第7話 相棒
西の洞窟―――
この場所は師範の・・・
そう。
師範が左腕と仲間を失った場所だ。
でも、どうして?
どうして私をここに・・・
「どうした?ボーっとして。」
「あ、いえ・・・」
「じゃあ、行こうか。」
「はい!」
今日は師範と2人。
師範のパーティーが崩壊した洞窟。
本当に2人で大丈夫だろうか・・・
10階層まで問題なし。
敵は少ない。
20階層まで問題なし。
敵は増えたが弱い。
30階層まで問題なし。
敵はさらに増え強くもなったが、私たちは圧倒していた。
私たちは既にAランクになっていた。
もしかして、かなり強いのかもしれない・・・
「おい、ミオ。油断するなよ。」
「は、はい!」
そうだ。師範は慢心して・・・
気を引き締めて行こう。
「ミオ。この先に階層の主、ダークドラゴンが居る。」
「ダークドラゴン・・・」
「俺は正直、怖い。」
「師範?」
「でも、お前のことは必ず守る。」
「・・・いえ。必要ありません。」
「何?慢心するな。」
「慢心ではありません。」
「じゃあ、何だ?」
「守られてばかりでは、誰も守れません。」
「だが・・・」
「師範。やはり守ってください。」
「え?」
「私も師範を守ります。」
「ほぅ。」
「今は師弟ではなく、バディでお願いします。」
「フッ・・・ガッハッハ!いいぜ、相棒。」
「では、行きます!」
「オウ!」
――――――
ギャァウォォォオオオゥゥゥーーー!!!
『深淵の古竜』ダークドラゴンが現れた。
「よう!久しぶりだな、トカゲ野郎!!」
尻尾の攻撃!!
レオは大盾をしっかり両腕で構え、受け止めた!
ドーーーーンッッッ!!
レオは数m後方に押されたが、完璧に受けきった。
「よし!よし!よーし!!」
グルルルル・・・
古竜の首が赤く光り始めた。
「ミオ、火球が来るぞ!」
「はい!」
「俺が打ち返したら、一気に行け。」
「任せてください!」
グゥウオォォォーーー!!
古竜は火球を吐き出した!
「グレートカウンター!」
ドドドーーーンッ!!
レオが火球を弾き返す!
バーーーンッ!!
ギャオオォォーー!!
古竜に命中!炎上!!
黒い鱗が剥がれ落ち、中からシルバーに輝く銀鱗が現れた。
「乱れ裂き!!」
シュババババッ!!!
美桜の連撃が銀鱗の隙間を正確に切り裂いた!
・・・・・バラバラバラバラ
古竜は大量の肉片と化し、崩れ落ちた・・・
パァーーーンッ!
2人は思わずハイタッチ。
「あ、すみません・・・」
「ガッハッハ!やるじゃねぇか、相棒!」
そこに残ったのは大きな魔石と大量の銀鱗。
「やはり、そうか。コイツはアダマンタイトだ。」
「え?それって、この剣の・・・」
「ああ。今日はコレを採りに来たんだ。」
「そうなんですか?でも、どうして?」
「まぁ、まずは帰ろうぜ。腹ぁ減っただろ?」
「・・・そうですね。帰りましょう。」
――――――
「お帰り~、2人とも。どこ行ってたの?」
「ん?ああ、ちょっとそこまでな。」
「ふ~ん・・・デートだったりして。」
「バ、何を言うんだ真白。そんな訳ないだろ・・・」
「どうして?美桜。良いと思うけど。」
「いや、そんな・・・」
「おい、カイ!何かくれ!」
「はいよ!」
レオには肉厚Tボーンステーキ、
美桜にはチーズタッカルビを出してくれた。
「良いな~、カイ~。私タコライス・・・」
「はいよ~。」
食事を終えたレオと美桜。
2人は道場に居た。
「持ってきたな?」
「はい、ここに。」
美桜の手元には父から譲り受けた長剣2本。
「よし、振ってみろ。」
「はい!」
ヒュンヒュン!バシュシュシュ!!
「どうだ?」
「はい。問題なく振れます。」
「うん。良いだろう。」
「ありがとうございます。」
「今のお前なら、長剣の方が攻撃力が上がるはずだ。」
「はい。では、このために?」
「ああ。早速、アダマンタイトで打ち直してもらおう。」
「はい・・・」
「どうした?」
「いえ、せっかく師範に頂いた脇差なのに・・・」
「何を言ってる。お前が強くなるために作ったんだ。」
「もっと強くなれるなら作り変える。」
「当たり前のことだ。」
「明日から、長剣の訓練をやるぞ。厳しくな。」
「はい!お願いします!!」
美桜はこれからもっと強くなるだろう。
みんなを守れるように・・・




