44-2・タッグ模擬戦~美穂の思惑~麻由と妖気
-夜・運動公園-
ゲンジ(紅葉)とセラフ(麻由)が並び、向かい合わせでHAバルミィとマスクドジャンヌが並んでいる。夕方に美穂を訪ねて聞いた提案は、「紅葉と麻由でタッグを組み、バル&ジャンヌコンビと模擬戦をする」だった。撮影は真奈が担当する。
「まさか、私と紅葉で組んで、ミーメさん達と戦う事になるなんて」
「ダイブ大騒ぎになってきちゃったね~」
「『昨日の友は今日の敵』という事だな」
「ばるるっ!『敵』として戦うんじゃなくて特訓ばるっ!」
「じゃ、早速始めるよ!」
模擬戦開始!あくまでも「ゲンジの薙刀スキルを上げる」のが目的なので、ゲンジは巴薙刀を構えて、ジャンヌに向かって突進をする!セラフは「薙刀スキルアップ」は課せられてないが、ゲンジに影響されて静薙刀を構えた!
一方、バルミィが飛び上がりながら、右手甲から光弾を放ってゲンジとセラフを牽制する!ゲンジは脇に回避した為に突進速度が遅くなり、セラフ後ろに引いて回避した為に足が止まる!そこへマスクドジャンヌが突進して、セラフに向かって剣を振り下ろした!セラフは慌てて薙刀の柄で防御をするが、踏ん張れずに体勢を崩す!ジャンヌは容赦の無く、ガラ空きになったセラフの腹を蹴って弾き飛ばすと、すかさず踵を返して今度はゲンジに突進!ゲンジの巴薙刀の柄と、ジャンヌのフィエルボワソードの切っ先が、火花を散らせてぶつかる!
この模擬戦には、美穂からそれぞれに課題が出されていた。ジャンヌとバルミィへの注文は「力押しの勝負をするのではなく、徹底的にゲンジとセラフの嫌がる戦いを心掛ける」と「殺さない程度の手心は加える」こと。
ゲンジは接近戦での瞬発力は高いが、飛び道具が消耗の激しい必殺技ばかりなので、バルミィが遠距離戦に持ち込むべき。セラフは接近戦が苦手なので、ジャンヌが剣や槍で攻めるべき。
だが、自分の弱点くらい、ゲンジやセラフでも把握している。教科書通りの「苦手な戦い」に応じるつもりはない。
「私はミーメさんを担当します!紅葉はジャンヌをお願いします!」
「ういっす!」
一方のバルミィ&ジャンヌも、ゲンジやセラフですら気付くような、誰でも解る戦いをする気なんて無い!特に打ち合わせるまでもなく暗黙の了解で、ハナっからバルミィがセラフを、ジャンヌがゲンジを相手にするつもりだ!
「予想通りの動きばるっ!」
「フッ!これぞ『飛んで火に入る夏の思い出』ですね!」
「もはや、ことわざでも何でもないよ、ジャンヌさん!」
「『夏に危険な恋をして火傷しちゃった思い出』みたいな意味になるばるっ!」
ゲンジが繰り出す薙刀の突きを、ジャンヌが剣で凌ぐ!突きの一辺倒だけではなく、時折、薙ぎ払いを混ぜてくる!
2日間で美穂に仕込まれたので以前よりも手強くなっている。しかし、あくまでも「以前より」でしかない。小刀や徒手空拳で瞬発的に仕掛けてくるゲンジは厄介だが、まだ扱いきれていない薙刀の攻撃は、それほど怖くはない。ジャンヌは剣スキルはネメシスほど達者ではないが、それでもゲンジの薙刀を受けることは出来る。
紅葉が美穂から与えられた課題は、「薙刀の特訓を忘れるな!」のみ。「ウルティマバスター禁止」って課題でも良かったが、あえて頭ごなし禁止するのではなく、最大の弱点とも言える「カッカしてオーバーキル発動」を自主的に封じるように仕向けた。
「とぇぇぇぇっっっっっっ!!」 「ふぅんっ!」
最初はジャンヌを防戦一方にして追い詰めていたゲンジだったが、一発も体に当てられないのでイライラして薙刀捌きが徐々に力任せになってくる!好機と見たジャンヌは、ゲンジの突きを剣で受け止め、そのまま刀身を薙刀の柄に滑らせながら、ゲンジの懐に飛び込んだ!ゲンジは薙刀をジャンヌに支配されている為に為す術も無く踏み込まれ、腹に膝蹴りを食らって弾き飛ばされる!こんな時は、薙刀を手放してでも退くべきなんだろうけど、薙刀に拘りすぎてしまった。
「美穂の時と同じことされたっ!」
「成長していないということだ!」
「ふぬぬぬぬぬぬっっ!まだまだっ!」
「無論です、ク~チャン!これで『降参』と言わせるつもりはない!」
立ち上がり、薙刀を上段で構えるゲンジ!上段は攻撃的な構えなのだが、ゲンジは知った上で構えているのだろうか?いや、多分、何の知識も無いまま「自分が攻撃しやすい構え」をしているのだろう。
「ク~チャンが嫌がる攻撃をすれば良いわけだな!」
ジャンヌは、ナイフを1本取り出して念を込め、ノイエ・ペティ・ディアブル(黒炎の小悪魔達)を1発だけ放った!意思を持ったナイフが、不規則な軌道でゲンジに向かって飛ぶ!ゲンジは「接近戦を仕掛けつつ、死角からナイフで襲うつもりか?」と判断して、すかさず動いてナイフを叩き落とした!
「攻撃的な構えは、崩された瞬間にその構えの利点が消滅する!」
「んぁっっっっ!!!?」
薙刀を振るってナイフを叩き落とした直後のゲンジに、ジャンヌが突進をしてきた!素早く対応するゲンジ!しかし、ジャンヌに指摘された通り、攻撃的構えを崩した為にジャンヌの素早い剣閃に対して防戦一方になり、思うように攻撃に転じることが出来ない!やがて、薙刀のリーチの内側に入り込まれ、顔面に肘撃ちを喰らって弾き飛ばされてしまう!この場に美穂が居たら「これで2回死亡」と言われただろう。
「徒手空拳か小刀に切り替えれば、対応出来たのでしょうが、
あえて薙刀に拘る気構えは見事!
ですが、それならば、上段に捕らわれず、
状況次第で、防御から攻撃に転じやすい構えに変えるべきだ!」
ジャンヌは「ナイフが飛んだ時点で中段の構えに変えるべきだった」と言っている。ジャンヌは、剣技においては“素人よりはマシ”程度だが、槍捌きは達者だ。薙刀と槍で構えは別だが、それでも、剣・薙刀・槍のどれについても、攻撃的な構えや防御に優れた構えがあるのは同じ。
ゲンジはマスクの下で悔しそうな表情を浮かべながら、立ち上がって再び構える。
一方、セラフはHAバルミィのヒット&アウェイに翻弄されていた。バルミィは遠距離で発する光弾でセラフの足を止め、猛スピードで接近してレーザー剣を振るう!セラフの薙刀の技量では、バルミィのスピードにまるで追い付けないので、薙刀を捨てて小太刀を構えてどうにか応戦する!宙に飛んだバルミィに対して矢を放つが、弓から離れた矢は1m程度飛んで消えてしまう。矢を射る為に動きが止まったセラフの足元に、バルミィの光弾が着弾!セラフが、爆風に煽られて転倒したところにバルミィが接近をして、レーザー剣の切っ先を突き付ける!
「ばるっ!これで、8回死亡ばるよっ!」
「・・・くっ!これでは戦う手段が無いっ!」
美穂が麻由に課した注文は「光の力以外で戦え」である。他の3人の課題と比べて、麻由の課題だけが異常に難易度が高い。急に「光の力を使用禁止」って言われても、他の力なんて使えるわけが無い。四苦八苦して光とは違うんだけど何の属性かよく解らない曖昧な力が宿った矢を放つが、安定してない上に麻由の迷いがモロに表現されて、放った直後に消えてしまう。戦いの「た」の字も知らない一般人の小娘が騒いでいるだけって有様だ。
バルミィとジャンヌが、アイコンタクトで連携を取るのに対して、ゲンジとセラフは、翻弄されっぱなしで、何一つコンビネーションを発揮出来ず、結果は、ゲンジは7回死亡、セラフは29回死亡という酷い有様で、その日の訓練は終わった。
-文架総合病院-
バルミィが持ってきた動画を見た美穂は、「へぇ~」と嬉しそうに感心をした。
「今日の特訓、どう思った?」
「2人とも“持ち味”をまるっきり封じられてるから、全く攻撃できてないばる。
でも、紅葉の方は、悪くないように思えるばるね。
ジャンヌもそう言ってたばる」
「うん。悪くない。
苦し紛れでバルミィとジャンヌ頼んだけど、
ジャンヌとの接近戦は、紅葉にとっては相性が良いみたいだな」
ジャンヌの剣技は、ネメシス(美穂)には劣る。だけど代わりに、ジャンヌは武器に黒炎を帯びさせて、刃先から攻撃を飛ばすことが出来る。
紅葉は、意識しているわけではないが、本能でジャンヌの切っ先の怖さを知っている。いつもの紅葉ならば、幾度も剣を交える前に別の攻撃手段に転じるだろう。だが、「薙刀の特訓」が前提なので、必然的に切っ先を交える機会が増える。ジャンヌと剣で切り結ぶゲンジは、無意識にジャンヌの剣先が自分の急所に向かないように裁いたり、回避しているのだ。その結果、ジャンヌがゲンジの体勢を崩す一撃は、剣の間合いよりも懐に入った拳や蹴りになっている。拳や蹴りならば、喰らっても致命打には至らない。ネメシスとの特訓でゲンジが薙刀をシッカリと構えられるようになったから、ジャンヌの剣を裁けるようになった。つまり、紅葉は剣に対する防御や回避を体で覚えつつあるのだ。このまま上手くスキルアップすれば、幽姫の剣スキルを無力化出来るかもしれない。
「そんで、麻由の方はどう感じた?」
「麻由は特殊能力が全く使えないから、どうにもならないばるよっ!
チョット、課題の難易度が高すぎないばるか?
ただでさえ、戦うのが苦手な子ばるよ。
理力コントロールなら器用に出来ているけど、
いきなり他の力を発揮するってのは、さすがに無理ばるねぇ」
「まぁ~ね。
だけど、今回の紅葉の特訓は、最終的には麻由頼みってのがあってさ。
それに・・・動画を見る限り、麻由の動きも悪くはないかな。
バルミィは、どんな些細でも良いから、いつもと違うところ、感じなかった?」
「う~~~~~~~~ん・・・
言われてみれば、いつもよりは、積極的に攻撃をしようとしてたばるかな?
だけど、いくら積極的でも攻撃が実を結ばなくて・・・」
麻由は光以外の攻撃をしなければならないって状況下で、別の力を試さなきゃならない強迫観念から、いつもよりも積極的に攻撃をしている。これはこれで偶然の産物だが、超スロースターターの麻由にしては珍しい行動だ。
「アイツ(麻由)は追い詰められて選択肢が無くなるほど腹が据わる。
もっと言えば、一択しか無いと底力を発揮する」
「まぁ、確かに・・・逆を言うと、選択肢があると、
だいたい、ダメな方を選んじゃってるばるね」
「そして、性格がチョット捻くれてるせいで未だに自分の強さに気付いてない」
「それはボクも認めるばるよ」
この特訓は、美穂が紅葉に丁寧に教えられなくなった為に、取って付けたような代用だった。だけど、結果的には、美穂が紅葉に指導をしてた時によりも良いペースに転じている。再戦前日は、何とか美穂も特訓の最終段階に立ち会いたい。その為にも早く体調を戻さねばならない。
美穂は、明日の特訓もバル&ジャンヌに一任して、シッカリと体を休めることにした。
-麻由のマンション-
麻由が浴槽に浸かりながら、疲れ切った表情で溜息をつく。
特訓の結果は「29回死亡」。紅葉は「7回死亡」。何度も気持ちが折れそうになった。訓練の対象が麻由1人だったら折れていただろう。だけど「負けても頑張っている紅葉」を見て、どうにか気持ちを維持した。
「・・・勝てるわけがない」
悔しくて仕方がない。散々な結果が不甲斐なくて、帰宅をした後もジャンヌとは満足に会話をしていない。
惨敗の原因はハッキリしている。美穂から「光の力は使用禁止」を課せられた為、戦う手段が全く無いのだ。全員が「特殊異能力の使用禁止」を課せられたとしても、接近戦が苦手な麻由が不利なのは覆らないのに、麻由だけが「禁止」では手も足も出ない。
「美穂さんは、何を考えて、こんな課題を・・・?」
美穂が“麻由に意地悪”をしているとは思えない。麻由は湯に浸かったまま、今日の特訓を振り返る。
「・・・・・・・・・あれ?・・・今日の特訓って?」
紅葉が課せられたのは「薙刀のスキルアップ」。ジャンヌとバルミィは「紅葉&麻由が嫌がる攻撃」と「殺さない程度の手心は加える」こと。比較的自由度が高い課題だが、紅葉は薙刀使用に拘って、ウルティマバスターの類いを発していない。
ジャンヌも「殺さない程度の手心は加える」が効いているらしく、殺傷能力の高い必殺技は使っていない。バルミィも同じく、飛行能力と光弾は使ったがフリーズ凍結光線や分身などの特殊スキルは使っていない。
つまり、この模擬戦で麻由が特殊スキルを使えれば、圧倒的に有利になる。
「だけど・・・光の力以外なんて、どうやって?」
麻由が認識している“理力”以外の力は、紅葉の“妖力”とジャンヌの“魔力”だ。特訓の時は「光の力禁止」に動揺をして、自分でもよく解らない曖昧で脆弱なパワーを放ってしまった。あれは、理力でも妖力でも魔力でもない。強いて言えば、麻由が認識するパワーがごちゃ混ぜになって、パワーの内部で反発をして潰し合い、まともに飛んでいかなかったパワー。あれでは、発せられた直後に消滅をして当たり前だ。
天界人が、理力ではなく妖力や魔力を発揮するなんて可能なのか?結論から言えば可能だ。ゲンジは、浄化が必要な妖怪討伐時には、妖力をYスマホで光の力に変換して使っている。ジャンヌは、麻由の理力を依り代の懐中時計で魔力に変換して、エネルギー供給と自身の体の維持をしている。
「今まで考えたことも無かったけど・・・
何かを通して変換をすれば、私にも光の力以外が扱えるようになる?」
だけど、ここまで思案が到達しても、疑問点が2つ残る。1つは「どうやって変換するか?」。もう1つは「どんな理由があって、変換が必要なのか?」である。
「美穂さんは・・・一体、何の為に?」
今までの付き合いで解る。美穂の指示には必ず、先々を見通した意味がある。美穂は意味の無いことや嫌がらせの類いは絶対にしない。まぁ、生活レベルでは、思い付きで全く意味の無いことや、嫌がらせをするけど・・・。
「そうか!そういうことか!美穂さんの魂胆が解ったわ!」
麻由の頭の中で、頭の中で全ての歯車が噛み合う。
リビングで、ジャンヌがテレビのお笑い番組を見て爆笑をしていたら(麻由が一緒に居ると見せてもらえない)、廊下から慌ただしい足音が聞こえて勢い良く扉が開き、麻由が駆け込んできた。
「ぬぅぅっ?そのような裸同然の格好でどうした?」
「ジャンヌ!今から特訓に付き合っていただけませんか!?」
麻由は、たいていは入浴でテンションをOFFにした後、本日の総括的な“もう一勉強”をしてから就寝をする。入浴後の外出など緊急出動以外には無いので、とても珍しい事だ。ジャンヌは「余程の理由があるのだろう」と察して、追及せずに引き受けた。
ただし、今テレビで見ているお笑いコンビのコントが終わるまで、もう2~3分は待ってもらう。
-数分後・サンハイツ広院-
「ぷくくくくっ!ぎゃははははははっっ!!」
紅葉がリビングで、ジャンヌが見ているのと同じテレビ番組を見て笑い転げていた。今日は特訓で疲れたから、この番組を見たあと、入浴をして就寝をするつもりだ。もちろん、勉強をするつもりなんて一切無い。パパは紅葉と一緒になって大笑いをしているが、ママは「うちの子は、今の状況を解ってるのだろうか?もう少し切羽詰まれや!」と内心イライラしている。
「んぁっっ!?」
突然、紅葉のアホ毛がピクンと震えた。続いて闇を根源とする人影のビジョンが頭に飛び込んでくる。
「妖怪!?」
サッシを開けてベランダに飛び出して精神を集中する。北西の方角、直線距離で3キロ弱。発生妖力から察するに、下級レベル。場所は麻由のマンションで、妖怪は・・・。
「セラフ?・・・麻由?なんで??」
紅葉の脳にハッキリとビジョンが浮かぶ。麻由のマンションの屋上で妖気を発生させているのはセラフだ。強大とは言えないが、天界人の麻由が妖気を発生させている。
(葛城さんね?) (へぇ、やるじゃん)
態度には出さないが、崇と有紀も察知していた。まだまだ、実戦で使えるレベルの妖力ではないが、老人依存という足枷が外れたからなのか、天の巫女は確実に成長をしている。
どんな手段で神族が妖力を扱えるようになった?紅葉が光の力を扱う場合は、Yスマホで妖力を理力に変換しており、紅葉自身の能力で理力を発しているワケではない。神の血族を敵視するつもりは無いし、現時点での顕在能力は紅葉の方が上だが、葛城麻由の才能は侮れない。このまま手放しで眺めていたら、彼女の顕在能力が紅葉を越えるのは遠い先ではないだろう。
3日後の再戦では、初戦よりも更に実戦寄りの戦いで紅葉を追い詰めてでも、真価を発揮させるべきか?ベランダの紅葉を見る有紀は、いつになく真剣な表情になっていた。
麻由のマンションの方向を眺める紅葉も真剣な表情になっていた。「今日はもう寝るだけ」のつもりだったが、麻由がまだ頑張ってるなら負けてられない。
「今日ゎ屋上に行ってお星様が見たい気分なのぉ」
「・・・はぁ?」 「ん?」
紅葉は、両親が不審に思わないように、年相応な乙女的な理由を言って玄関を飛び出していく。
-屋上-
屋上に出た紅葉は、ゲンジに変身をして巴薙刀を構え、素振りを始める。
今日の特訓では“薙刀の構え”を遵守してるうちは、ジャンヌの剣を凌ぐことは出来た。黒炎の小悪魔達が飛んで来ても、攻撃型の構えではなく、攻防一体か防御の構えなら対処が出来た。だけど、ナイフに対処してると、思い通りに攻撃が出来なかった。セラフが先に死んで(仮)、ジャンヌとバルミィに同時に攻められると、薙刀の構えを崩され、薙刀のリーチの内側(剣の間合い)に入られてしまった。
「バルミィとジャンヌの攻撃を押し返せなきゃ、イクサヒメにゎ勝てない!」
わずか1週間の特訓では薙刀の達人になれない事くらい、おバカさんな紅葉でもなんとな~く把握した。刃吾幻のスピードが相手では、防戦に徹しても、やがてはリーチの内側に入られてしまうだろう。ならば、どうするか?そもそも、防御は性に合わない。それなら攻めるしかない。武器スキルが劣ってる状況で、どう攻めれば隙を見せずに済む?
ゲンジは、仮想敵をイメージしながら薙刀を振り回し、自分らしい“攻防一体”を模索する。




