第4話 再会
黒いタキシード。
尖った革靴。
白い手袋。
痩せた顔は不健康に青白い。
大きな口は、いやらしく歪んでいる。
タキシードには似つかわしくない髪型。
おかっぱ頭が目にかかるくらい長い。
まるでフードを被っているようだ。
髪の下から覗く大きな目は不気味に光って見える。
何だろう、胸がざわつく・・・
あの大きな目と口。
まるで、あの夢に出て来るアイツのようだ。
「フフフ・・・お嬢さん方、皆さん美しいですねぇ。」
ニタァ・・・
ニヤついた目、半開きの口。
忌まわしい記憶が蘇る―――
「!!」
突然飛びかかる真白。
「お前ぇぇぇーーーっ!!」
ヒラリとかわす男。
「おやおや、どうされました?お嬢さん。」
「殺す!」
ナイフを取り出す真白。
「ほほほ。穏やかではありませんねぇ。」
「お前は、あの時の!」
「おや?どこかでお会いしましたか?」
「忘れたとは言わさない!」
「何のことでしょう?」
「しらばっくれるな!盗撮犯!」
「盗撮、ですか?」
「『HOP SEVEN』!エスカレーター!!」
「!?」
「フッ、フフフフ・・・ハッハッハッハ!!」
「そうか。あの時の・・・フフフ。」
「ようやく見つけたぜ。会いたかったよ。」
「神に感謝しなきゃな。へへへ。」
「思い出したようだな。なら、サッサと殺されろ!」
再び飛びかかる真白。
かわす盗撮犯。
「せっかちなヤツだなぁ。じっくり行こうぜ。」
「いやぁ、あの時のお前。最高だったなぁ・・・」
「思い出すだけで興奮するぜ。ヒッヒッヒ。」
「死ね!」
「せっかく再会したんだ。お楽しみは次回に取っておこうぜ。」
「何!?逃がすか!!」
「脱出-エスケープ-」
フッ
盗撮犯は跡形もなく消えてしまった・・・
「どこだ!出てこいっ!!」
ドサッ・・・
倒れる真白。
「真白?おい、真白!」
「真白さん?大丈夫ですか?真白さん・・・」
――――――
真白の部屋
「う、う~ん・・・」
「真白?」
「あれ?美桜、どうしたの?」
「どうしたの?じゃないぞ。心配させて・・・」
「え?私・・・」
「覚えてないのか?あの店で突然倒れたんだぞ。」
「ハッ!アイツは?」
「分からない。消えてしまった。」
「そう・・・」
「真白、アイツと何かあるのか?」
「あ~、うん・・・下で話すよ。」
カイの食堂―――
「あ!真白ネェ!」
真白に駆け寄り抱き着くアンジュ。
「アンジュ、心配かけてごめんね。」
「ホントだよ。心配したんだから~。」
「おい、真白。犯人に遭ったらしいな。」
「うん。そのことなんだけど・・・」
「前に話したよね?私が死んでるって。」
「し、死んでる!?真白さんが??オバ、オバ、オバ・・・」
「あ~、オバケじゃないから。ミーナに話してなかったけど・・・」
「・・・転生者?そんなことが・・・」
「実は、私が死んだ原因が盗撮だったの。」
「盗撮されて、スマホ・・・いや、カメラを取り上げようとして、」
「エスカレ・・・いや、階段から落ちちゃって、」
「で、ついでに電飾も落ちて来て、感電死っと。」
「酷い・・・」
「そして、その犯人が・・・さっきの男。」
「何!?じゃあ、そいつも転生者ってことか??」
「そうみたい。」
「魔人として転生して来た、ということじゃな。」
「魔人。いや・・・盗撮魔人、か。」




