# 第八話 初めての仲間
# 第八話 初めての仲間
巨大な魔物が咆哮する。
森の木々が震えた。
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「来るぞ!」
レインが叫ぶ。
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猪型の魔物は一直線に突っ込んできた。
まるで暴走する岩だ。
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ガルドが前へ出る。
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「レイン!」
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「おう!」
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なぜか息が合った。
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レインが左へ飛ぶ。
ガルドが右へ回る。
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魔物の視線が揺れる。
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その隙だった。
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「はぁぁぁぁっ!!」
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レインがアストラを振るう。
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光の斬撃。
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魔物の肩を切り裂く。
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「グォォォォォ!!」
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怒り狂った魔物がレインへ向く。
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だが。
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「こっち見ろ!!」
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ガルドの大剣が炸裂。
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ドォォォォン!!
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魔物の頭部へ直撃。
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レインは思わず目を丸くした。
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「すげぇ……」
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見たことのない力。
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豪快。
単純。
だが圧倒的。
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ガルドは笑った。
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「まだまだだ」
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そして。
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大剣を構える。
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「合わせろ」
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レインは頷く。
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言葉はいらなかった。
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二人は同時に走る。
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レインが正面。
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ガルドが側面。
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そして――
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「おおおおおっ!!」
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「うらぁぁぁぁ!!」
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二つの剣が交差する。
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ズバァァァァン!!
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巨大な魔物は悲鳴を上げ。
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静かに崩れ落ちた。
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勝利だった。
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しばらく沈黙。
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そして。
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レインが笑う。
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「やったぁぁぁぁ!!」
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ガルドも笑った。
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「ははは!」
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ミリアも駆け寄る。
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「二人ともすごかった!」
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こうして。
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三人は焚き火を囲んでいた。
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夜。
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星空。
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穏やかな時間。
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レインはパンをかじる。
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ガルドは肉を焼いている。
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ミリアは楽しそうに見ている。
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なんだか。
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家族みたいだった。
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しかし。
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レインは気付いていた。
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ガルドの目。
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時々だけ。
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とても寂しそうになる。
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まるで。
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何かを失った人の目だった。
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「なあ」
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レインが聞く。
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「一人旅なのか?」
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ガルドの手が止まった。
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「……ああ」
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短い返事。
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「仲間は?」
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沈黙。
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焚き火の音だけが響く。
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そして。
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ガルドは呟いた。
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「昔はいた」
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ミリアも静かになる。
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「守れなかった」
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ガルドの拳が震える。
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「俺が弱かったから」
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レインは何も言わない。
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ガルドは続ける。
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「だからもう作らねぇ」
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「仲間なんて」
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「失うだけだ」
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その言葉は重かった。
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本当に辛い経験をしたのだろう。
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だが。
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レインはレインだった。
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「じゃあ」
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ガルドが顔を上げる。
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「俺たちと旅しよう」
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「断る」
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即答だった。
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「早っ!?」
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ミリアが吹き出す。
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「ふふっ」
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ガルドも少し笑った。
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「お前な」
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「俺の話聞いてたか?」
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「聞いてた」
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レインは真っ直ぐ答える。
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「だから誘う」
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ガルドは眉をひそめる。
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「意味分かんねぇ」
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レインは笑った。
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「失うのが怖いから仲間を作らないなら」
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「一生一人だろ」
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焚き火が揺れる。
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「でもさ」
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「仲間って」
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「失うかもしれないから大切なんじゃないか?」
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ガルドは言葉を失った。
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ミリアも静かに聞いている。
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レインは続けた。
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「俺は怖い」
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「傷付くのも」
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「失うのも」
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「でも」
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拳を握る。
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「それでも一緒に笑いたい」
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「だから仲間が欲しい」
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ガルドはしばらく黙っていた。
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長い沈黙。
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そして。
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「本当に馬鹿だな」
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呆れたように笑う。
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「よく言われる!」
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「だろうな」
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その夜。
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ガルドは初めて少しだけ心を開いた。
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そして。
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運命は動き出す。
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翌朝。
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王都へ向かう街道。
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その先で。
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彼らは新たな仲間。
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天才魔法使い。
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リリナ・エルフィードと出会うことになる。
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# 次回予告
## 第九話 天才魔法使いリリナ
王都への道中。
レインたちの前に現れた少女。
美人。
天才。
そして超が付くほど口が悪い!
しかし彼女には誰にも言えない秘密があった。
次回――
**『天才魔法使いリリナ』**
「私を助けなさい!」
「初対面だよな!?」
「だから何よ!」
新たな仲間、登場!




