第6話 出会い
森の中―――
キンッ!キンッ!
剣と角が交錯し火花が散った。
額に2本の角が生えた狼『ブラッディウルフ』が、双刀の剣士に襲い掛かる。
剣士は右手の剣で受け流し、左手の剣で切りつけた。
しかし傷は浅く、再び襲ってくる。
「クッ!」
鋭い爪に肩をえぐられ、血が噴き出す。
「ハイポーション・・・」
剣士は薬を取り出し、傷口に振りかけた。
血は止まり、見る見るうちに傷が回復していく。
「ハァ、ハァ・・・薬はもう無い、か。」
剣士は髪をかき上げる。
美少女だった。
髪は濃紺の超ロングストレート。
サムライのようなポニーテール。
目は大きく長い睫毛、黒い瞳。
鼻はツンと高く、上品な口元。
背は低めでスリムな体型。
その体に似合わない刃渡りの長い日本刀を2本構えていた。
美少女剣士は周りを見回した。
10数頭のブラッディウルフ。
そして、体高2mはありそうな大型で真っ赤な熊『レッドグリズリー』が2体。
「さすがにヤバいな・・・」
1頭のブラッディウルフが飛びかかってきた!
その時だった―――
バシッ!
ブラッディウルフの目に石が命中!!
一瞬、敵が怯んだ。
剣で首元を切りつける!!
ブラッディウルフの首が地面に落ち、魔石が転がった。
「ねー、大丈夫ー?」
魔物の群れの後ろから少女が声をかけてきた。
「ああ、すまない!大丈夫・・・でもないが。」
魔物たちは、突然現れた少女に気を取られている。
その隙に、1頭のブラッディウルフを攻撃!
倒しきれない!
しかし、その勢いで群れを抜け、少女と合流した。
「さっきは、ありがとう。助かったよ。」
「良かった。私は真白。あなたは?」
「・・・ミオ。」
(ミオ?日本人・・・なわけないか。)
(てか、めっちゃ美少女!)
(可愛さの中に、凛とした美しさもあって・・・)
(そう。まさに『美桜』って感じ。)
(私の中で、勝手に変換しちゃお♪)
「ん?どうした、真白?」
「ううん、よろしくね。美桜!」
「ああ。でも、ここを何とかしないとな。」
いつの間にか、魔物たちに囲まれていた。
「ところで真白、キミは強いのか?」
「初めてだよ♡」
「え?初めてとは、どういう・・・」
「戦ったことないの。きっと弱いと思う。レベル1だし。」
「レベル?なんだそれは?」
「ほら、来るよ!」
ブラッディウルフが3頭!!
美桜が2頭の攻撃を受け止めたが、吹っ飛ばされる。
真白は1頭の攻撃をギリギリ交わしたが、木の根に引っ掛かりコロコロ転がる。
「え?え?怖いんですけど~」
「何か武器は・・・ナイフだけ!?」
「攻撃魔法とかは??ステータス!!」
ステータスウインドウが開いた。
「あれ?さっきはなかったのに、なんかある。」
ブラッディウルフが飛びかかってきた!
「マイクロカレントショック!」
真白がウルフに触れると、全身の体毛が逆立ちビリビリと感電。
動きが止まった。
「えいっ!」
ナイフで喉元をかき切る!
ウルフは絶命し、魔石が転がった。
「やった!」
「油断するな!!」
「え?」
背後からウルフが突進してくる!
ギリギリで角は交わせたものの体当たりされ、大きく吹っ飛んだ。
「ぐがっ!」
背中から木にぶつかり、大きなダメージ!
「う、う・・・ヒーリングマッサージ。」
光る手で自らの体を触ると、体力が回復するのを感じる。
「ふぅ、死ぬかと思った。」
ハァ、ハァ、ハァ―――
真白と美桜は奮闘するも、徐々にダメージが蓄積していく・・・
「ちょっと、ヤバいね。」
「ああ。」
「てか、狼、増えてない?」
「ああ。仲間を呼んだようだ。巻き込んで、すまない・・・」
「なに言ってんの。それより、ここを乗り切ったら友達になってよね。」
「え?友達・・・」
「リラクゼーションオーラ!」
優しい光が2人を包み、体力が回復した。




