020 アルセウス国王ロンド
なかなか更新できずに申し訳ない…(/_;)
わたしの社会的身分では毎日パソコンに触るのは時間的に難しく…(/_;)
「冒険者ソラミネ・ハヤトをXランク冒険者とする。今後はいっそう冒険者としての仕事に励みたまえ。」
「ありがたく。これからも精進していきたいと思います。」
王都エリシュオンの中心に位置する王の城。その謁見の間にておれは国王様によるありがたいランク授与式の真っ最中だった。
ノース国の南の都ナムルを出て昼前には王都に到着した。ありえない速さなので国境の関所を超えるときには散々問い詰められたものだ。ステータスウインドウを見せたら大人しく通してくれたけど。
王都に到着してから真っ先に城へ行き、少し時間をくれと言われたので一時間程待って、今に至る。
「お主とは色々語らいたいこともある。後で儂の部屋に来てくれ。」
「ありがたきお言葉。ぜひ伺わせていただきます。」
最低限の礼儀は身に着けているつもりだが、敬語というのは苦手だ。どうにも人を敬うというのは性に合わない気がする。
目の前の玉座に座る国王、ロンド・スルフネ・アルセウスは柔和なお爺さんといった印象だ。小柄な体格でありながら立派なひげを持っている。年齢は60代後半といったところだろうか、ひげも髪も白くなっている。ロンドが名前で、スルフネが家名、アルセウスは王位を継承した際に受け継ぐ名らしい。
っていうか、スルフネってどっかで聞いたことある気がする…。
謁見の間を出て、国王様の部屋へと向かう。しかし、アホみたいに広い城だな。ドイツのなんとかシュタイン城の倍ぐらいはありそうだ。城全体の敷地面積は0,5平方㎞。ヴァチカン市国と同じぐらいだ。
案内役の兵士が一つの部屋の前で止まった。どうやらここが王様の部屋らしい。
「失礼します。」
と言って兵士が部屋に入ると、王様はいなかった。…っておい。呼び出しといておらんのんかい。
「ソラミネ様。どうぞ楽にお休みください。」
…王様いないのに?いいのかよ。
5分ほど待って、やっと王様が部屋に入ってきた。謁見の間で来ていた豪華で煌びやかな服とは違う衣装を纏っている。いや、充分おれから見たら豪華だけど。
「すまんすまん。待たせたの。そこの兵士。席を外してくれ。」
やけに柔和な喋り方に変わったな。ってゆーか席を外していいのかよ。おれが国王暗殺とかしたらどうする気なんだ。
「かしこまりました。」
お前は席外すんかい!国王の身を案じろや!
「さて、ソラミネ殿。そう心配されるでない。お主は儂を暗殺したりせぬであろう。」
「……!?」
考えてることがバレてるだと…。
「フォッフォッフォ。そう警戒せんでくれ。お主を見たら分かっただけじゃわい。」
「……魔眼、ですか?」
「ほう。それに気づくとはさすがじゃの。確かにこれは魔眼よ。人が考えていることの表層意識なら読み取ることができる。」
「真実を見極める力、ですか。その眼の色を見る限り、王家の方々は皆似たような眼を持っているようですね。」
「その通りじゃ。とは言ってもこの緑色の眼は儂の直系の家族でないと現れぬがの。」
「なるほど、それで私と話したい事とは何でしょうか?」
「20年ぶりのXランク冒険者の誕生じゃぞ。積もる話もたくさんあるわい。それと、そんなに固くならんでくれ。敬語を止めろとは言えぬが丁寧語でよい。」
「分かりました。」
「うむ。お主と話したい事はたくさんあるのじゃが…。どうしてもやってもらわねばならぬことがある。まずそちらから話してしまいたい。」
「…獣帝との戦争のことですね?」
「うむ、そうじゃ。獣帝自らが先陣をきって攻撃してくるとなれば、最低でも同等の力をもつ者が防衛に欲しい。」
「…大冒険者イクサス、彼はXランク冒険者なのでしょう?彼は戦争には参加しないのですか?」
「彼には万が一に備えてウェスト国西端の街≪サラブレッド≫の防衛についてもらっているのじゃ。」
「…なぜ大陸西端の街へ最高戦力を?」
「…お主こそ何を言っておるのじゃ?獣帝、魔王、龍王は二週間前に同盟を結んだばかりであろう。人族の大陸の西側には龍人族の大陸があり、そこは龍王の支配地じゃ。龍王は好戦的な事で知られておるからの。獣帝に便乗してくる可能性は非常に高い。」
「…なっ!?十傑のうち三人の同盟ですか!?それってこの大陸のかなりの危機なんじゃあ…。」
「やはり存じておらなかったか。幸いにも魔王はあまり好戦的ではない、というより魔族の大陸からあまり出たがらないのでな。北にはお主も知っての通りルシウスがおる。万が一には彼に頼るしかない。それでもお主の言う通りかなりの危機じゃ。だから東の防衛線へと向かって欲しいのじゃよ。」
「なるほど、事情は理解いたしました。それでおれは東の防衛線で何をすれば?」
「うむ、幸いにも敵の兵糧の関係で開戦まで一か月はかかる見通しじゃ。お主には開戦までの間、東端の街のさらに東、王国軍が滞在する陣地より少し西の村であるハルン村へと滞在してほしい。この村は小規模じゃが村への愛が強い良い者ばかりでな、話は通してあるゆえお主を暖かく迎えてくれるであろう。開戦まではその村で依頼を受けたりしてくれ。開戦の兆しがあれば軍からの使者が行くようになっておる。」
「おれは王国軍と同じ陣地にいなくていいのですか?」
「軍は生真面目な者が多いうえに、お主には無理を言って防衛へと参加してもらうのじゃ。開戦まではできるだけよい生活をさせたかったのじゃが、要らぬ世話だったかの?」
「いえ、とんでもない!お心遣い、感謝いたします。」
「だから、そう固くなるでない。お主には活躍次第では我が娘を嫁にやってもよいと考えておるのでな。」
「え。王女様をですか!?身分の差など色々問題があると思いますが…。」
あと、おれの心の問題も。
「儂はお主が気に入った。そんなものは権力でちょちょいのちょいじゃ。」
「…そんなんでいいんですか?」
「国王の特権。」
「……」
「それに、ハルン村には第二王女であるカルフィンを向かわすしの。表向きには戦線鼓舞じゃがお主との仲を深めて欲しいというのもある。」
……ん?今なんつった?
「すいません、第二王女というのは…?」
「ああ、四日ほど前にノース国のエドマンドを出たばかりじゃからの。今頃はナムルへ向かっておるのではないかな。」
「いえ、そうではなく…名前…」
「む、カルフィンか?まあ面識がなくて不安なのは分かるが…」
「嘘だろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
ルフィンは、王女だった!




