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転生してスローライフ  作者: 火川蓮
第四章

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chapter27 魔物の脅威

※衛兵のリーダー視点です

木々が途切れかけていた。

視界の先に、開けた光が見える。

森の入口だ。


「……抜けるぞ」


誰かが小さく息を吐く。

――その瞬間。


「来るぞ!」


声が裂けた。

直後、影が飛び出した。

一体ではない。

二体、三体――


「っ、多い!」


盾がぶつかる。

重い衝撃。


「押し返せ!」


槍が突き出される。

一体、倒れる。

だが――


「まだ来る!」


横から、さらに飛び込んでくる。


「くそっ……!」


体勢が崩れる。


「後ろだ!」


逃げようとした先に、影。


「っ!」


反応が遅れる。

肩に衝撃。


「ぐっ……!」


一人がよろめく。


「立て!」


腕を掴み、引き戻す。

だが、間がない。

次が来る。


(さっきと違う……!)


数が増えている。

間がない。

考える余裕もない。


「固まれ!」


リュシェアの声が飛ぶ。

だが、押される。

一歩、下がる。

その隙を突かれる。


「くっ……!」


さらに一歩。


「抜けるぞ!止まるな!」


叫ぶ。

止まれば終わる。


「前に出ろ!」


隊が無理やりまとまる。

ゴブリンを弾く。

押し返す。

だが、すぐ次が来る。


「なんなんだよこれ……!」


誰かが叫ぶ。

答えはない。

ただ、来る。

途切れずに。


「右に寄れ!道を作る!」


リュシェアが怒鳴る。

隊が寄る。

押し切る。

前へ。

ゴブリンを弾き飛ばす。


「走れ!」


そのまま踏み出す。

光の中へ――

転がるように、森を抜けた。


「はぁ……っ、はぁ……!」


荒い呼吸。

誰もすぐには動けない。


「……無事か」


確認の声。

返事は、まばらだった。

一人、膝をついている。

肩から血が流れている。


「……やられたか」


浅くはない。

戦線に戻せる傷ではない。


「……くそ」


誰かが吐き捨てる。

森の方を見る。

影は出てこない。

追ってもこない。

だが――


「……おかしい」


リュシェアが低く呟く。

あれだけ来ていたのに、

外に出た途端、止まった。


(……境か)


確信はない。

だが、違和感だけが残る。

森の奥を見つめる。

木々の隙間。

その奥に――

何かがいるような気がした。

だが、見えない。


「……戻る」


短く言う。


「これ以上は無理だ」


誰も反論しない。

できるはずがない。


「報告を上げる」


一拍置く。


「……冒険者ギルドに回す」


その言葉に、誰もが息を吐いた。

それはつまり――

自分たちでは手に負えないということだった。

森は静かだった。

だがその奥には、

確かに“何か”がいる。

誰もが、それを理解していた。

読んでくれた方ありがとうございます

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