012 食事の後の暴漢
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「わー、剣皇さんに会えて光栄です」
「イヤミかよ…。しかし、名前とか年齢とか外見特徴とかは広まってないみたいだな。」
「さすがに個人情報ですからね。ですので普通に街を歩いていても騒がれる事はないと思いますよ。」
ふー、外見とか名前が広まってなくて助かった…。いや、広まってても別にいいんだけど。
それからルフィン(彼女がそう呼んでくれと言った)とさらに話し込んで、気づけば昼前になっていた。さすがに腹が減ってきたな。
「それじゃ、俺はそろそろ行くよ。充分情報も集まったし。」
「そうですか、私はまだもう少し居ようと思います。」
「そうか、それじゃあ。またな。」
ルフィンに別れを告げて、図書館から出てきた。
10時間程図書館に籠っていたものだから、眩しさに目がくらくらする。
とりあえず昼食をとるため、近くでメシ屋を探す。
ここは街の東部だから、とりあえず中央に向かって行ってみるか。店は冒険者ギルドに近くなるほど多くなるらしいしな。
冒険者ギルドまで来ると、隣がメシ屋だという事に気づいた。ギルドの隣ということは冒険者御用達なのだろう。味には期待していいものか。
中に入ってみる。西部劇にでてきそうな酒場、といった内装だ。
広さはまあまあ広い。100人ほど座れそうな数のイスとテーブルがある。そして、冒険者と見られる人が大勢いた。≪解析≫してみると、レベルは皆10~30ほどだ。しかし、昼前だけあって人が多い。60人ほどいるが、みんなパーティーのようだ。
おっと、人間観察のために来たんじゃない。昼食だ。
カウンターの上に見える広告に、定食などのメニューが見える。値段も書いてある。なんかマク〇ナ〇ドみたいな広告だな。
いや、マ〇ドナル〇はどうでもいい。メニューにある≪ロックリザード定食≫というのに興味を引かれた。威圧で気絶するような雑魚だったが、岩で覆われている体は解体がめんどくさそうだった。中身が気になるな。
亭主と見えるヒゲオヤジに声をかける。
「すまん、ロックリザード定食を1つ。」
「へい!おまち!200zだよ!」
はやっ!うるさっ!
そのスピードとうるささに驚愕していると、値段を言われた。ギルドカードで払えるのだろうか。
「ギルドカードでいいのか?」
「あんちゃんウチは始めてだな!現金でも良いが冒険者は大抵ギルドカードだぜ!」
…らしいのでギルドカードをレジみたいな物体にかざす。≪魔算機≫というらしい。しかしうるさいなこの親父。
魔力で支払やお釣りなどを確認する≪魔算機≫の設置がこの世界の店舗では義務付けられており、それにギルドカードをかざせば支払が完了するというわけだ。
「毎度!よろしくな!」
定食を受け取って空いているテーブルに向かう。周囲の客から近すぎず遠すぎずという位置に行く。ボッチのコミュ障だと思われないためのコツだ。
ロックリザード定食を食べる。こ、これは上手いぞ。弾力のある肉なのにそこにはジューシーさも含まれていて少し辛めのソースでの味付けも抜群で絶妙にマッチした肉とソースが…(ry
…はっ。うまさに感動していて我を忘れていた。まあ自衛隊という名の日本軍でのメシは非常食が多くてお世辞にもうまいとは言えなかったからな。
超速でメシを平らげて返却口に盆と皿を運ぶ。そして速やかに酒場を出る。
酒場と言えば暴漢に絡まれるという定番イベントが非常に発生しやすい場所だからだ。
絡まれる事なく酒場から出た。時刻は丁度正午ぐらいだろうか。昼飯も済ませた事だし、なんか依頼を受けるかな。
隣のギルドに入ると、なにやら人だかりが出来ていた。
なんだろうと思って人だかりの中心を見てみると、…ハゲで筋骨隆々の暴漢に絡まれてる哀れな冒険者がいた。
暴漢こっちにいるのかよ!と内心で突っ込んで、近くの人に事情を聞いてみる。
「なあ、アレはなにがあったんだ?」
「ああ、初めて依頼を達成したらしい冒険者がはしゃいでたら、コミィの足をふんじまったらしい。それで因縁つけられてるんだけど、コミィに目をつけられるとはご愁傷さまだな。」
どうやら筋肉ハゲはコミィと言うらしい。
「コミィってのは強いのか?」
「あんたこの街にいるのにコミィを知らねえのか?奴はこの街で唯一のCランク冒険者だぞ。けど素行も性格も悪いからギルドも手を焼いているみたいだな。」
なるほど。しかし支部長は何してるんだ。止めにこいよ。
「なんで支部長とかは止めに来ないんだ?}
「どうやら今はいないらしいな。いないから好き勝手暴れてるんだろう。この街でコミィより強いのは支部長ぐらいだからな。」
確か支部長は元SSSランカーだったよな。そりゃCランクごときじゃ勝てないわけだ。しかし、初心者が集まる街に随分強い支部長がいるな。
おれは依頼を受けたいんだが、騒ぎは部屋の中央で起こっている。つまり邪魔な位置で騒いでいるからカウンターまで行けないのだ。
面倒事は嫌いだが、おれの邪魔をしているとなれば別だ。
「おい、依頼を受けたいんだが邪魔だ。どけ」
おれがコミィとやらにそう言うと、周りの人がギョっとして目を開いてるのが分かった。
だってこいつ邪魔なんだもん。
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