男達によって苦悶の表情へと変わっている。
その男達4人だが、全員背が高くて筋肉質である。少女がいくら抵抗したところであれでは拘束から抜け出せないだろう。
それよりも、男達の服装が問題だ。おれは最初彼らを盗賊だと思ったが。一目見て違うと分かった。彼らの服装は全員同じ鎧で、肩にはイースト国の国旗と同じ模様のマークが彫られている。
――――――――――もしかしなくても、東国軍の兵士だろう。
「くそ、このアマめ。大声で叫びやがって。誰か来たらどうすんだよ。」
「そんときゃあ道に迷っていた少女を保護してました、とでも言っときゃいいだろ。」
「なるほど、お前賢いな…ってイッテェ! テメー、おれの指を噛みやがったな!」
少女を拘束していた金髪で目つきの悪い兵士は、少女に指をかまれて拘束から抜け出されたようだ。
その隙に少女は逃げようとしたみたいだが、他の三人に周りを取り囲まれてしまっている。逃げ場はないようだ。
「おいおい、待ってくれよ嬢ちゃん。アイツはこれから戦争で戦うんだぜ?武器も握れなくなるような怪我したらどうしてくれるんだよ、なあ?」
茶髪ロン毛の兵士がそう言って少女の腕をつかんだ。
「や、やめてください!離して!」
少女がそう言って茶髪ロン毛の腕を振りほどこうとするが、体格差のせいで全く通用していないようだ。
「おいおい、そりゃねえんじゃねえの嬢ちゃんよ。俺らはこれから戦争でアンタらを守るために戦うんだぜ?」
今度は鼻にピアスをしているバカっぽい顔の男が少女にそう言った。
「そ、それとこれと何の関係があるんですか。」
少女がおびえながら男に尋ねると、今度は別のモヒカンの男が言った。
「分かってねえなあ嬢ちゃん。つまり、俺らがアンタらを守るんだから、その報酬の前金も嬢ちゃんの体でいただく、って言ってんだよ。」
「そ、そんな…。やめてください!」
少女はうまく茶髪ロン毛に掴まれた腕を彼の手から脱出させることに成功したようだ。踵を帰して逃げようとすると、最初に少女に指を噛まれた金髪が立ちふさがった。
「おい、おれの指噛んでただで逃げれると思ってんのか!こんのクソアマ…ッ」
金髪はそう言って少女の腕をつかみ、少女の着ているワンピースを力任せに引き裂いた。ワンピースが引き裂かれたことで少女の白い肌が露わになり、白い下履きも露わになった。
「ヒュ~、顔も上玉でノーブラとは良い趣味してんじゃねえか嬢ちゃん。ま、その胸のサイズじゃ必要ないか。」
「おいおい、ヒデーな。ま、早速この娘をいただこうかな。」
「い、いやあ。やめてえええ!」
「おいおい、大の男が四人もよってたかって情けない。やっぱ社会のゴミはどこにでもいるもんなのかよ。」
危ない危ない。あの四人をどう始末するか考えてたら、思っていた以上に状況が進行していた。ちなみに全員半殺しにして捕まえることに決めた。
「ああ!?おいクソガキ、今なんつった!?」
「お前らは社会のゴミって言ったんだよこのクズ共。」
「おいおい威勢がいいなガキィ。けど、四対一で勝てるとでも思ってるのか?」
「言っとくが、泣いて土下座しても許さねえぞ?」
鼻ピアスと茶髪ロン毛がそう言って剣を抜いた。金髪も剣を抜いている。モヒカンは少女を逃がさないように捕まえておくようだ。
「そうか、おれもお前らが泣いて土下座しても許す気はねえよ。」
「は、調子こいてんじゃねえぞこのクソガ…グッ!?」
かなりムカついてきたので、軽く殴った。1割どころか0.1割の力も出してないが、金髪は派手に空中に舞いあがっていった。おれが本気で殴ったらこの辺一帯はクレーターに変わってしまうので、かなり力を抑えている。
「な…っ。コイツはヤベエ!ずらかるぞ!」
茶髪ロン毛がそう言って、金髪を見捨てて逃げようとした。逃がすわけねえだろこのタコ。
「逃がすワケねえだろ。死なない程度に痛めつけてやるから安心しろ。」
さて、こんなもんか。とりあえず四人の腕と脚の骨を全部折っておいた。顔面以外は全身腫れ上がっていることだろう。顔面は本人確認のためにあまり傷つけていない。
しかし、おれの心もまだ未熟だな。つい怒りで力加減を少し間違えた。周囲の木を何本か殴ってへし折ってしまった。
おっと、少女をこのままにしておくわけにはいかないな。すっかり腰が抜けているのか、ずっと地面にへたり込んでいる。
「おい、あんた。もう大丈夫だ。こいつらは叩き潰しといたから。」
おれが声をかけると、少女はビクッっと肩を揺らした。ま、あんな状況のあとじゃ仕方ないか。
「…あ、ありがとうございます。すいません、腰が抜けちゃって。」
「あー、災難だったな。立てるようになるまで待っとくから。」
すると少女が頬を赤く染めて俯いてしまった。
「そ、その…服が…。」
あ、服破かれてたんだった。確かにこのまま立ったら色々と見えてしまう。
「あ、悪い!これでも着といてくれ!」
おれはアイテムボックスからエドマンドで買った黒いコートを少女に渡した。……ちょっとテンパってしまった。
「あ、ありがとうございます。その、お名前は…?」
「ああ、おれの名前は空峰迅人。まだ17歳のクソガキだよ。」
「あ、私、アリス・センテルグと言います。歳は16です。助けていただいて本当にありがとうございました!」
「いや、ただの気まぐれさ、気にしないでくれ。」
しかしよく見るとこの娘、中々可愛いぞ。気弱な性格と相まって庇護欲をそそられる可愛さだ。
「…私の顔に何かついてますか?」
「あ、ああ、いや、何でもない。ちょっとコイツらを引き渡してくるから待っててくれ。」
「え、あの…あっ。」
転移でさっき行った将軍のテントまで移動して、こいつらのやらかしたことと身柄を引き渡してきた。なにやら将軍殿はため息をついていた。部下の統制は並大抵の苦労じゃできないようだ。
彼女をあまり待たせるわけにもいかないので、すぐに戻る。
「悪い悪い。それで、アンタはハルン村の人か?」
「確かに私はハルン村の者ですが…。し、しかし…あなた何者ですか?異常に強いし転移系の魔法まで習得しているなんて…。」
「…あー、その事は村で説明することになるから、とりあえず行こう。」
「あ、はい。分かりました。」




