# 第七話 大剣使いガルド
# 第七話 大剣使いガルド
「た、助けてくれぇぇぇぇ!!」
森の中に響く絶叫。
レインとミリアは全力で駆けていた。
木々を抜けた先。
そこにいたのは――
大男だった。
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身長は二メートル近い。
筋肉の塊。
背中には巨大な大剣。
顔には傷跡。
どう見ても強そう。
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なのに。
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「ぎゃああああ!!」
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全力で逃げていた。
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その後ろには巨大な猪型の魔物。
体長三メートル。
真っ赤な目。
巨大な牙。
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「どういう状況だ!?」
レインが叫ぶ。
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大男も叫ぶ。
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「見りゃ分かるだろ!」
「追いかけられてんだよ!」
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「なんで!?」
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「昼寝してたら踏んだ!」
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「何を!?」
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「子供!」
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「最低じゃねぇか!!」
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「わざとじゃねぇ!!」
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ミリアが思わず吹き出した。
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「ぷっ……」
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こんな状況なのに少し面白い。
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だが魔物は待ってくれない。
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ドォォォン!!
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突進。
地面が揺れる。
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「うわああああ!!」
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大男が転ぶ。
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魔物が牙を向ける。
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「やばっ」
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レインは飛び出した。
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ガキィィィン!!
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アストラで受け止める。
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「大丈夫か!?」
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「お、おう!」
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大男は目を丸くした。
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「お前……助けるのか?」
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「当たり前だろ!」
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「初対面だぞ?」
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「関係ない!」
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レインは笑った。
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「困ってる人は助ける!」
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大男は呆れた顔になる。
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「馬鹿だな」
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「よく言われる!」
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「だろうな!」
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初対面とは思えない会話だった。
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その時。
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魔物が再び突進してくる。
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『右だ!』
アストラが叫ぶ。
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レインが回避。
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だが。
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魔物の狙いは別だった。
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ミリア。
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「きゃっ!」
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レインの顔色が変わる。
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間に合わない。
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そう思った瞬間。
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ゴォォォン!!
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巨大な剣が振り下ろされた。
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魔物が吹き飛ぶ。
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土煙。
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その中心に立っていたのは。
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大男。
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「女を狙うとはな」
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大剣を肩に担ぐ。
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「気に入らねぇ」
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レインが驚く。
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「戦えるじゃないか!」
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「誰が戦えないって言った」
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「さっき逃げてたじゃん!」
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「作戦だ!」
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「絶対違う!」
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ミリアが笑う。
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なんだか賑やかだ。
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そして。
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大男は大剣を構える。
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「ガルドだ」
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「ガルド?」
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「俺の名前だ」
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ニヤリと笑う。
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「借りは返す主義なんでな」
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レインも笑った。
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「レインだ!」
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「ミリアです」
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ガルドは少しだけ驚いた。
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こんな自己紹介を戦場でする奴らは初めてだった。
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「変な奴らだな」
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「よく言われる!」
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「だろうな!」
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そして。
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三人は並ぶ。
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巨大な魔物を前に。
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初めての共闘。
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レインが剣を構える。
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ガルドが大剣を担ぐ。
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ミリアが祈るように手を握る。
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夕陽が森を赤く染めていた。
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まだ小さなパーティー。
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だが。
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いつか世界を救う英雄たちの最初の一歩だった。
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# 次回予告
## 第八話 初めての仲間
レインとガルドの共闘!
しかしガルドには誰にも話していない過去があった。
なぜ彼は一人で旅をしているのか。
なぜ仲間を作ろうとしないのか。
そして戦いの後。
レインはとんでもない提案をする!
次回――
**『初めての仲間』**
「俺たちと一緒に旅しよう!」
「断る」
「即答!?」




