第8話 遺跡
「真白さん!真白さんいますか!!」
凄い形相でミーナが飛び込んできた。
「何なに?どうしたの??凄い顔して。」
「まぁ、水でも飲んでくれよ。」
「あぁ、カイさん。ありがとうございます・・・」
一気に飲み干すミーナ。
ハァー・・・
「真白さん。皆さんも、ちょっとよろしいですか?」
「みんな揃ってるぜ。」
「どうしたんじゃ?血相を変えて。」
「実は・・・」
「上位パーティー・・・全滅しました。」
「うむ・・・」
「そうか。」
「なるほど。で、ウチに来たと。」
「え?あの・・・驚かないんですか?」
「まぁ、予想はしておったからのぉ。」
「鍛錬も抜かりないぜ。」
「そうですか。流石ですね。」
「正確に言うと、何とか3名だけ逃げ帰って来れたんです。」
「それで、少し情報を得ることが出来ました。」
「これがなかなか問題で・・・」
「盗まれるようです。」
「盗まれる?」
「スキルを盗まれるんです。」
「ん?それはパルドさんが言ってたよね?魔法が使えなくなったって。」
「違うんです。魔人は盗んだスキルや魔法を自分の物に出来るらしいんです。」
「え?それって・・・」
「戦えば戦うほど強くなる。と、いうことです。」
「何と・・・それは誠か?」
「はい。すでに上位パーティーのスキルを使えるようになっています。」
「それは厄介だな・・・」
「そうなんです。こんなの倒せるんでしょうか・・・」
「倒すよ。私が殺す。」
「何か考えが?」
「ない。でも殺す。」
「そんな無計画では・・・」
「いいのいいの。気持ちがあれば何でも出来るんだから。」
「真白さん・・・」
「まぁ、良いじゃねえか。俺たちも付いてる。」
「しかし・・・」
「それでミーナよ、やはり魔人は北の遺跡群かの?」
「あ、はい。そうです。」
「敵は1人か?」
「いえ。幹部クラスの手下が少なくとも4名はいるようです。それと他の魔物たちも多数。」
「他の魔物も?」
「はい。どうやら操られているようです。」
「その幹部とやらの能力は分かっておるのか?」
「詳しくは分かりませんが、魔物を操る能力を持つものがいるとのことです。」
「なるほど。」
「まぁ、でもやるしかないよね?」
「そうだな。」
「皆さんが強いのは理解しています。しかし・・・」
「ミーナ。もう俺たちしかいないんだろ?任せておけよ。」
「皆さんがやられてしまうと・・・」
「この街は終わりだな。」
「それもありますが・・・」
「心配してくれてるんだね。ありがと。」
「・・・」
「まぁ、危なくなったら戻ってくるよ。」
「そうだな。そうしよう。」
「では、明日にでも行ってみるかの。」
「・・・皆さん、お気をつけて。」
北の遺跡群―――
静かな朝。
魔物もいない。
報告とは違っているようだ。
しかし、確実に見られている。
遺跡に入った瞬間から、ずっと・・・
この辺りは、大昔に神殿でも立っていたのだろうか。
所々に柱だった形跡が残っている。
その周りには、元は建物だったであろう大小の岩々が散らばっていた。
ゴトッ・・・
岩の1つが微かに動いたような気がした。
ゴトッ、ゴトッ、ゴトゴトゴトゴト・・・
岩が次々に動き出し、数カ所に集まり始めた。
そしてそれは積み上がって行き、やがて人型に変わった。
「これはゴーレム!?」
「何体いるんだ??」
「フム・・・30体程かのぅ。」
「みんな、下がってて!・・・鎌鼬!!」
アンジュが複数の風の刃を放った!
シュババババッ!!
ギャギャギャギャギャッ!ドドーーンッ!!
半数ほどのゴーレムが石コロに戻った。
「残りは任せろ!・・・疾風連閃!!」
美桜が放った斬撃が残りのゴーレムを狙う!
バシュシュシュシュッ!!
キンキンキンキンッ!シュバッ!!ゴロゴロゴロ・・・
全てのゴーレムが無残に崩れ落ちた。
「2人とも凄~い♪」
「やりおるわい。」
「頼もしい奴らだ。」
フフフ。エヘヘ。
2人はとても嬉しそうだ。
「なかなかやりますねぇ。」
!!
突然、目の前に黒スーツの魔人が現れた。
「こ、コイツが盗撮魔人!?」
「違うよ!コイツじゃない!」
「では、幹部かの?アクアランス。」
オルディスが水の槍を放つ!
「ゴーレム。」
魔人が手をかざすと、足元の岩々が組み上がりゴーレムに。
ジュッ
水の槍はゴーレムに吸い込まれ、消えてしまった。
「むぅ・・・」
「私が行きます!乱れ裂き!!」
シュババババッ!!
美桜がゴーレムを薙ぎ払い、そのままの勢いで魔人に襲い掛かる!
「覚悟!!」
魔人の首に刃が届く!
チッチッチッチッチッ・・・
美桜の動きが、ピタリと止まった。




