24話 テレビの裏側
テレビの裏側
春男の家にあるテレビは新しい。買ってから、ここ一年くらいな物じゃないだろうか。そして、滅多にみていないようだ。大学生時代は、テレビどころじゃないと買わなかったそうだ。一体、どうやったらそんな生活が送れるのか、オレには想像も出来ない。
テレビがついていなかった時間のほうが短いくらいだというのに。
「この間、父さんから電話があってね。」
急に春男が言い出した。あいかわらず、急に話し出す男だ。ついでに、パソコンを打つ手が止まっていないというところも、あいかわらずだ。
「テレビを点検してもらえって言い出したんだ。」
「点検?壊れたのか?」
そんな話は聞いていなかった。壊れたなら、真っ先に自分から言い出すだろう。
「全然。」
「だろうな。なんで点検なんだ?」
「この間、僕の実家の方のテレビが壊れたんだ。ま、五年以上たったから壊れたのは、まぁ、まだ理解できるんだけど、その時に後ろを開けたらしいんだ。」
「テレビのか?」
「そう。そうしたら、ものすごい埃だったそうで、父さん、絶叫したらしい。ついでに、閉める前に、掃除させてくれって懇願したらしいよ。」
埃で絶叫?そんなにすごいものなのだろうか。
春男の父親はきれい好きだ。部屋は隅から、春男の母親にばれないように、こっそりと掃除をしている。そんなところに、埃があるとは思っていなかったのだろうか。それとも、想像以上にあっただけのことだろうか?
「それで、なんで、お前のところに電話が来るんだ?」
「後ろを開けて、掃除しろってさ。買ってから、そんなに時間もたってないし、掃除しても無駄って言ったんだけど、どうしても聞き耳持たなくてねぇ。だいたい、そんな暇もないんだけどねぇ。」
「なんで、無駄なんだ?」
「テレビをつけると、静電気が発生して、それに埃がやってくるみたい。だから、掃除しても、テレビをつけたら、また埃がつくだけだよ。」
オレは知らなかった。
「なんで、そんなこと知っているんだ?静電気とか。」
「友人に、電気屋の娘がいる。」
納得した。いつか、こいつの友人の一覧表を作ってみたら、なんてバラエティにとんだ、メンバーに仕上がることだろうか。
もしかして……そのなかに、オレも?絶対に、いやだ!
「それにしても、テレビの裏側なんて、めったに見るもんじゃないからな。人に見られるわけじゃあるまいし、そんなに掃除しても意味がないんじゃないか?」
「僕もそう思う。でも、今度、父さんが来たら絶対に掃除してから帰るだろうなぁ。」
めずらしく、今回は春男がため息をついた。
「勝手にしてくれるなら、それでいいじゃないか。」
「だって、相手は埃だよ?完全に除去できるもんでもないだろうしさ、逆に埃が舞って、パソコンに影響が出ることのほうが、僕には問題だよ。」
「そのときは、外で掃除してもらえ。」
たしかに、春男はパソコンで作品を打っている。パソコンが止まるであろうことを考えてから、オレは結構本気で言った。たしかに、止まってもらっては困る。作品が出来なくなるじゃなないか!




