# 第九話 天才魔法使いリリナ
# 第九話 天才魔法使いリリナ
朝。
レインたちは王都へ続く街道を歩いていた。
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「王都かぁ」
レインが空を見上げる。
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「楽しみだな」
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ガルドは呆れる。
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「お前は緊張しないのか」
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「するぞ?」
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「全然見えねぇ」
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「でもワクワクの方が大きい!」
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ガルドは頭を抱えた。
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「その性格どうなってんだ」
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ミリアがクスクス笑う。
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そんな時だった。
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ドォォォォン!!
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遠くで爆発音。
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地面が揺れた。
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「なんだ!?」
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レインたちは走る。
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森の広場。
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そこにいたのは。
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一人の少女だった。
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長い金髪。
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青い瞳。
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黒と紫のローブ。
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年齢は十六歳ほど。
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かなり美少女。
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だが。
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「うわぁぁぁぁぁ!!」
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必死に逃げていた。
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後ろには巨大なゴーレム。
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高さ五メートル。
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岩の巨人。
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「死ぬぅぅぅぅ!!」
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レインは思わず叫ぶ。
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「助けるぞ!」
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「またかよ!」
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ガルドがツッコむ。
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しかしもう遅い。
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レインは飛び出していた。
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「大丈夫か!」
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少女は振り返る。
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そして。
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第一声。
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「遅いわよ!!」
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「え?」
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「もっと早く来なさい!」
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「ええ!?」
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レインが固まる。
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助けに来たんだけど!?
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少女は指をさした。
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「とにかくあれ倒しなさい!」
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「命令!?」
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「当然でしょ!」
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ガルドが笑いを堪えている。
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「面白ぇ女だな」
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少女は睨む。
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「誰が女よ!」
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「女だろ」
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「そうだけど!」
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レインは混乱していた。
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なんなんだこの人。
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すると。
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ゴーレムが拳を振り下ろす。
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ドォォォォン!!
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地面が砕ける。
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「危ねぇ!」
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レインが少女を抱えて回避。
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その瞬間。
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少女の顔が真っ赤になる。
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「なななななっ!?」
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「大丈夫か!?」
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「離れなさい!」
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「えっ」
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「今すぐ!!」
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レインは慌てて離れる。
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ミリアが少しだけ頬を膨らませた。
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ガルドはニヤニヤしている。
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少女は咳払いした。
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「私はリリナ・エルフィード」
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胸を張る。
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「王国最高峰の魔法学院を首席卒業した天才魔法使いよ!」
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レインが感心する。
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「すげぇ!」
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「当然よ!」
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「じゃあなんで逃げてたんだ?」
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リリナが黙る。
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沈黙。
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そして小声。
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「魔法の実験失敗した」
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「お前かぁぁぁぁ!!」
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全員が叫んだ。
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ゴーレムはリリナが生み出した暴走魔法だった。
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「ちょっと失敗しただけよ!」
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「全然ちょっとじゃねぇ!」
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ガルドがツッコむ。
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しかし。
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その時。
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ゴーレムの身体が赤く光り始めた。
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アストラが叫ぶ。
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『まずい!』
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『暴走が進んでいる!』
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『このままでは自爆するぞ!』
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レインの顔色が変わる。
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「自爆!?」
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リリナも青ざめる。
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「そんなはず……」
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「あるみたいだぞ!」
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ゴーレムはさらに巨大化していく。
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森全体が揺れ始めた。
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このままでは周辺一帯が吹き飛ぶ。
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レインは剣を握る。
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ガルドも前へ出る。
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ミリアも祈るように手を組む。
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そしてリリナは唇を噛む。
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「私の失敗」
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「私が止める」
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その瞳には強い決意が宿っていた。
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レインは笑う。
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「一人じゃないだろ」
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リリナが驚く。
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「え?」
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「仲間だろ?」
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まだ出会って数分。
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それなのに。
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レインは当たり前のように言った。
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「一緒にやろう!」
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リリナは呆れた。
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本当に。
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馬鹿みたいな男だ。
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でも。
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少しだけ。
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嬉しかった。
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# 次回予告
## 第十話 四人目の戦い
暴走ゴーレムとの死闘!
レイン、ガルド、ミリア、リリナ。
四人の力を合わせた初めての戦いが始まる!
そしてリリナが抱える秘密が少しずつ明らかに――。
次回――
**『四人目の戦い』**
「失敗したなら、もう一回やり直せばいい!」
「そんな簡単に言わないでよ!」
「俺は何度でもやるぞ!」
四人の冒険、ついに本格始動!




