短編 俺と冬の決意
今回は短く、冬との恋人関係を風夜はどうやって解決するのか。
そんなところを書きました。
※明らかにおかしな点を修正しました。
美奈が癒菜先輩の家に泊まった日。
あれから時間は刻々と過ぎて言って、夏休みまでもう三日となってしまった。
しかし冬は一向に食い下がろうとしない。
それもそうか。小さい頃からずっと俺に想いを寄せていて、やっと結ばれたんだ。
そう簡単に別れることなんてできない。
三日以内に決めるか、それ相応の理由を言わないと、二人とも幸せにはなれない。
今日は夏休み前だけあって、各クラスの生徒が、担当場所を清掃している。
今日は俺と冬の二人で、使われていない教室を掃除している。
言うなら今かもしれない。
前にうちに泊まった時に、冬には美奈の事情を伝えてある。
それで食い下がってくれると思っていたが、俺が甘かったらしく、逆効果だった。
俺は窓を拭いている冬へと歩みよった。
「なぁ冬―――」
「いーーやっ!」
即答だった。
何か話そうとしても、冬はこの一言で逃げてしまう。
「冬っ!!」
いきなり大きな声を出したことで、冬は体をびくっとさせた。
そろそろ限界だ。
こうしている間にも、美奈といられる時間は消えていく。
――――今日は絶対に逃がさない。
俺は冬の両肩を強く握った。
「なぁ、聞いてくれよ! 時間がないんだ! わかるだろうっ?」
いつも見せない焦りと、少し怒りの入り混じった声で、冬に言った。
冬は驚いた表情のまま俺をじっと見ている。
「・・・美奈には時間がないんだ。だからこの一年は、ずっと美奈といてやりたい。本当はこんな掃除放棄して、美奈といたいくらいそれくらい、一緒にいてやりたい」
美奈のことを知らない冬は、キョトンとしていた。
そこで俺は、最後の手段だと思い、美奈のことを冬に伝えた。
「だから頼む、今ある時間を、大切にしたいんだ!」
俺は真剣に、視線を冬の瞳を見て言った。
逃げようにも、肩をつかまれていて、逃げれないだろう。
「———てるよ、わかってるわよそんなこと! 風夜がどれだけミーナのことを悔やんでたか、だからいってることも理解できるし信じるよ、でも・・・でもっ!!」
今度は逆に、冬が大声で俺に訴えかけるように言った。
「それじゃあ、私の気持ちはどうなるのっ!? いやいやで付き合って―――――それで・・・・・。」
「っ・・・・・」
冬を泣かせてしまった。
今までどんな時も、一時も泣かせたことなかったのに、はじめて泣かせた。
俺は胸が苦しくなる。
こんなつもりじゃなかった。
「ごめん・・・・でも、いやいやじゃなかった。俺だって冬のこと好きだし・・・・でも、たまたま状況が悪かったんだ。 こんなこと、神しかわからないことだよ」
実際、美奈を転生させたのは神なわけだが。
冬の気持ちは痛いほどわかる、でも、美奈をほっとくことなんてできない。
あんな別れ方をして、やっと謝れると思うから、償いことができるかもしれないから。
だから、冬には悪いけど。
今は美奈のために何かしてあげたい。
「冬、俺、美奈に謝りたいんだ、償いたいんだ、俺がもっとしっかりしてれば、美奈もちゃんとした別れ方ができただろうし、今のこの状況にならずに、冬だって幸せになれたんだ。」
「え? 風夜?」
「この状況は、全部俺が起したことだ、責任はとる、でも、今は、時間が限られている美奈から責任を取っていきたいんだ!」
俺は冬に頭を下げた。
冬は涙を拭いて、後ろを向いた。
「一つ聞いていい?」
「なんだ?」
急な冬からの質問。
なにがくるかわからない。
「私が美奈の立場でも、そうしてくれた?」
「えっ?」
それはどういうことだろうか。
まさか冬も何かの病気で余命が――――。
「あっ! 誤解しないでね、私別に余命とかないから!」
その言葉を聞いてひとまず落ち着いた。
もしも冬まで一年なんて言い出したら、悩みすぎて俺、壊れる。
「それで、答えは?」
「もちろん同じことをするさ!」
それを聞くと、冬はこっちに向き直り、夕日をバックに笑顔でこう言った。
「わかれましょう?」
その言葉に返す言葉は一言————————。
「あぁ、わかった」
俺も笑顔で答えた。
いよいよ次回からは夏休み編!
海に水着に浴衣!
最高の季節ですね!




